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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

手捻り(てびねり) 4 (紐つくり3) 紐同士を繋ぐ

2018-07-01 15:20:47 | 手捻り陶芸
作品の土台(底部)を作り、その周囲に紐を巻いて高さを出して形作るのが一般的な方法です

1) 紐を巻き(積み)上げる。(この件に付いては、以前お話しましたが再度記します。)
 
2) 作品に取り掛かる。

 ① 巻き付け面に、針や櫛等を用いてアヤメ状の傷を着けます。

 ② 巻く方向に決りはありません。紐の一端を土台の縁に押し当て固定し、紐を巻き付け

  ます。

 ③ 紐と土台を密着させる。

 ④ 一段目が巻き終えたら、更に紐を巻いて積み上げます。

以上までが前回の話です。

 ⑤ 紐同士を密着させる。

  巻上げる高さは、片手の親指と他の指が内外で摘める程度にします。巻上げ過ぎると片手

  での作業がやり難くなります。紐同士を密着させ、水漏れを防ぐだけでなく、作品として

  使用するには、機械的強度を持たせる必要があります。即ち、紐同士の合わせ目を消し、

  「ひび割れ」を防ぎと共に表面を平滑にする必要があり、更に、土を圧縮する事で作品を

  肉薄で軽し、強度のある作品の壁を作る必要があります。

  ⅰ) 両手の指を用いるのが基本ですが、竹箆(へら)やコテを使う事もあります。

   これは、上記の片手で器の内外が摘めない程度巻上げた場合に使用します。又効率良く

   繋ぎ目を消す際にも行います。その他、叩き板や叩き棒を用いる場合もあります。

  ⅱ) 指などを用いて、繋ぎ目を消しますが、基本的には肉厚の厚い土を薄い方に移動

   させます。これは、全体の肉厚を一定にするのが狙いです。作業は下段から順次上段へ

   と移動させます。更に、内外同時に繋ぎ目を消す方法と、内又は外側の一方から繋ぎ

   目を消してから、他方の側の繋ぎ目を消す方法があります。

   より丁寧な方法は後者であり、効率的には前者の方法です。

  ⅲ) 均一の太さに作られた紐であれば、以下の方法をとります。

   手の指を使用する際、親指が器の外側にあるか、内側にあるかによって、そのやり方

   は変わります。親指が内側にある場合、内側の紐の上段から下段に向かって円弧を描

   く様に滑り下ろします。より丁寧のやり方は、親指の円弧に対し、人差し指で逆回転

   方向に「メ」の字になる様にします。一度に内外を同時に繋ぎ目を消す場合、外側は

   親指以外の手の指を使い、上へ指を移動さ、土を上段に擦り付けます。外側のみの場合

   親指が器の外側し撫ぜ下げます。この際、ある程度指先を濡らすと、土がやや軟らかく

   なり、作業がし易くなる場合もありますが、濡らし過ぎは禁物です。

  ⅳ) 広い範囲の繋ぎ目を消すには、竹箆やコテを使うと便利です。繋ぎ目に対し直角

   方向に移動させ、数段を一度の作業で消す事ができます。この場合竹箆やコテは水で

   濡らすと滑りが良くなり、作業がはかどります。

  ⑥ 肉厚を薄くする。

   特別細い紐以外は、巻上げるとかなり肉厚になります。このまま作業を続け仕上げの

   削り作業で薄く削る事も可能ですが、出来るならばこの段階で土の内外から、土を

   両手で摘み全体を薄くします。その結果、土は上に伸びて行き、背が高くなります。

   注意点は、肉薄になると、直径が大きくなりますので、広がらない様に両手を近づ

   ける様にします。器の場合基本的には円筒状にしますが、不定形又は任意形の場合は

   広がり見込みながら薄くします

  ⑦ 形を作る。

   巻上げた紐の高さが十分高ければ、形作りに入ります。手捻りの特徴は土の追加が

   可能の事です。背が高く大きな作品では、下部を有る程度乾燥させれば、その上に

   土を追加して載せる事が可能です。但し下部を乾燥させますので、ある程度の望む

   形にしておかないと、後から変形する事は困難になります。土を追加する場合には

   両方の合わせ目の乾燥度を同じにしないと、「ひびや割れ」が入り易くなります

   ので、濡れた布などを下部の縁口に被せ湿り気を与えておきます。

   ⅰ) 追加の土は紐を更に巻き足す方法と、あらかじめ上部に載せる物を作って両方

    を接着する方法があります。後者の場合、合わせ目の寸法を同じ程度にしておく

    必要があります。合わせ目が合わない場合、軟らかい紐を下部の口縁に一周させ、

    その上に上部を載せ繋ぎ目を指などで、撫ぜると少々の狂いが補正され、巧く

    繋ぐ事ができます。

3) 仕上げ作業。
 

以下次回に続きます。
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