今年はCOVID-19が5類に移行したこともあって、また感染者数も全体的に少なくなり行動制限もなくなった。横浜在住の長女一家も3年ぶりに来秋する事となった。それもあって2020年から中断していた岩手にある菩提寺への墓参りを行った。
私は1983年(昭和58)の父親病没の数年前から一応我が家の代表者として墓参りを行ってきた。その間、業務の関係で時期を少しだけを外したことはあったが今まで欠いた事はなかった。
私は二人兄弟である。兄とは11歳歳が離れている。2015年実兄が死去した。それまではこの墓参りは年に一回の兄弟とその家族の親睦の場になっていた。兄が体力気力が衰えて死去の2-3年前からは参加する事は無くなり、兄弟間の親睦会は自然消滅した。
それ以降は盆の墓参りは私どものだけの家族だけの行事となった。
私どもは3人の子供に恵まれた。現在、私が家族と称するのはそれら3人と孫5人を含む12人のことを指す。長女一家3人は横浜在住でそのほかのメンバーは秋田在住である。
最近の墓参とその前後のミニ家族旅行は、時を経るに従って先祖を偲ぶための墓参の意義は小さくなり、孫を中心とした家族親睦会にシフトしている。何しろ私の両親を知っているのは我々夫婦のみであり、子供たちも小学生で滅多に会うこともなかったから具体的思い出や記憶としてはないだろう。
それでも家族一同は盆の墓参り行事には参加してくれる。
幼い孫たちにとってこの盆の時期に家族全員が田舎にある菩提寺に集まり、墓石をきれいにし、花を飾り、本堂で厳かに読経をあげてもらう事は、その意義などはほとんど直接教えた事はないが、この家族12人がこの墓を中心に緩やかに結ばれていることを自覚していく過程になるのだろう。また、日本の宗教的文化の一隅に接しその雰囲気を味わっていくことになるだろうが、孫たちにとってこれは人生の中での重要な体験となる。
その意義は今後の人生にとっての心の拠り所になるもの、と私は信じている。
だた、私はそういう意味での宗教感はあるが、問われれば私はどの宗教にも帰依していない。どちらかと言えば無宗教なのだが、日本の宗教的行事には子供の頃からの習慣に素直に沿っているだけ・・・、と答える不埒者の一人である。
実際には、孫たちにとっては墓参り前後のミニ旅行の方が楽しいのは論を待たない。
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