福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

ブリタニカ百科事典の書籍版発行終了 電子版のみに

2012年03月18日 03時46分33秒 | 時事問題 社会問題
 百科事典の代表格で244年間にわたって出版されてきた「ブリタニカ百科事典」の書籍版が無くなり、今後は電子版だけになる。
 「ブ事典」はスコットランドで発行が始まったが、現在は本社を米国に移している。本社が3月14日に明らかにした。2010年の最新版は全32巻で、でか過ぎる、重過ぎる、高価過ぎる、と言うこともあり、インターネット検索の普及によって売れ行きが急速に落ち、最近はピーク時の1/15程度にまで減っていた。  

 来るべき時が世界的な老舗にも及んだ。コダック社もそうであったが、伝統的な手法が通用しないほど社会が、情報処理が、ユーザーが変わったと言うことである。データや情報の電子化は時代の流れであり、「ブリタニカ百科事典」を利用していなければ、私もそれほど感心を持たずに聞き流していただろう。

 「ブリタニカ百科事典」はかつては百科事典の代名詞的存在で、2年に一度出版され、どういう数え方か分からないが、第15版は1974年に翻訳され、「ブリタニカ国際大百科事典」としてTBS出版から発売され、1983年に改訂されている。 しかし、2003年以降、日本語の書籍版は発行されていない。

 私が購入したのは多分この83年版だったと思う。既に手元にないので調べようがない。20数万円ほどで、高価であったが、知識の宝庫を身近に置いて私自身が賢しくなった気がしておおいに満足した。日常的に、機会ある毎に適宜引っ張り出して利用した。昨年の退職時に職場から大量の書籍を自宅に運んだが、スペースの問題からこの年鑑が私のもとを去った。私は自分の所持品は自分で分解あるいは裁断して廃棄するが、この百科事典もハードカバーの表紙と冊子部分に分け、更に後者は3分割して廃棄した。再生紙として役立っていくことを願っている。

 「ブリタニカ百科事典」の記載内容はどんどん古くなったが、基礎知識を得るためには結構役立っていた。本体よりも役だったのは「ブリタニカ百科事典国際年鑑」の方であった。「ブ国際年鑑」には一年前の世界的出来事の詳細が記載されているだけでなく、著明な方々の解説記事、評論を読むことが出来る。一年ごとの世界の動きを再現できるのが良い。年鑑に盛られたデータやテーマは私にとって、過去と今をつなぐ重要な役割をはたしている。「ブリタニカ百科事典国際年鑑」についてのニュースは無いが、これも多分発行されなくなるだろう。

 随分役だったが、今後、電子版を購入するか、と問われれば多分購入しないだろう。「ブリタニカ百科事典」を購入したときと今は時代が異なり、これが無くてもそれほど不便しないからである。「ブリタニカ百科事典国際年鑑」の電子版が出ればこれについては検討したいと思う。本心は書籍版として欲しい。

 ブリタニカ社は人間社会の知的文化を集大成して大きく貢献したと思う。今回アナログから電子化へ大きな転換をしたことになるが、今後の存在についてはちょっと心配である。
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