2) 釉及び施釉に関する事項。(前回の続きです)
② 窯詰めに関する事項。
) 窯詰めの実際。
a) 窯の構造。
窯には、横扉方と上扉方式があります。更に、横扉方式には、「シャトル」方式があります
これは、「シャトル」と呼ばれる台車を窯の外に引き出し、窯詰めを窯の外で行える方法で
横や上からだけでなく、左右、前後、真上からも、窯詰めが出来る構造になっている為、
非常に作業がし易く、窯詰めの全体が見渡せる利点があります。
b) 窯の容積に従い、複数枚の棚板使いばす。
容積の小さい窯では、一段で1枚(敷き)で使いますが、容積のある窯では、2~8枚
(敷き)の棚板を使う場合もあります。棚板同士は隙間無く並べる事もありますが、多くは、
棚板同士は指1本程度の隙間を設け、その隙間を通して炎や熱を下へ伝える事で、窯内の
温度を均一化に寄与させる事が出来ます。
注: 一般に燃料を使う窯は、倒炎式と呼ばれる構造で、窯の壁に沿って天井まで登った
炎は、一転して窯の下に向かう事になります。その後、一段目の棚板より更に低い部分に
設けられた煙道を通って、煙突から外に放出されます。この構造では、窯の温度の差が
少なくなる言われています。実際には下段と上段との温度差は、窯の大きさにもよりま
すが10~30℃程度出ると思った方が無難です。
更に、隣同士の棚板間に段差を設ける事もあります。段差を設ける事で、上部の熱や炎は、
より下に伝わり易いです。但し、棚板同士の隙間が広くなると、炎は走らなくなります。
即ち、理想の炎とは、細く長く伸びる事と言われています。
c) 窯の詰め方には、二通りの方法があります。即ち下段を密にし、徐々に祖にする方法と、
下段を粗にし、徐々に密にする方法です。但し、天井が円形の場合、この円形を十分
生かす様に窯詰めを行います。即ち、中央部に背の高い作品をその周囲は、徐々に背の
低い作品を並べます。上記二通りの方法では、陶芸の技法書等では、上が祖で下に行くに
従い、密に成る様に窯詰めする様に書かれた物が多い様です。但し、これも絶対的な物
では無く、ある程度好みの問題とも受けとられる場合も多いです。ちなみに私の場合は、
下が祖で、上に行くに従い密に成る様に窯詰めしています。
d) 窯詰めには幾つかの決まりの様な物があります。
即ち、作品は棚板の外に出ない事。施釉した作品は必ず、指一本以上離す事。銅を含む
釉は、特に距離をとる事。近すぎると、蒸発した銅が隣に移り悪い影響を与えるからです。
そして、成るべき高さを揃える事です。尚、窯に詰め過ぎると、焼き斑(むら)を起こし易く
なりますので、7~8割程度が良いとも言われています。
e) 窯詰めは下段から詰める事に成ります。
一段目はサイコロと呼ばれる長方体のブロックを下に敷き、窯の底より3~5cm程度浮か
せて、必要な枚数をセットします。
一段目に窯詰めが終われば、支柱を立ててその上に新たな棚板を乗せる事に成ります。
但し、棚板一枚に付き支柱は3本が標準的な本数です。3点で支える事は、上に乗る棚板が
安定する本数です。4本に成ると、その内の1本が浮き上がり「ガタ」が出る場合があり
ます。又3本にする事で、棚板の表面を有効に使う事ができます。
f) 棚板は壊れ物でもあります。立て掛けた物を倒すと完全に割れます。又長年使っている
内に「ひび」が入る事があります。この「ひび」が全体の半分まで及んだ場合、「割れ」
の危険性がありますので、そのままでは使用しない事です。但し、支柱の数を増やし例え
「割れ」ても、作品に影響が出ない様にする事も可能ですので、「ひび」の入った棚板も
有効に使う事ができます。
以下次回に続きます。
② 窯詰めに関する事項。
) 窯詰めの実際。
a) 窯の構造。
窯には、横扉方と上扉方式があります。更に、横扉方式には、「シャトル」方式があります
これは、「シャトル」と呼ばれる台車を窯の外に引き出し、窯詰めを窯の外で行える方法で
横や上からだけでなく、左右、前後、真上からも、窯詰めが出来る構造になっている為、
非常に作業がし易く、窯詰めの全体が見渡せる利点があります。
b) 窯の容積に従い、複数枚の棚板使いばす。
容積の小さい窯では、一段で1枚(敷き)で使いますが、容積のある窯では、2~8枚
(敷き)の棚板を使う場合もあります。棚板同士は隙間無く並べる事もありますが、多くは、
棚板同士は指1本程度の隙間を設け、その隙間を通して炎や熱を下へ伝える事で、窯内の
温度を均一化に寄与させる事が出来ます。
注: 一般に燃料を使う窯は、倒炎式と呼ばれる構造で、窯の壁に沿って天井まで登った
炎は、一転して窯の下に向かう事になります。その後、一段目の棚板より更に低い部分に
設けられた煙道を通って、煙突から外に放出されます。この構造では、窯の温度の差が
少なくなる言われています。実際には下段と上段との温度差は、窯の大きさにもよりま
すが10~30℃程度出ると思った方が無難です。
更に、隣同士の棚板間に段差を設ける事もあります。段差を設ける事で、上部の熱や炎は、
より下に伝わり易いです。但し、棚板同士の隙間が広くなると、炎は走らなくなります。
即ち、理想の炎とは、細く長く伸びる事と言われています。
c) 窯の詰め方には、二通りの方法があります。即ち下段を密にし、徐々に祖にする方法と、
下段を粗にし、徐々に密にする方法です。但し、天井が円形の場合、この円形を十分
生かす様に窯詰めを行います。即ち、中央部に背の高い作品をその周囲は、徐々に背の
低い作品を並べます。上記二通りの方法では、陶芸の技法書等では、上が祖で下に行くに
従い、密に成る様に窯詰めする様に書かれた物が多い様です。但し、これも絶対的な物
では無く、ある程度好みの問題とも受けとられる場合も多いです。ちなみに私の場合は、
下が祖で、上に行くに従い密に成る様に窯詰めしています。
d) 窯詰めには幾つかの決まりの様な物があります。
即ち、作品は棚板の外に出ない事。施釉した作品は必ず、指一本以上離す事。銅を含む
釉は、特に距離をとる事。近すぎると、蒸発した銅が隣に移り悪い影響を与えるからです。
そして、成るべき高さを揃える事です。尚、窯に詰め過ぎると、焼き斑(むら)を起こし易く
なりますので、7~8割程度が良いとも言われています。
e) 窯詰めは下段から詰める事に成ります。
一段目はサイコロと呼ばれる長方体のブロックを下に敷き、窯の底より3~5cm程度浮か
せて、必要な枚数をセットします。
一段目に窯詰めが終われば、支柱を立ててその上に新たな棚板を乗せる事に成ります。
但し、棚板一枚に付き支柱は3本が標準的な本数です。3点で支える事は、上に乗る棚板が
安定する本数です。4本に成ると、その内の1本が浮き上がり「ガタ」が出る場合があり
ます。又3本にする事で、棚板の表面を有効に使う事ができます。
f) 棚板は壊れ物でもあります。立て掛けた物を倒すと完全に割れます。又長年使っている
内に「ひび」が入る事があります。この「ひび」が全体の半分まで及んだ場合、「割れ」
の危険性がありますので、そのままでは使用しない事です。但し、支柱の数を増やし例え
「割れ」ても、作品に影響が出ない様にする事も可能ですので、「ひび」の入った棚板も
有効に使う事ができます。
以下次回に続きます。