福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

四季2015(8) 紺青の空、山・木々の真っ黒なシルエット、星のきらめき

2015年11月14日 07時16分29秒 | 季節の話題
 11/12、13日はそれまでの曇天・雨模様のぐずついた天候から一変、終日、雲ひとつない超快晴状態となった。しかも無風状態、こういうのを正真正銘の秋晴れ、というのだろう、と感心した。

 13日早朝5:00am、新聞と牛乳を取るために玄関を開けた。ほぼ暗闇の中、ひんやりした外気に誘われて外に出てみた。
 この季節の早朝は、その日の天候の影響をもろに受けて空の色、雲や朝日、霧などが織りなす素晴らしく、時に幻想的な景観を楽しめる。早起きの得の一つである。

 13日朝は日本国中を覆う高気圧の影響で終日超快晴の天候と予想されていた。ほぼ無風状態。放射冷却現象でかなり冷え切っており、呼吸するたびに鼻や喉に痛みを感じるほどであった。

 空気は限りなく澄み、朝日を迎える東側の一部だけはかすかに橙色に変わりつつあったが、空は一面深い深い紺青色、満天に無数の星がいつもより遙かに大きく、明るくみえた。星の黄色の光がは揺らめきながら紺青色の色調の中でとても美しい。
 建物、公園その他の木々、山並みはすべて真黒のシルエットとして深い紺青の空と調和し、これも実に美しい。

 時間よ止まれ!!と心の中で願いつつ、寒さも忘れ10数分、自然の恵みを堪能した。この光の織りなす微妙な世界、絵画や写真ではとても表現できないと思う。覚えておくしかないか・・・と思いつつ見続けていた。


 こんな静寂な情景の中、私の心の中にはR。シュトラウス作曲「アルプス交響曲」、ロッシーニ「ウイリアムテル序曲」、グリーグ「ペールギュント組曲の朝」、ブルックナー「交響曲の導入部の弦のトレモロとホルン」が次々と浮かんでくる。実際に外は無音である。深い静寂の中に身を置いている。これらの曲はいづれも無音のまま私の心の中で鳴り響く。無音のまま壮大な音楽として聴こえてくる。

 今朝の情景は、更に数10分経てば、空は明るくなり、徐々に乳白色のイメージが加わり、深かった紺青色は紺青色に変わる。さらに明るくなると澄んだ青一色に変わってくる。

 私は感動した。今日も、この一瞬の美しさを味わった、生きていて良かった、と思えるほどの感動であった。もうここまで美しければ言葉なんて要らない。いかなる言葉を用いてもこの美しさは表現出来ない。ましてや私ごときが言葉にしてこの素晴らしさの何割を表現出来ない。例え、表現出来たとしても、私以外のヒトにとって何の意味があろう。そう考えてやめた。



 私は、この朝の紺青色は好きだ。ゆったりとした時間の流れを味わいながら、今日1日をどう過ごすか思案する。徐々に気力が湧いてくる。これ人生そのものだ。
 最近の出勤は6:20am頃である。約1時間歩くが、歩行者道路はちょうど昇り始める朝日に向かって歩かねばならない。これはちょっと辛い。サングラスを利用すればいいのであるが、そんな色眼鏡を通して朝の景色を見る意味はない。

 今朝は空から、人生を教わった。
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