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福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

終活2018(16) 先日愛用のチェロを解体した

2018年11月18日 17時37分50秒 | 音楽談義
 1965年私は新潟大学に入学し、未経験なのに身の程もしらず医学部管弦楽団に入部しヴァイオリンを担当することになった。本当のところはチェロに食指が動いたのであるが、初心者用楽器でもヴァイオリンの3倍ほどの値段で、貧乏学生の私には到底手を出せるものではなかった。

 チェロをやりたいとの気持ちはずっと変わらず、1980年頃、念願のチェロを購入した。
 京都の学会の時に楽器店を訪れ、年老いた店主にいろいろ相談していたが、私に相応しいであろう楽器をオークションで見つけたので仮抑えしたという連絡があり、店主の見立てを信じて購入を決め、数ケ月後の京都出張時に購入した。弓、ケース込みで60万円ほどと、ど素人の私が持つには贅沢な楽器であった。

 イタリアのクレモナにある工房の作で、底面のレッテルには「Benedikt Lung」とある新しい楽器で、形よく、音色もシャープ、私は充分気にいった。嬉しくて二条城前の京都国際ホテルで二晩チェロを抱いて寝た。

 楽器と同衾したこのホテルは、私にとってはちょっと贅沢であったが、その後も何度も利用した。

 本年4月の内科学会総会時に宿泊希望で検索したところ、このホテルは実在せず、2014年12月に惜しまれつつ53年の歴史に幕を閉じていた。
 楽器店店主も私が楽器を購入した後、数年後にお亡くなりになった、と言う。
 購入した翌々日、夜行寝台特急日本海で帰秋したが、列車のベットはチェロを持ち込むのに狭くて寝るのに苦労した。その日本海も2012年3月引退した。

 そして、このチェロ。先日2018年11月11日に私の手で解体され、その生涯を閉じた。記念に画像を残した。今後更に細断する予定である。

 (興味を示して寄ってきたのは我が家のネコどもの母ネコ「小さい方」)
 
 このチェロは新作で購入時は問題なかったが、2010年頃から裏板が徐々に側板から剥離してきた。単なる接着ミスと考えて仙台の工房で2回修理したがいずれも1−2年で同様の状態に戻った。私がじっくり見た範囲では裏板が収縮し、変形した事が剥離の原因と考えられた。若い楽器で、経年変化であろう。全体を作り直すには購入時と同様の修理費がかかるために、諦め、しばらくそのままにしておいた。

 考えてみればヴァイオリンやチェロなど大切に扱えば100年単位で使えるはずである。私のヴァイオリンは1700年代のクレモナ製であるが今だに準現役である。この楽器に関しては作成段階から木材の選定か設計、施工過程のどこかに問題があった、としか考えられない。売ってくれた店主もその時点では到底見抜けなかった、と思う。こう言う運命の元に生まれた楽器であったと思わざるを得ない。

 今回、私の残り時間を考えて楽器を中途半端にしていても意味がないと考えて解体した。流石に、気持ちが落ち込んだ。私を十分に楽しませた愛器が、私の元で最期を迎えた事、私の手で解体でき、短かったが私がその生涯と共に過ごせたことは、無常の喜びである。
 私は自分で愛着を持って用いた品々は自分の手で解体して廃棄する様にしているので、このチェロもそう扱った。

 私はこの楽器に愛着を持っており、練習のし過ぎで腱鞘炎になったこともある。ずいぶん練習した。しかしながら、ほとんど上達しなかった。実にヘタである。
 その理由は、誰からも指導を受けず、ヴァイオリンを立てたイメージで扱えば何とかなるだろう良いだろうと甘く考えていた事が挙げられる。本来、ヴァイオリンとチェロのテクニックは全く別物であるが、それに気づくのが遅かった。
 それでも、度胸良く時にはアンサンブルに参加し、大いにアンサンブルを乱した。今思えば実に気恥かしい。消えたいほどである。

 私がチェロを愛好していた事がきっかけで3人の愛奏者が誕生した。そのことは良かったなと思う。

余生をパソコンと共に生きる(6) パソコンで音楽を聴く (4)「iPod touch」、「iPhone8」でも聴く

2018年09月19日 18時05分05秒 | 音楽談義
 パソコンに一度、曲のデータを取􏰁込んでしまえば、パソコンがジュークボックスとなり、CDを取􏰁替えなくてもワンタッチで選曲して聴くことができる。すべて手元のキーボード1つで再生出来る。この機能はものぐさな私にとっては超超便利である。パソコンにミニコンポを繋いで聴くと結構いい音がする。私はこのレベルで満足している。

 調子に乗ってCDをパソコンに取􏰂込んでい􏰁うちに、本日の段階で私の「iTunes」には 音楽データとして165GB分取り込んだことになっている。CDとして500枚程度に相当するのだろうか。

 終活と称してパソコンに私のCDを全部取􏰁込むことにした。私が購入したのはせいぜい100数十枚で、その作業は一月ほどで終わってCDは廃棄したが、わが家には予想を超えた枚数のCDがあった。私は感知していなかったが長男が大学生の頃から収集していたらしい。それらのCDの中には私のライブラリーに是非加えたいと思うのが沢山あり、長男のCDからはデータだけそっくりいただく事にした。本日また缶ビールが入っていたダンボール箱で一つ届いた。彼は「まだあるがやっとゴールが見えてきた・・・」、と言っていた。私の作業はまだまだ続きそうである。

 私は、6台のパソコンにデータを転送している。また「 iPod touch」、「iPhone8」にも同期させているから何処でもいつでも聴ける。
 この終活作業を介して、昔のごとく音楽三昧の生活が戻って来た。パソコンがない部屋でも、通勤時、農作業時、車の中 など、どこでも気軽に聴る。

 そんな中、今春娘から64GBの「 iPod touch」を貰ったのが火付け役となって、「ならば音楽を全部詰め込んで持ち運ぼう」と考えて今年6月に256GBの「iPhone8」を購入した。 「iPhone8」にはまだまだCD200枚分程の余裕がある。

 「 iPod touch」も「iPhone8」も充電はUSBケーブル経由で簡単である。充電池の能力も向上していて、短い充電時間で何時間も聴くことができ􏰁など、技術の進歩には驚くばかり􏰂。 ひと昔前のカセット、MD、CDウオークマンの時代には音楽メディアを頻繁に取り替えなくてはならなかったから、当時としてはそれなりに便利であったが、今の状態とは隔世の感がある。
 「 iPod touch」「iPhone8」はそれだけでも間にあわせ的に、かそけく聴けるが、私はBluetoothを介してソニーのノイズキャンセリングヘッドフォンWH-1000XM2をで聴いている。
 私はこのレベルで満足している。

ベルリン交響楽団演奏会(2) 厳しい台所事情から日本で1ヶ月以上に渡る長期滞在

2018年06月28日 05時34分28秒 | 音楽談義
 ベルリン交響楽団は、1966年西ベルリンで設立されて以来、音楽の激戦地ベルリンにおいてベルリンフィルと共に半世紀に亘り市民に支持され続けている。

 1997年、5代目の首席指揮者に就任したリオール・シャンバダール氏は海外ツアーやレコーディングなど精力的に活動を広げ、ベルリン交響楽団の新時代を築き上げる。
 ベルリンでの音楽祭はもちろんのこと、ロンドン・プロムス、エディンバラ、イスタンブール、フランダース、カイロなど世界の主要な音楽祭にも参加する。

 地元ベルリンのコンサートでは、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、メンデルスゾーンなど、古典の交響曲をプログラムの中心にもってくることにより、耳の肥えた聴衆を拡大してきた。このオーケストラの強みは、シャンバダールの元、確固たる演奏様式が備わっていることである。これは現代音楽が中心になっているベルリンフィルと対局する動きである。

 ベルリン・フィルハーモニーホールで定期演奏会を続けているほか、ベルリン音楽アカデミーと共同で様々な教育的ブログラムを実施している。このプロジェクトは、ベルリン交響楽団のあらゆる活勣の中でも特筆すべき点と言われている。

 予供のための教育ブロジェクトを促進すべく、フィルハーモニーホールで子供の為のファミリーコンサートを行い、楽器を紹介したり、学校を訪れて演奏している。

 然し乍ら、2003年に市の財政緊縮の為、ベルリン交響楽団への助成金が打ち切られ、団員全員が解雇される事態となった。しかし、翌年からまたプロジェクト・オーケストラとして活動を開始した。現在、ベルリン交響楽団のメンバーは正規団員、エキストラを合わせて約80名である。

 月に—度、日曜日にフィルハーモニーホールで定期演奏会やファミリー・コンサートを、またカンマームジークザールで毎年2回ジルヴェスターコンサートを催している。
 しかし、ベルリン交響楽団の収人だけでは食べていけないので各メンバーが学校で教えたりしている。
 さらに、ツアーで外貨を稼ぎ、その一部を楽団の運営費に当てる。

 2014年よりベルリン市より助成金2万ユーロ支給されることとなり、宝くじ(ロト)基金も2-3年前から出ているなど、2004年より続いた苦しい台所事情は10年経った頃から、ようやくベルリン交響楽団の活動が安定してきている。

 2002年より今回で7回目の日本ツアー、そのうち秋田には6回訪れ、私はその全てを聴いている。来日時のスケジュールは毎回一ケ月以上滞在し演奏を続けている。
 その背景には苦しい台所事情もある、ことを理解した。

 多くの日本のオーケストラも厳しい運営が続いているようである。音楽を好む一人として何も力になってあげられないが、せめて秋田公演の機会があれば聴衆の一人として支えていきたいものである。

ベルリン交響楽団演奏会(1) 能代での演奏会を聴く 私にとって6回目

2018年06月27日 17時36分18秒 | 音楽談義
 ドイツの首都ベルリンに拠点を置くオーケストラ・ベルリン交響楽団の「スペシャル・サンクスコンサート」が6月24日、能代市文化会館で開かれた。
 指揮はイスラエル出身の首席指揮者リオール・シャンバダール。いつもの如くなじみ深い名曲が披露された。

 曲目は
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  ■ シューベルト交響曲第7番「未完成」、
■ ラフマニノフピアノ協奏曲第2番、
     独奏 エフゲニー・ミハイロフ
     アンコール チャイコフスキー「金平糖の精の踊り」
     グリーグ「山の魔王の宮殿にて」
  ■ チャイコフスキー交響曲第5番
  アンコール ビゼー「アルルの女」からファランドール
         「カルメン」より「第3幕への間奏曲」
          ブラームス 「ハンガリー舞曲第1番」
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 この日は約70人が演奏、北秋田市出身能代高卒の米倉森さん(30)もクラリネット奏者として舞台に立った。

 私は一部の表現に驚きながら、主たる三曲を十分楽しんだ。楽しんだ・・ということにはトロトロ寝を含む。微睡しつつ名曲の演奏を聴くのは私にとって贅沢な、かつ至福の時である。

 同楽団は1956年に当時の西ベルリンで設立。今回で7回目の来日。私は今回で6回目、来日楽団としては一番多いが、指揮者も同じ組み合わせで6回目とは驚きである。指揮者と楽団の日本公演に対する好み、利害が一致していることだろう。

 私のファイルから過去を検索してみると、今回以外は秋田県民会館。今回は工事中なので能代にまわったのか??
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 ■ 2002 6月 シューベルト「未完成」、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」、ベートーベン「英雄」
 ■ 2004 6月 ベートーベン「エグモント」,同「交響曲第7番」、ドヴォルザーク「新世界より」
 ■ 2008 9月 シューベルト「未完成」、ベートーベン「運命」、ドヴォルザーク「新世界より」
 ■ 2010 6月 エルガー「威風堂々」、ベートーベン「交響曲第7番」、ショパン「ピアノ協奏曲第一番」独奏ブーニン
 ■ 2012 6月 ベートーヴェン「交響曲第6番田園」、メンデルスゾーン「交響曲第4番イタリア」、同「ヴァイオリン協奏曲」独奏イリヤ・カーラー
 ■ 2018 6月 今回
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 楽団は7回目の来日で日本にも、秋田にもなじみ深い。

 今回はわざわざ出かけるので、S席で聴いた。座席が狭くて閉口した。
 指揮者は姿も相変わらず。ちょっと身長が縮んだような印象である。どうやって靴下をはくのか、ズボンをはくのか、聞いてみたい。
 コン・マスは体格が抜きんでて大柄、楽器が小さく見えた。いつも名曲を並べ、著名なソリストを同行してくる。超有名曲のオンパレードで、理屈抜きに感謝である。本当は不協和音が続く現代曲も一曲くらいほしい。

 来日公演のパンフレットをみると、毎回1ヶ月以上日本全国を巡回している。来日楽団としては異例である。遠くドイツから一月以上も日本で公演し続けるのは一体何なのか?
 今回はその件についても資料を集めて見た。結果として、運営費用の件が大、ということがわかった。

iPhone8購入(2) 終活の最中、音楽プレーヤーとして有用

2018年06月18日 18時28分52秒 | 音楽談義
 Appleが世に出した音楽プレーヤーは2001年であった。
 ソニーのウオークマンも音楽を身近にしてくれたが、AppleのiPadは「音楽を持ち運ぶ・・」というコンセプトで、その機器の内臓メモリー容量の大きさは発売当初から衝撃的で、瞬く間に世界的に普及した。

 その後、製品のラインナップは増え続け、iPod mini、Shuffle、Nano、Touchなど多くのバリエーションが生まれた。その各々が個性的な機能を有していた。
 
 私は昨年まではiPod shuffleを6個用いて来たが、昨年発売中止となった。現在販売が続けられているのはiPod touchのみと製品が少数に収斂されてきた。ユーザーから見れば愛用の品が生産中止になることは驚きと悲しみを伴うが、企業としては合理的な流れである。

 iPod touchは現在6世代目が入手できるが、私のは4世代目で、その容量は当時としては大きい方で64GBもある。
 iPhone8は256GBの容量である。いま終活の一環としてCDをデータ化しながら廃棄していて、現時点で半分程作業を終えている。これだけの容量があれば私のCDのデータをすべて入れる事ができる。

 終活中と言いながらiPhone8を購入するなど矛盾している。高齢になってからなんか贅沢な買い物したようで後ろめたい。しかし、以下の点を考慮して決めた。

■ 私にとってデータ化した音楽を再聴するのにサイズ、重量、機能など最適の製品と考えた。
■ Blu-toothを介してノイズキャンセリングヘッドフォンWH-1000XM2を用いると喧騒の中でも快適に音楽を聴くことができる。
■ 電話がかかって来た場合にもヘッドフォンを外さずに対応できる。
■ 不思議なことにiPhone8購入にあたって新たな支払いは発生しない。
■ 今回、通信容量を最小限1GB/月に制限したので機器の分割値段を含めても今までより2000円程少なくなる、という。
■ 古いiPhone5は電話機能を外してラジオ代わりなどに流用している。


(WH-1000XM2、やや細長いiPhone8、小ぶりなiPod touch、iPhone8が入って来た箱)

 新製品を入手してかえって安くなるなど、よくわからない点もあるが、従来、ろくに内容を吟味せずにショップの勧めに沿って契約して、10年以上も無駄な経費を毎月払い続けていた、ということ。この点で私はバカだった。