梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

吾唯足知,餓鬼道界には無縁の話だ

2021-05-19 10:53:45 | 雑記
格差社会だと言われて久しい、
富の偏在は著しく7%低度の超富裕層が社会全体の資産を90%近く保有していると言う、
新自由経済主義は資産形成増大が全てに優先し「それが本来の自由である」と言って憚らない、
確かにそれは努力と才能の賜物だと言える、いわば勝者の権利褒章でもある、
しかしそれは努力した本人だけでは済まないで新たに生まれて来た生命にとっては最初から大変な格差ステージに放り出されたことになる、
生まれて育ってゆく環境は憲法に謳われている通り等しくなければならない
せめて学業年齢終了までは同じ境遇でなければ「本来の自由の保証」とは言えないのではないだろうか、
働けるだけ働けば生きる事に必要な資金は社会が負担する、これを究極にして行けば社会主義、コミューンに行き着くのだろうが社会主義が成り立たないのは近代史が証明している、人間はそんなに高尚には出来ていないのだろう、
「欲望を満たすには二つの方法がある、物を得るか、欲を捨てるかだ」と言う、
吾唯足知、吾唯足るを知る、よく蹲に彫られている言葉だ、
仏教の六道の中、人間界から天上界に足を踏み入れる菩薩道の入口、悟りである
世の人達が皆この境地になれば平等に助け合って暮らす世界になるのかと言えばおそらくそうではなく文化社会は衰退してゆくだろう、
文化の進化はやはり人間の欲望が原動力になっている、
科学の発達は如何に効率よく経済を回すかという事からだろうし、科学の発展に一番寄与しているのはやはり戦争の武器だ、
如何に効率よく相手を殺すか、戦力を奪うかだが戦争の原因は殆ど経済的な欲望だ
菩薩界と対極にあるのは地獄界の手前、餓鬼界だがこの世界ではいくら食べても飢餓が治まらない苦界である、
古代ローマの退廃期には飽食暴飲を繰り返し、胃がいっぱいになると全て吐き出して又食べ続けると言う、
果たして彼らは幸せだったのか?吐き出すためのへらまで用意して恐らく涙を流して嘔吐し又食卓に向かってしまわなければならないと言うのはまさしく“餓鬼”そのものであり、地獄だった事だろう、
小さな国家の年間予算を超える資産を個人保有しそれでも未だ増やさないと不安になると言う彼等もそれはそれで地獄なんだろうがその為に通貨を買い集め、売り浴びせて小国家の経済を混乱に陥れる禿鷹ファンドは餓鬼道であると同時に地獄の邏卒でもある、
地獄の邏卒なら「閻魔様に地獄に落とされる」事もあるまい、何しろ其処の住民なんだから、
人間の殆どは人間界でもがいて生きるしかないのかもしれないが餓鬼が大手を振って居られるのはやはり納得がいかない