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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

大高根山

2019年10月28日 | 登山
大石田町と村山市にまたがる山、大高根山は標高543m。昨日の亀割山に続いて、山形百名山57座目の山だ。昨日の酒も抜けきらない内に、朝の温泉を浴び、外の様子を見た。8時過ぎに、雨雲が去って、陽がさしてきた。僥倖は、2日続いて起こっている。朝、宿付近の林道で熊を見かけたという、Aさんからのライン。宿の人に告げると、「このあたりは山なので、熊はいますよ」と、驚いた風もない。会で準備した熊撃退スプレーを、若い会員に持参してもらって大高根に向かう。大石田から次年子へ向かう道は、「そば街道」と称されている。地元産のそば粉で打つ、手打ちそが食べられる。


10時30分、登山口着。目の前に広がる紅葉のパノラマ。昨日の亀割よりも、こちらの方が高度は低いが、周りの森は紅葉が進んでいる。雨上がりの紅葉は、ひときわ美しい。この登山口まで、林道には道を間違うことのないような標識がたっている。標識を立て、登山口の整備をしてきたのは、町民の有志で行っている「大高根山の会」だ。10年頃前から、荒れた登山道を整備し、ロープを張り、石を除き、急な坂に段差を作って歩き安く地道な努力が続けられてきた。


30分ほど山道を登って行くと、奥の方から山道の掃除の音が聞こえてくる。一人の男性が熊手を持って、今朝落ちて来た落ち葉を払っていた。この道には、ベンチが13あるそうだが、いつもはこれも拭いて、座っても濡れないようにしているが、今日はまだしていないので、気をつけてと言葉をかけてくれた。満面の笑みの、すばらしい人であった。腰には熊撃退スプレーをつけている。「妻が持っていけと言ってきかないのでね。自分は要らないんだけど」と話してくれた。

この山にも、2度ほど登ったことがある。いずれも冬山で、長い林道を歩いて登った。
夏の道がこれほどアップダウンに富んでいるとは、気づきようもなかった。中腹に八森山があるが、ここも急な坂の上にある。ここから、大石田、尾花沢の集落が見えていて素晴らしい展望である。ここからピークを三つ過ぎ大高根山の山頂に着く。所要時間は1時間30分、間近に迫る紅葉をたっぷりと堪能した。それにしても、カメラの画像と、肉眼でみた紅葉とでは、これほども差があるのか。やはり、自分の脚でそのただ中に立つことの素晴らしさを改め気づいた。
紅葉と杉のコントラストも捨てがたい。この地区の先人たちが営々と築いてきた杉林はみごとな佇まいを見せている。かってここには、米軍の砲座が作られ、砲撃演習が行われた。この演習は1946年から10年間行われ、不発弾の爆発で、地域住民4名が死亡するという悲しい歴史もある。
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