梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

債権と核兵器と

2016-05-22 08:13:04 | 雑記
人間は多くの発明と工夫によって地球の支配者として君臨してきた、元々生きるために必要な食料を得れば良しとする普通の動物だったはずだが季節の変動や群れの規模による不安定さをカバーするためにだろう「蓄える」事を覚える、蓄える事は即時格差を生み,社会を形成すると同時にヒエラルキーが形成されそこに管理という道具が発明されて貧富の差は拡大する、それでも貨幣と言うシステムが発生するまでは現物の保管管理という事から範囲的にも時間的にも限度が有った、しかし等価貨幣という概念が確立することで時間的にも距離的にも拡大し人間の社会は地球上の生物として強大な力を得たのだが強大な道具は同時に強大な武器にもなる、物理的な発明は石器から青銅器、鉄器と農耕具として革新をもたらした道具は武器の革新でも有った、産業革命をもたらした外燃機関まではまだ鉄道レベルだったので広範囲に移動できずインフラ整備が必要でそれが経済的発展の足かせだったが内燃機関が発明されると一気に経済の拡大が可能になると同時に機動的な軍隊を発展させ侵略の範囲は加速度的に広がった、人類の夢と言われた空を飛ぶ事は偵察から爆撃と更に戦力を拡大する、ダイナマイトの発明は破壊兵器を強力化し、核開発は500kg程度で10万人規模の都市を一瞬に消滅させる、
科学の発展は人類に多くの恩恵をもたらす力がある代わりに破滅させる力もある、陳腐な言い方だが「使う人間の資質」に依存するしか無い、しかしいまの支配者層を見る限り、というより20世紀以降の政治と経済を見ていると普遍的に社会を発展継続させる事が可能な人間的資質が有るとは思えない、自らの欲望を肥大させるだけが目的で長期にわたって人類という「種の存続」は念頭に有るとはとても認められない、
しかし武器より厄介なのは経済システムとしての発明だ、貨幣の発明は人類の発展に無くてはならない物だがそのシステムを支配した階層の人間にに多くの人間が隷属させられている、それよりなお多くの格差を産んだのは「債権」の発明だろう、此れがなければいまの発展はなかったし「債権」の効力は「未来への投資」という意味では努力と結果の道を広げたがその力を只々自らの蓄財といより経済的支配力の強化にのみ使う連中が「債権」の威力である「実質的経済力」の数倍の威力を駆使して彼らの係累で初消費できるわけもない経済力を集め更に飽くことなく肥大してゆく、
ピケティの言を待つまでもなく此れをなんとかしなければ人類の未来は暗澹たるものだ、
「全ての獲物を食い尽くした肥満したライオンは草原で飢え死にする」のは全ての生き物がいなくなった後では人類という「種」は救われない