長女も長男も、仕事の都合で、遠方で暮らしている。
次女は、就職して1年半。
時々、遠方に出張はあるものの、通常は、通えない距離ではない。
賃貸物件をインターネットで物色している。
8畳は欲しいなあ、と、娘。
それをチラと見る私。複雑な思い。
また、人の気配のない、ガランとした部屋が増えるのか。
ほんの少し前までは、床も見えないほど散らかり放題の彼女の部屋。
仕事にも慣れたのか、徐々にいろんな掃除グッズを買ってきては、
部屋もピカピカ、その他の家の中もピカピカ、お菓子作りも熱心、スーツも自分で洗濯・・・
あれこれ家事に挑戦し、家の中が美しく充実するにつれて、私は、嬉しい悲鳴をあげていた。
一人暮らしができるかどうかトライ、挑戦したようだ。
家事をやってみて自分の成果が、自信につながった。
私は、嬉しかった悲鳴が、哀しい涙に変わった。
この子も出ていくのだ。
山に帰る、野生の動物とおなじ。
卒業おめでとう、の、涙で見送らなければ。
そう思っても、涙は止まらない。
一番下、最後に残っていた子ということもあって、特に辛い。
自分もそうやって、家を出たじゃないか。
それは、結婚という、社会に守られた枠内での、単なる横滑りだったのだけれど。
親は、喜んでいたし。私も、安心したし。
姉が結婚する時、母は寂しくて、辛くて、身を切られるような思いに、わんわん泣いていた。
私の時は、結構、縁談にも、わがまま言い放題だったので、ほっと肩の荷が下りたのではと想像する。
母は、結婚式でも、ゲストのユニークなスピーチや、可笑しいエピソードに、
涙を流してゲラゲラ笑っていたし。(笑いすぎやろ~って、思ったぐらい・・・)
両親には、ほんとうに感謝する。
子育てに必死で立ち向かい、暑い夏の盛りを過ぎ、やっと秋が来たと思うと
手をするりと抜けて、飛び立ってしまう。
楽しい、嬉しい時期、ああこの世の春だ、と思っていた時間は、こんなに早く終わってしまうのだ。
まだ喜びを充分、味わい尽くしていない、と欲を張る、
竜宮城の浦島太郎?
それが、時の流れというものか。
誰にも止められない。
永遠に心の中の思い出として、思いとどめておくしかないようだ。
寂しい思いをするぐらいのほうがいいのだろうか。
姻戚の、ある一家は、40才を超える未婚の娘さんと暮らしている。
とても楽しそうに、旅行などにも一緒に行かれている。
うちのお隣さんは、娘さんご一家と賑やかな毎日を送られている。
世の中には、引きこもり、会話なし、という悲惨な家庭もあるのだろうけれど。
いろんな家庭が、あるのだ。
子供が、それぞれに自分の道を決めて、進もうとするのを
寂しいからと言って、引きとめるのは、親のエゴだ。
子供の将来を考えると、成長の過程なのだから、応援してあげなければ。
しかし、自立のメドはついたものの、娘には、お付き合いしている人も、その先の結婚も、
一向に姿もカタチも気配も見えないのは、かなり不安でもある。
(私の目が曇っているだけ? お相手がいるなら、嬉しいことだが)
離れて暮らす子供たちに・・・・親の婚活かぁ・・・
そう言えば、長女への親の婚活は、今、小休止中だ。
親は、ツライ・・・
そうやって、自分も親の溢れる愛情、涙の数々を踏み台にして、
今日に至っているのだろうけれど。
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