かつては、高齢者は他の人間では肩代わりできない役割を担っていた。
その背景の一部は日本全体が貧しかったことで、家族内で助け合わないと生活がなりたたなかったことにある。
やがて金銭的余裕が生まれると同時に世代間の分断が始まった。高齢者の社会的地位の喪失が始まった。今日では、高齢者は若い世代にとって影が薄いだけではなく、人口構成の多数を占めながら居場所がなくなった。
これから高齢者は一層増えていく。一大集団となる。だからこそ、その存在は無視できない。高齢者の心身の特徴を正しく把握する必要がある。
高齢者はどういう仕事を行っていたかというと・・・、尤も、今から強調してもどうしようもない不可逆的レベルに達したが・・、次世代が生活を営むために不可欠な家庭内の労務、家事や子育ての分担すること、高齢者が蓄えた知識を、次世代・次々世代に伝承することが、第一義の本分ではなかったか、と思う。
そもそもかつては、家族は、三世代同居を基本とする大家族の形式で暮らすのが普通であった。以前は、家族みんなが食べていくこと自体が、決して楽なことではなかった。だから学業を終えたものから地域の中で生活の糧を得るために懸命に働かなくてはならなかった。次世代が新家庭を持ったとしても別居など到底無理であった。
子育て中の女性とて労働力として、生活の糧を稼ぐ意味では例外ではなかった。
結果的に、子どもの相手をするのは、身体の無理がきかなくなった高齢者の仕事と決まってしまう。
三世代同居では、子どもの発育のかなりの部分が、祖父・祖母にあたる人物によって担われていた。
子供の成長過程で高齢者が果たした役割は、日々の生活を共にしながら、子供達に生老病死の実態を身をもって示したことにもある。これは大きい意義がある。
さらに、家を守ってくれてたから、高齢者の存在は非常に有難い存在だったことであろう。
もちろん、各世代人はそれぞれ育った時代の文化や社会の影響を深く受けており、世代間の生活感、感情的ギャップは徐々に深くなったが、貧しさが故に表立つことは少なかったが、高度成長期を迎えて生活に余裕ができると一気に表出した。
その結果は家庭機能の喪失という、各世代人にとっても決して軽視できない状況が生まれてしまった。
私は戦後の文化の影響下で育ったからまだこの状況を受け入れることができた。
しかし、今は数少なくなりつつあるが、戦前戦中に苦労して子育てをしてきた世代人にとっての夢は、いまだに三世代同居時代のまま捨てきれないで残っている。この世代人は時代の変化に乗り切れず、夢が削がれ、手足をもがれた状況にある。
私の母は60代で死亡したが、彼女の最大の夢は息子夫婦と孫達と和気藹々笑顔で暮らすことであった。私がその夢を潰してしまった母を語る。
その背景の一部は日本全体が貧しかったことで、家族内で助け合わないと生活がなりたたなかったことにある。
やがて金銭的余裕が生まれると同時に世代間の分断が始まった。高齢者の社会的地位の喪失が始まった。今日では、高齢者は若い世代にとって影が薄いだけではなく、人口構成の多数を占めながら居場所がなくなった。
これから高齢者は一層増えていく。一大集団となる。だからこそ、その存在は無視できない。高齢者の心身の特徴を正しく把握する必要がある。
高齢者はどういう仕事を行っていたかというと・・・、尤も、今から強調してもどうしようもない不可逆的レベルに達したが・・、次世代が生活を営むために不可欠な家庭内の労務、家事や子育ての分担すること、高齢者が蓄えた知識を、次世代・次々世代に伝承することが、第一義の本分ではなかったか、と思う。
そもそもかつては、家族は、三世代同居を基本とする大家族の形式で暮らすのが普通であった。以前は、家族みんなが食べていくこと自体が、決して楽なことではなかった。だから学業を終えたものから地域の中で生活の糧を得るために懸命に働かなくてはならなかった。次世代が新家庭を持ったとしても別居など到底無理であった。
子育て中の女性とて労働力として、生活の糧を稼ぐ意味では例外ではなかった。
結果的に、子どもの相手をするのは、身体の無理がきかなくなった高齢者の仕事と決まってしまう。
三世代同居では、子どもの発育のかなりの部分が、祖父・祖母にあたる人物によって担われていた。
子供の成長過程で高齢者が果たした役割は、日々の生活を共にしながら、子供達に生老病死の実態を身をもって示したことにもある。これは大きい意義がある。
さらに、家を守ってくれてたから、高齢者の存在は非常に有難い存在だったことであろう。
もちろん、各世代人はそれぞれ育った時代の文化や社会の影響を深く受けており、世代間の生活感、感情的ギャップは徐々に深くなったが、貧しさが故に表立つことは少なかったが、高度成長期を迎えて生活に余裕ができると一気に表出した。
その結果は家庭機能の喪失という、各世代人にとっても決して軽視できない状況が生まれてしまった。
私は戦後の文化の影響下で育ったからまだこの状況を受け入れることができた。
しかし、今は数少なくなりつつあるが、戦前戦中に苦労して子育てをしてきた世代人にとっての夢は、いまだに三世代同居時代のまま捨てきれないで残っている。この世代人は時代の変化に乗り切れず、夢が削がれ、手足をもがれた状況にある。
私の母は60代で死亡したが、彼女の最大の夢は息子夫婦と孫達と和気藹々笑顔で暮らすことであった。私がその夢を潰してしまった母を語る。