常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

飯豊の紅葉

2019年10月20日 | 日記

登山で、紅葉には恵まれていない。栗駒山、鶴間池、甑岳と紅葉の情報でもみごとなものであったが、3週続けて台風や雨で、山行が中止になった。その間、鳥海山、蔵王の紅葉のニュースが流れている。このままでは紅葉の絶景を見ないまま冬になってしまいそうな状況だ。久しぶりの晴れで、飯豊まで行って状況を見た。名所の赤芝峡は色づき始めているが、見事な紅葉にはもう少し時間がかかりそうだ。

11月に行く予定の百石山も、頂上付近でお色づき始めた。3週間後まで、紅葉が見られる保証はない。飯豊の梅花皮荘のあたりまで行くとさすがに、きれいな紅葉が始まっている。眼前の玉川前の岩峰には、いきいきとした紅葉が見られた。その奥に、飯豊山の梶川尾根、丸森尾根はすでに見事な紅葉である。来年の登山計画には、飯豊も含まれるが、あの急登、そしてどっしりと構える飯豊の山々はどんな表情を見せてくれるのか、この紅葉を見ながら期待は深まっていく。

紅葉を見るチャンスが失われただけ、今年ほど紅葉へ飢渇感が深まったことはない。おりしも、山形百名山のポータルサイトでは、秋のフォトコンテストが行われている。応募されているのは、ほぼ紅葉のシーンで占められている。朝日連峰、小朝日の草紅葉、蔵王樹氷原などなど、どれも見ごたえのある写真ばかりだ。インスタグラムでyamagatayamaで検索すると簡単にみることができる。

手元に佐竹伸一先生の『朝日連峰の四季』という写真集がある。見開き一枚に一葉の写真に先生の名文がつけらている。秋の写真を見ると、「燃える小朝日岳」、「秋の縦走路」、「相模山秋色」、「草紅葉の彼方に」、「錦繡の朝」、「池塘秋色」の6枚のみごとな紅葉の写真に続いて「初雪来たる」へと続く。山では、冬の季節は山眠ると表現される。山は厚い雪の衣を来て、長い眠りにつく。紅葉は、その眠りの前の束の間の華やぎである。桜の季節と同様に、一夜の荒天で、紅葉した葉は落ちていく。見事な紅葉を見る時期は一瞬のうちに過ぎていく。週一のスケジュールされた登山では、台風で中止になったりするとその一瞬を見逃す可能性は高い。近くの山に車を駆って見にいくこともできる。

山へ行くことの幸福を考えてみた。健康と体力、家庭の安定、その上の懐具合、ゆとりの時間など、どのひとつが欠けても山を楽しむことはできない。体力面では、年齢をひとつ重ねるごとに失われて行く。しかし、体力は食事や適度な運動で維持することができる。山の魅力を知り、そのために健康でありたいという意識は、日々の生活で己を律するモチベーションになっている。これは幸福という人生の目的に向かう好循環である。
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