福田の雑記帖

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映画「ふたたび swing me again」上映会 感動した

2011年05月02日 05時01分21秒 | 映画評
 本日13:00から秋田市のViewHotelで映画「ふたたび swing me again」の上映会があった。主催は秋田県国際交流を進める女性の会、後援は秋田県更生保護女性連盟、秋田ゾンタクラブである。

家内はゾンタクラブ会員で10枚ほど前売り券を購入していたので無駄にしてはいかん、と一枚もらい受けた。
 どんな映画かも調べず、知らず、何か得ることはあるだろう、と時間ぎりぎりに会場に出かけた。驚いたことに300席ほどの会場は既に8割方、中高年の女性方で埋まっていた。すごい動員力である。何とか後方に席を見つけた。

 定刻に始まったが、まず音の大きさに閉口した。特に音楽のない前半は耐え難かった。
 映画は冒頭でハンセン病に関する簡単な説明で始まった。この映画は半世紀以上も隔離されたあるトランペッターの最後の旅を通じてハンセン病の人権問題を扱った作品。主人公の貴島健三郎なる人物はこの病気のために音楽、妻、息子、人間関係も含め全てを奪われ、孤島の療養所に隔離された。
 晩年、息子の家に引き取られた。重度の心疾患を持つ貴島は初めて会った孫と共に、人生最後の試みとしてかつて結成していたジャズバンドのメンバーを訪ね歩き、最後に渾身の演奏した後果てる、と言うストーリー。

 再開したかつてのバンドメンバーたちの想いと演奏にかける熱意は半世紀を経ても褪せることなく、最後の演奏シーンへ導入されて行く。この時から映画はジャズシーンがメインとなる。半世紀ぶりに果たし得た熱演の後、貴島は孫に楽器を託して会場を後にし、かつて二人だけで結婚式を挙げた教会にたどり着き、そこで果てる。
 そんな映画であった。 音の大きさは後半に生きた。

 キャストは渡辺貞夫だけは観ていて分かったが、他は終わりまで一切分からなかった。後で、財津一郎、犬塚弘、佐川満男、古手川祐子など、私も名前は知っているメンバーが出演していたことを知ったが、観ている間は全く気付かなかった。ジャズの演奏シーンは迫力十分、財津を始め、出演者の楽器の扱いも実に自然で、私は最後までジャズのプロが出演しているものと思っていた。心疾患の呼吸困難の様子を演じた財津の演技も見事であった。

 ハンセン氏病患者は1953年に制定された「らい予防法」で隔離された。1998年に「らい予防法違憲国家賠償請求訴訟」が起こされ、2001年に原告全面勝訴の判決が確定した。病そのものと患者の家族までも巻き込んだ差別が今もなお存在することを鋭く描いている。

 全く白紙の状態で出かけた上映会であったが、それだけ一瞬一瞬が味わい深く、最後の演奏シーンでは深く感動し、涙した。良い作品であった。今まで映画を毛嫌いしてきた訳ではないが今まで観た作品は極端に少ない。映画の持つアピール力はとても大きい。私にとってはこれからの領域である。
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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いい映画ですね。感動しました。 (三上努)
2011-05-02 21:36:16
試写会で鑑賞しました。いい映画で感動しました。シティライツ「目の不自由な方々と共に映画鑑賞を楽しむボランティア団体」でも鑑賞できるといいと思います。

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