銅版画制作の日々

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フェアウェルさらば、哀しみのスパイ(2009)

2010-10-19 | 映画:ミニシアター

 原題:L'AFFAIRE FAREWELL

人は
希望で動く。
歴史は
信念で動く。

1981年──ソ連崩壊のきっかけとなった、ひとりの父親の真実の物語。

京都シネマにて鑑賞。ソ連の崩壊のきっかけとなったのが、このフェアウェル事件だったとは、、、、まったく知りませんでした(汗)
もちろんフェアウェル事件のことも、今の今まで全然知りません。まあそんな無知なもんですから、こういう重たい政治がらみの作品は
なかなか馴染めないところもあるのですが。

主役の2人には、映画監督として有名なエミール・クストリッツアとあのギョーム・カネ。それぞれ立場は違いますが、スパイ活動に手を染めていくというお話。
エミール・クストリッツア演じるKGB幹部セルゲイ・グリゴリエフ大佐は国家中枢のエリートであるにも関わらず、国への行く末に不安を感じ、打開策として、何と西側諸国に機密情報を流すということをやってしまうわけだ。一歩間違えばえらいことになるのに、(案の定、後半えらい目に)最悪の場合亡命さえも考えていなかったというのはなんとも驚きである。腹を括っていたのかしら?
そしてその大佐がフランスの国家保安局を通じて接触した民間人の技師ピエールである。彼はちょっとビビっていましたね。まあ普通はそんなものでしょうね。

そういえば、ギョームの元妻、ダイアン・クルーガ―がちょっと出演していましたね。あれって友情出演なのかしら?

エミール・クストリッツアですが、監督が本業ではありますが、今までも多くの作品に俳優として出演しています。そんな彼ですが、今回は初主演だそうです。一見強面のクストリッツアなので、悪者なんかの方が似合うような気もしていましたが、話が進むにつれてそんなイメージは吹き飛んでしまい、どんなリスクがあろうとも信念を貫くグリゴリエフ大佐の純粋な姿とクストリッツア本人が重なるように見えてきました。
個性的な風貌ですね。でもとても魅力的な人柄♪


ピエールの妻、ジェシカにはあのアレクサンドラ・マリア・ララ
グリゴリエフ大佐から預かった書類には、潜水艦の航路図といった重要な書類が入っていた。ジェシカはピエールに処分するべきだと話す。彼は妻の言い分を聞き、処分すると伝えるが。。。。。。。
彼の中ではもちろん妻や子供ためにスパイ的なことをする事には抵抗あるし。今までの平穏な暮らしを壊したくないと思っていたが、、、、、。
グリゴリエフ大佐と関わって行くうちに彼の人間性に惹かれていくピエール。家庭のこともあるが、一方で大佐の存在にも。心は微妙に揺れ始める。

金銭への見返りもなく、ただこの国を何とかしたいと純粋に思う大佐の志に心動かされるピエールだった。
危険だと知りつつもドンドン深みにはまっていくのである。


STORY(キネマ旬報より拝借)

1981年、モスクワ。KGBの幹部、セルゲイ・グリゴリエフ大佐(エミール・クストリッツァ)は、美しい妻(インゲボルガ・ダプコウナイテ)と反抗期を迎えた優秀な息子と共に暮らしている。国家のエリートとして充分に満足できる生活のはずであったが、それゆえ愛してやまない国の行く末に、グリゴリエフは不安を感じていた。そんなある日、彼はフランスの家電メーカー技師、ピエール・フロマン(ギョーム・カネ)との接触に成功する。フランス国家保安局DSTから、彼の上司を経由しての接触であった。グリゴリエフは、ピエールに対し奇妙な親近感を覚え、スペースシャトルの設計図やフランス原子力潜水艦の航路図など重要な情報を手渡した。ピエールは、危険な行為に金銭的な見返りをいっさい求めないグリゴリエフの清冽さと強靭な精神に惹かれていくが、グリゴリエフが流す情報は仔細かつ想像を絶するような重大な機密事項ばかりだった。エアフォースワンの設計図、アメリカの防空体制、果てはホワイトハウスの暗証番号からデリバリーの時間まで……。しかし、そんな情報を盗むことで技術を促進させるしかない国の惨状がグリゴリエフには辛かった。次世代を生きる息子にとっても、決して喜ぶべき国の姿ではないと感じていた。だがまもなく、決定的な情報がグリゴリエフの手元に届く。国外で活動しているトップクラスの情報部隊“X部隊”の書類。その情報を西側に渡せば体制が崩壊し、世界が変わることは明らかだ。そしてそれはピエールに渡され、グリゴリエフに忍びよる影は日増しに大きくなっていくのだった……。

妻は何とグリゴリエフの同僚と出来ていたのだ。

ついに自分の職場のKGBに捕まってしまう。拷問を受けるが、白状することはしなかった。このKGBのおっさんと妻は出来ておりました。
ピエールは国外に逃亡する。

何とかKGBから逃れることに。


レーガン米大統領やミッテラン仏大統領、そしてゴルバチョフ書記長など、当時の各国首脳を登場して、リアリティさを表現。

「祖国、そして次の時代を生きる息子のために世界を変えるのだ」と熱く語るグリゴリエフに深く感動するピエール。最後までその姿勢を貫きとおしたのが印象的である。


解説(allcinemaより拝借)
ソビエト連邦を崩壊させたきっかけの一つともいわれる実在のスパイ事件“フェアウェル事件”を映画化したヒューマン・サスペンス。愛する息子と祖国の未来のため、危険なスパイ行為に及んだ男の実像と、民間人でありながら仲介役としてスパイ活動の一翼を担ったフランス人技師の葛藤を、それぞれの家族との関係を軸に描き出していく。主演は「パパは、出張中!」「アンダーグラウンド」などで知られる世界的映画監督のエミール・クストリッツァ。共演に「ヴィドック」のギョーム・カネ。監督は「戦場のアリア」のクリスチャン・カリオン。

<フェアウェル事件>とは?

81年春~82年秋、ブレジネフ政権下のソ連で起こったKGB大佐ウラジミール・ベトロフによる、KGBの諜報活動に関する極秘情報の敵側諸国(フランス)への漏洩事件。彼が提供した資料は、アメリカの詳細な国防情報や西側諸国に潜むソ連側スパイのリストを含む約4000通の文書といわれている。“フェアウェル”とは、ベトロフが名乗ったコードネームで、「いざ、さらば」の意味。

 

メディア 映画
上映時間 113分
製作国 フランス
公開情報 劇場公開(ロングライド)
初公開年月 2010/07/31
ジャンル サスペンス/ドラマ
映倫 G



中央はクリスチャン・カリオン監督。


オフィシャル・サイト
http://www.farewell-movie.jp/


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2 Comments

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Unknown (KLY)
2010-10-20 00:32:06
実は『ソルト』と続けて観たんですね。同じスパイモノとはいええらい違いだなぁと思いながら観てました。^^;
エミール・クストリッツア監督は流石ですねぇ。家族のためにスパイをする男の信念みたいなものがよく伝わって来ました。
返信する
話の筋は (sakurai)
2010-10-21 15:40:51
ほぼ把握できたんですが、省みると、結構肝心なとこで不覚を取ったかも。。。
これは絶対リベンジせねば、と思ってます。
てか、最近ダメなんですよ。まあよく寝ること、寝ること。
しっかし、事実は小説より奇なり・・・、ですよね。

ダイアン・クルーガー等々は、「戦場のアリア」つながりだと思ってみてました。あれに出てた人がちょい役で出てましたから。
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