銅版画制作の日々

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ぼくのエリ、200歳の少女(2008)

2010-10-17 | 映画:ミニシアター

原題:LAT DEN RATTE KOMMA IN(スウェ―デン語)、LET THE RIGHT ONE IN(英語)


怖ろしくも、哀しく、美しい12歳の初恋

すでにアメリカでリメイク版が完成して上映中。2010年10月1日にLet Me IN というタイトルで公開されました。日本で公開されるなら、邦題はどんなタイトルかも気になります。内容は、ほぼオリジナル版と同じようですが、、、、。雰囲気的には、私はオリジナル版の方が良いかなと思います。ちなみに監督はクローバーフィールド/HAKAISHAのマット・リーヴスです。

ヴァンパイア映画ですが、アメリカ映画のようなヴァンパイアを主体としたものではありません。どちらかといえば、ヴァンパイアとして生きているエリと、オスカー少年の淡くて切ない恋を描いています。恋ではあるのですが、、淋しい2人が心通じ合い真の友情を築いていくという風な感じでしょうか。

エリを演じたリ―ナ・レアンデションさん、不健康そうな顔色がまさにヴァンパイアのような顔つきです。

本作でデビューした新人さんですが、なかなか板についていますね。

オスカー役のカ―デ・へ―デブランド君、現在15歳。
この撮影の時は11歳だったそうです。エリ役のリ―ナさんは少しお姉さん。そしてカ―デ君も本作でデビュー。

STORY(キネマ旬報より拝借)

ストックホルム郊外で母親と2人で暮らす12歳の少年オスカー(カーレ・ヘーデブラント)は、毎日学校で同級生からの苛めに遭っていた。大人たちはその事実に気付かず、助けてくれる友達もない。いつも隠し持っているナイフで自宅の木を切りつけることで、辛い思いを1人紛らわせていた。そんなオスカーの前にある日、黒髪の少女が現れる。息も凍りつくような寒さの中、薄手のシャツ一枚で現れた少女は、オスカーの寂しい胸の内を見透かしたような言葉を残す。その頃、町では凄惨な殺人事件が起きていた。何者かが喉を切り裂き、血を抜き取られて逆さ吊りにされた若者の死体が森で発見されたのだ。再びオスカーの前に現れる少女。その表情はどことなく悲しげで、鼻を突く異臭を漂わせていた。エリ(リーナ・レアンデション)と名乗ったその少女は自分の誕生日を知らず、年齢も“だいたい12歳”とはっきりしない答え。不思議で秘密めいたエリだったが、オスカーは彼女と接しているうちに、胸の高鳴りを覚えていく。やがて、2人の間で夜毎、モールス信号による寝室の壁越しの会話が始まる。エリとの出会いを通じて、強くなりたいと願うようになったオスカーは苛めっ子に逆襲、大怪我を負わせる。興奮したオスカーはそれをエリに伝え、“血の契りを結ぼう”と親指をナイフで切る。床に滴り落ちる真っ赤な血。それを目にしたエリは、獣のように四つん這いになって床に落ちた血を啜る……。エリは200年もの間、各地を転々として生き血を啜ってきたヴァンパイアだったのだ。正体を知られ、町にいられなくなるエリ。別れの言葉もなく彼女が去ったことで、オスカーは再び以前のような孤独な日々を送ることになる。このまま町にとどまって死んだような日々を過ごすか、生きるためにエリを受け入れるのか……。やがて、失意のオスカーを人生最大の危機が襲う……。


スウェーデンの冬、この時期は日が照ることが少ない。そのせいか映像も非常にダークです。まるでオスカーの心を映しているような感じです。そんな孤独なオスカーの前に現れたエリもまさにダークな雰囲気。不気味な雰囲気を醸し出しているエリですが、オスカーは怖がるそぶりはありません。むしろ彼女に親近感をおぼえたようです。

それにしてもいじめ、暗くて陰湿ですね。映像と同じくらいに、、、、。
オスカーいじめのリーダーです。

吸血鬼として生きなければならないエリには血が必要なわけです。父親が彼女に変わって人に手をかける、何と睡眠薬を打って眠らせ逆さまに吊る。そして首を切って血を取りだす。そんな場面はそこまで細かく撮影されてはいませんが、、、、。でもこれってかなりえぐいです。

エリの父親、父ではないそうです。殺人未遂で捕まります。その後自らの命を絶ちます。

エリが人間を襲うシーンも一瞬ですが、上から襲うといのは何ともいえず。
襲われて死にいたらなかったあの女性、最期は病室で火だるまとなり、壮絶な死を遂げます。
そんなに怖さやエグさは感じませんでしたが、でも全体通して、一種独特なシュエ―ションに凄く惹かれました。
北欧のヴァンパイア映画に斬新さを観ましたです。


オスカーの就眠中に現れ、一緒にベッドイン、、、、。ドキドキ何か起こりそうな。



解説(allcinemaより拝借)

ヴァンパイアの恐怖や哀しみと同時に、孤独な少年の切なくも美しい初恋を繊細に描ききり世界中で絶賛の嵐が巻き起こったスウェーデン発の感動ヴァンパイア・ムービー。いじめられっ子の少年が、ひょんなことから恋に落ちてしまったヴァンパイアの少女と辿る哀しい運命の行方を、鮮烈な残酷描写を織り交ぜつつ静謐かつ詩的なタッチで綴ってゆく。ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストのベストセラー『モールス』を原作者自らの脚色で映画化。主演はカーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション。監督は、本国スウェーデンでテレビを中心に活躍してきたトーマス・アルフレッドソン。







 

メディア 映画
上映時間 115分
製作国 スウェーデン
公開情報 劇場公開(ショウゲート)
初公開年月 2010/07/10
ジャンル ホラー/ロマンス/サスペンス
映倫 PG12


オフィシャル・サイト
http://www.lettherightoneinmovie.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://www.bokueli.com/







※日本での公開はいつ頃でしょうか?
   LET ME IN   


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9 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (KLY)
2010-10-18 02:13:42
リメイク版のオスカーは『ザ・ロード』の男の子なんですよね。変にエンタメ要素入れないで欲しいな…。
北欧ならではの陰鬱とした雰囲気がかなり気に入ってます。基本的にはヴァンパイアモノだけど、背後にある哀しい歴史が推察できるあたりも深みを感じて、単なるモンスターとは一線を画していたように思いました。
あの男性は (sakurai)
2010-10-18 08:27:28
エリの父親でしたか?
不思議な存在でしたが、そうとは思わなかったかも。
あたしこれ駄目でした。
結構な評判で、どうだろ。。と思ったのですが、やっぱ子供をこういう風に扱うのって、あたしの感性とどうも合いません。

先日、映画の音響を担当している方とお会いしてお話する機会があったのですが、そのリメイク版の音も入れたそうです。
見ないつもりだったのですが、それ聞いたら見ないと・・ですね。
Unknown (mig)
2010-10-18 17:54:13
こんにちは~

みましたね。これ、父親ではなく、ただ怪しい関係の人らしいです。
なんとなく父親にしては、、、、と思ったんだけど。

あとエリは男なんですよ、という話が私のコメントにいくつかきて、コメント欄で論争(ではないけど)そうか否かを話しあうのも大変なのでコメント欄一時さっき閉じましたけど
邦題の意味がまるで違ってきますよね。
原作では、そうということで映画ではそんな感じはないんですけどね~
リメイクでどうなってるかは気になります。
migさんへ♪ (mezzotint)
2010-10-18 21:03:32
わあ~エリって男の子?!
それなら本当に邦題、おかしいよね。
それからあのおじさん、父親じゃない、、、?
ただ怪しい関係だとはそれも知らず(笑)
てっきり父親だと勘違い(汗)
コメント出来なくて残念で~す。
リメイク版の予告見たけど、ちょっと
分かりませんね。オスカー役が、ロードの
男の子とは驚きました。どうかな?
Unknown (mig)
2010-10-19 01:06:10
コメント欄あけました
冷たい温度感 (クラム)
2010-10-23 06:57:42
独特の、確かに不健康そうな空気に覆われた映画でした。
米国のリメイクって、その辺りが大きく変わるのでしょうね。
エリが男の子って話も驚きです。
それでも話の根本は変わらない・・・のかな。
こんばんは。 (オリーブリー)
2010-11-18 21:49:54
mezzotintさん、いつもありがとうです~最近忙しくてトラバ逃げばかりでごめんなさい。

こちらの作品、地方(苦笑)へ来るのが遅くて、評判だけはサラッと頭には入っていましたが、私の印象としては良い作品だけどミスも目立つなぁ~と感じました。

ヴァンパイアのエリに、更に試練(?)を与えたようなストーリーはある意味ビックリですが、彼女(?)の性別がどちらであっても、異種間の絆や共存を思わずにはいられない作品でした。
オリ―ブリーさん☆ (mezzotint)
2010-11-19 00:47:09
今晩は☆彡
こちらこそTBのみで失礼ばかりで申しわけ
ありません(汗)
そうそう200歳もそうですが、少女って
いうのもね、、、。男性だったというのは
migさんに教えてもらいわかったのでした。
ということでぼかしの辺りはまったく気づかず
ミスが多いとせっかく観ているのに気が散りますよね。しかし独特な映像が結構良かったな
と思うのです。
懐かしい (ノルウェーまだ~む)
2010-12-11 07:18:46
こんばんわ☆
真っ白で、真っ暗な北欧の景色がやたら懐かしくて、涙が出そうでした。
一日のほとんどが暗い冬を、たった一人で過ごさなくてはいけない、多感な12歳の子供の心境を察すると、本当に涙が出ます。
私はとっても好きです、この映画。

かつてのオスカーだったに違いない老人の最後が切なかったです。

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