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福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

老医のつぶやき2022(2) 老医の技術「偽・和顔愛語」、「偽・親切」、「偽・傾聴」

2022年07月29日 17時02分03秒 | 未分類
 色紙や掛軸などでよく「和顔愛語」の四文字を見かける。これは仏典「無量寿経」の経典に出てくる言葉で、意味は漢字そのものである。 
 これは人に接する際の礼儀の問題で、特に医療関係者にとっても大切なことだとされている。確かに,不安に駆られて訪れてくる患者が,医師から怒ったような表情できつい言葉を投げかけられれば心を閉ざしてしまうだろう。これは当然であってこんなダメ医師は淘汰されていけばいい。
 しかし、医療関係者に特別に「親切な対応」を求めること自体がおかしい。この不機嫌な社会の中で,マンパワー不足で呻吟している医療関係者だけに「親切な対応」は求められないが「親切そうな対応」は技術として身につけることが出来る。患者対応で苦情が出る様な医師はANA、JALとかで訓練すればいい。

 最近は病院の外来カルテも電子化され、情報の入力や検査値と画像のテェックのため、医師はパリコンの画面に向かったまま患者と会話をする頓向がある。やはり、目と目を合わせ相手の表情を汲み収りながら対話することが大切であろう。マスクを着用していても表情を読み取ることができる。
 医師も悩んでいる。患者観察や対話、入力作業と和顔愛語が両立できる環境、自転車操業をしなくとも成り立つ医療環境が必要である。

 私は外来診療で多くの患者に接するが,もうそれほどの意義を感じてやっているわけではない。私が担当する外来に定期通院してくる患者は大部分高齢者で、長い方では40年超にも渡って経過観察してきた縁で繋がっている方々で「老・老」外来である。他の医師の外来に移る様勧めているが、私の「偽・和顔愛語」、「偽・親切」、「偽・傾聴」が心地よいらしく未だに残っている。嬉ししいことに、悲しいことに患者達は私を誤解している。

 私は今年77歳となり、週に2回だけ外来に出ている。人間ドックの仕事が1回ある。午後は療養病院で勤務3日、ボランティア3日勤めている。午後の業務内容は軽い。
 老医としていつまで続けられるか、私にも全くわからない。診ている患者が自然消滅して今の半数くらいになれば外来を閉じることになろうがなかなか減らない。それよりも私の方が先かもしれない。どちらが先か、全て運である。

 今もしみじみ感ずる事は、主治医の一言一句が如何に患者に強い影響を与え、且つそれが病状に関連して来るかを良く考えて発言して欲しいという事である。



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COVID-19(2022)オミクロン株(11) BA.5(1) 従来見られなかった強い感染力

2022年07月20日 17時17分08秒 | 未分類
 COVID-19の新規感染者数が急増している。
 ロシア・ウクライナ間の戦闘状況のニュースと並ぶ状態になって来ている。共に無視できない重要な課題である。

 6月末日頃はCOVID-19BA.2感染は下火になりつつあったがなお持続している、という程度であったが、7月上旬から急増加、7日には全国で4.8万人に、16日には11万人、20日には約20万人に達した。「第7波」である。

 オミクロン型の派生型「BA.5」の割合が増えており、8月には大多数を占めそう。感染力は現在主流の「BA.2」の約1.3倍と高い。私の印象ではもっともっと高いと思う。

 今のところ従来株に比較しても感染者は若年者が多く、しかも軽症で病床には余裕がある。しかしながら、家庭や高齢者施設での高齢者の感染も増えており、高齢者の場合は関連死が生じるために決して安心できない。これ以上の感染者が出ると保健所機能が麻痺し、病院機能も影響受ける。

 これほど一気に急増している今、感染源は特定できない。したがって、まん延防止等重点措置、行動制限等の対策が有効とは考えられない。効果が乏しい以上、社会・経済活動への打撃を考えるとデメリットの方が大きい。

 ただ手をこまねいていてはダメだ。行動制限が求められないからこそ、感染対策は一層重要である。

 (1)個人が行うべきは、今まで3年間に蓄積した知識と経験を背景に国民一人一人が感染しない、感染させない基本的行動をとることである。
 ●必要な場所ではマスクが必要。されどマスクの感染予防効果は完璧ではないことを認識を。●体調が悪い時は集団行動などを避ける。●大騒ぎはしない。●換気に勤める。●家族外、他人数での食事はできるだけ黙食、などなど。

 (2)国や自治体が行うべきこととして以下があるが、現状ではちょっと遅れ加減である。改善を求めたい。
 ●ワクチン接種の勧奨
 ●治療薬の準備
 ●検査を受けやすくする 個人でも判断できるようにする
 ●患者の受け入れ態勢の準備と在宅療法者の経過観察の態勢準備。
 ●政府、自治体、医療機関の緊密な連携構築。
 ●などなど


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こころと体2022(59) 自己肯定感(2) 対人関係で漫然とした不安感・恐怖感

2022年07月16日 08時24分42秒 | 未分類
 私は、「常に人の顔色を伺がっている腺病質な子供」として成長した。
 この気質は中高校、6年間の大学の寮生活、集団生活を通じて、多くの会話を通じて、徐々に、一見改善したように見えたが、実質的改善ではなく他人との会話ががより自然の形でできるように訓練されたに過ぎなかった。

 私の対人恐怖はそれほど強いものではなく、「無視されるのでは?」、「嫌われるのでは?」との漫然とした、弱い恐怖感である。恐怖ではなく不安程度だったかもしれない。「無視された」、「嫌われた」と感じたことは少なくなかったが、だからと言ってショックを受けることもなく、特別に何かを感じることはなかった。
 それは何故か、と考えると、他人に対し「漫然とした恐怖感はあるが、もともと他の人に殆ど関心を持たないため・・・」、「他人に大きく期待していない・・・」から、だったと思う。無視されるのは嫌だが、さりとて他人には関心がない、から実害もないと言う矛盾している感覚である。

 結果的に、私の人間関係は「来るものは拒まず、去る者は追わず・・」という形をとっている。初めから拒否する対象者は殆どおらず、私の人間関係は濃厚ではなくサラリとした薄い関係で終始している。だから、去られても困らない関係だからである。

 私には「知人はいるが、友達はいない」とまとめられよう。ましてや親友と感じたような人はいない。一般的にいう「友達関係」とは、「親友関係」とは私には理解し難い関係であるが、私に友人がいなかったのは、他人に対する恐怖感があるために胸襟を開くような会話ができないから、心の交流がなかったため?・・と考えている。

 他人に対する恐怖感を最も強く感じるのはエレベーターに鉢合わせた相手に対してである。必ずしも男性にだけではない。今まで何も悪き経験はないが、そのような状況ではさっと恐怖感が走り、緊張する。誰でも大なり小なりそのような感覚はあると思われるが、私にとってはとても大きい。私がどれだけ異常なのか、よその方と比較対象できないのが残念である。


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参議院選2022(8) 選挙の視点論点(5)  食料危機(1) 農業

2022年07月01日 04時13分09秒 | 未分類
 国際的に食料は逼迫しているのに我が国はカロリーを指標とした2020年度の食料自給率が37%と過去最低。統計を始めた1965年度の73%から半減した。政府は2030年度の目標を45%に据えるが、下落傾向に歯止めはかかっていない。ただし、この数値にはカラクリがある。

 食品は輸入に頼り続けてきた。コメ以外は軒並みに輸入品で賄われている。
 世界的に見て食品生産量は温暖化、砂漠化とかで頭打ち状態にあり、発展途上国の生活向上に伴い自国の食品需要量は増加しつつあり、供給量は減少しつつある。
 現在、食品は兵器と同じく戦略物質化している。特にロシアのウクライナ侵攻によって世界の食糧供給の様相は大きく変わりつつある。今までは我が国は豊かな資金力を背景に食品を獲得できてきたが、今後は厳しくなるだろう。

 食料受給率の向上が必須と考えるが、その意味と国の食糧自給の方針がわからない。
 カロリーを指標とした食料自給率が37%であることはとてもわかりやすい指標であり、この数値の低さは国民にある種の危機感をもたらす。逆に、食糧輸入が比較的良好であることを示している。

 すなわち、食料自給率の値は国民の食生活の実態、困難さをを示しているわけではない。例えば、食品の輸入量が激減すれば流通量は減少するだろうが自給率は上昇する。輸入量がゼロとなれば自給率は100%になる。カロリーを指標とした自給率は食糧危機を示すものではない。

 国際的にはカロリーを指標とした自給率はほとんど通用し無い統計数値という(参考飼料:浅川芳裕著『日本は世界5位の農業大国』)。

 日本は国土こそ狭いが降水量も多く、世界に名だたる肥沃な土地を持つ。四季がはっきりしていて多くの農産物に対応できる。だが、少子高齢化によって休耕田が目立ち、農作放棄地も増えている。

 不測の事態が起きても食料を安定的に提供することは国の責務。各党、各候補は選挙戦を通じて食料安全保障の強化に向けた道筋を示して欲しい。しかしながらその論議は一般に低調である。

 農水省によると、農業を主な仕事とする「基幹的農業従事者」は2020年に136万人。10年間で70万人近く減り、現在は65歳以上が7割を占める。一方、2021年の農地面積は435万ヘクタールと10年比で5%減った。ジリ貧状態である。

 今後の農業は規模拡大による効率化、ITを活用したスマート農業推進が不可欠だ。
 食料安保を考える上では生産性向上と農地保全を両立することが重要だ。いかにバランスを取り、全体の生産量を増やすか。各陣営の主張を見極めたい。

 2021年の農産物輸入額7兆388億円のうち、6割は米国や中国など6カ国が占める。国内生産量を高めると同時に、相手国との関係強化と、リスク回避を図る輸入先の多角化を進める必要がある。

 ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響を受けた肥料価格、燃料費などの高騰も農業経営を直撃している。営農維持に向けた支援が急がれる。

 


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参議院選2022(5) 選挙の視点論点(2) 若者の投票率に注目 

2022年06月28日 09時04分48秒 | 未分類
 『行列の行きつくはては餓鬼地獄』萩原朔太郎
 大正・昭和を代表する最大の詩人の一人、朔太郎は悲観論者の私が抱えもっている暗闇、不安感を鋭く歌っている。朔太郎も何かからの脅迫におびえていたのだろうか。

 今回のロシアの暴挙は、我が国に間接的に、長期的にかなり重大な影響がもたらすと考える。我々高齢者は間も無く消える。若年齢層の方々は自分たちのためにも子供たちのためにも、この現状、窮状に手をこまねいていてはダメだ。
 本来なら国家の維持に重要な懸案事項を甘い考えで放置してきた結果であるから高齢者たちの責任でもある。これからはもっと厳しい時代が来るが、自分たちで政治を動かし、舵をとってほしい。

 世界的に共同して対策すべきコロナ禍を前に、国際政治の主流がより協調的になるかと見えたが、米口、米中関係をはじめ力の対決が頭をもたげる。 この時代にあってプーチンの行動は狂気としか言えない。ロシアは今後長く、1世紀以上にもわたって国際的信用を失うだろう。ロシア国民も気の毒、と思う。

 岸田首相は「聞く耳」を唱え、立憲民主党の泉代表も「提案型」を提起するが、それなら今日のウクライナ危機、それに伴って生じる苦難は、まさに、立案と警告を出し合って与野党が対応策を練り上げるべき事態である。しかしながら、今回の参議院選の様相を見るとみんなバラバラで危機感の切迫性が感じられない。

 物価高騰、エネルギー危機、食糧危機にすらも何とかなるだろうと言う甘さが漂っている。私の目から見てそう思う。

 高い支持率を誇る岸田政権を擁する与党陣営に対して、バラバラ感のある野党陣営。「盛り上がらない、退屈な選挙だ」といった声もある。でも、私は今回の選挙を歴史的に非常に重要な、 これからの時代の政治のあり方を占う選挙と思う。

 かつて自民党は人口問題に「何も対策せず、国家消滅の道」を選んだ。結果として毎年島根県の人口が消えている。国の機能の維持は徐々に厳しくなっていく。
 この選挙では若者たちが「自分たちの将来を諦めるのか否か、主導的立場を取ろうとするのかどうか」が問われる。

 ウクライナ侵攻に端を発氏し、国際環境、物価高など、 内外情勢は激しく動いている。
 「未曽有の事態に対応すること」が国の指導者に求められる。 それに加え、 この国は約150年前から、常に海外にモデルとなる模範国を求め、それを目標にしてきたが、近代になってモデルを失った。いま、二重の意味で海図なき航海を強いられる状況を迎えている。

 「のんびり構えている」時期ではないのだ。にもかかわらず参議院選では与野党の問題提起がおとなしすぎるし、国民の反応も鈍い気がする。



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