焼き物に使う素地(特に粘土)は、基本的には、掘り出した天然の土を、細かく砕き、篩(ふるい)
で粒子の細かさを揃えたり、水簸(すいひ)等で、不純物を除去する精製を施し、そのままの状態で
使いました。なるべく異物の混入が無い様にします。
現在では、各地の粘土を手に入れる事が比較的容易に成りましたので、色や性質、風合いの異なる
粘土同士をブレンドし、その人独自の素地を作り出している方も多いです。
この場合は、粘土同士ですので、必ずしも異物を入れた事には成りません。
異物の入った粘土と言えば、木節粘土が代表的です。樹木や葉などの有機物や腐食物を含んだ可塑
性が大きい粘土で、亜炭層等にはさまれ、層状に産出する粘土です。木の節の様に見える事から
名前が付いています。普通黒褐色ですが、中には白い白木節も存在します。
又、蛙目(がいろめ)粘土は、粗い粒子の石英を含むカオリン質の粘土で、石英が蛙の目玉の様に
見える事から、名が付いたと言われています。基本的には異物が無い方が、作業はし易いです。
1) 素地(坏土=はいど)に異物を混入させる方法は、縄文土器にも見られる行為です。
目的は、素地の収縮を少なくし、「割れやひび」の発生を抑える為で、実用に迫られて行われて
いました。
① 素地に山砂や川砂を混入させる。縄文土器では20~30%程度の砂が入れられています。
粘土の産出する付近で、見付ける事が出来たはずです。
現在のシャモット(焼粉)の働きと同じです。砂を入れる事で、乾燥時や焼成時の収縮率を
少なくする事が出来、乾燥や焼成時の「ひびや割れ」を防ぎます。
② 素地に植物繊維を混ぜ込む。素地にはその土特有の縮み率が存在します。しかし、大きな
作品程、縮む量は多くなり、大きく縮みます。特に制作直後が一番縮み(乾燥縮み)、次第に
少なくなりますが、焼成完了で縮みは終わりにます(焼成縮み)。植物の茎や葉などの繊維質を
適度の大きさに切断し、粘土に混入させています。今ではほとんど見る事も無くなりましたが、
以前荒壁の土に藁(わら)を切断した物が混ぜられていました。これも「ひびや割れ」を防ぐ
方法です。焼き物では、焼成してしまいますので、有機物は燃焼し無くなってしまいますから、
害を与える事は少ないです。但し、土器程度の温度では、燃え尽きた部分が空洞になり、逆に
強度が落ちるこの恐れがあります。
③ 現在陶芸で異物を入れる行為には、「はぜ石」と呼ばれる長石粒を入れる事があります。
これは、古信楽土と同じ効果をもたらす為に行います。即ち、荒々しく力強く、見た目やゴツゴツ
した肌触りを演出する方法です。「はぜ石」は陶芸材料店で、容易に入手できます。
2) 素地に入れる異物の種類。
① 顔料を入れる。(色土を作る)
) 粘土自体を着色する場合、顔料を入れる事が多いです。顔料の素材は主に酸化金属で、
鉄、銅、マンガン、チタン、コバルト、クロム等ですが、その種類によって添加量が異なります
数%~10%程度の場合が多いです。濃い色にしたい場合には、多目に入れます。
尚、多く入れ過ぎると、「ボソボソ」して可塑性が悪くなります。又、素焼き程度の温度では
発色せず、1200℃以上でないと、綺麗な色が出ない金属もあります。当然ですが、色白の
素地の方が綺麗な色が出ます。
) 市販の練り込み用の顔料を使う。
ご自分で酸化金属を調合するのではなく、市販品の顔料を使うのが一般的です。色数も豊富に
存在します。二色の色を混ぜ合わせ、ある程度、好みの色に調節できる利点があります。
100g程度の小袋から、購入できます。尚、この顔料は、化粧土の中にも入れる事ができます。
② 海砂を入れる。
以下次回に続きます。
で粒子の細かさを揃えたり、水簸(すいひ)等で、不純物を除去する精製を施し、そのままの状態で
使いました。なるべく異物の混入が無い様にします。
現在では、各地の粘土を手に入れる事が比較的容易に成りましたので、色や性質、風合いの異なる
粘土同士をブレンドし、その人独自の素地を作り出している方も多いです。
この場合は、粘土同士ですので、必ずしも異物を入れた事には成りません。
異物の入った粘土と言えば、木節粘土が代表的です。樹木や葉などの有機物や腐食物を含んだ可塑
性が大きい粘土で、亜炭層等にはさまれ、層状に産出する粘土です。木の節の様に見える事から
名前が付いています。普通黒褐色ですが、中には白い白木節も存在します。
又、蛙目(がいろめ)粘土は、粗い粒子の石英を含むカオリン質の粘土で、石英が蛙の目玉の様に
見える事から、名が付いたと言われています。基本的には異物が無い方が、作業はし易いです。
1) 素地(坏土=はいど)に異物を混入させる方法は、縄文土器にも見られる行為です。
目的は、素地の収縮を少なくし、「割れやひび」の発生を抑える為で、実用に迫られて行われて
いました。
① 素地に山砂や川砂を混入させる。縄文土器では20~30%程度の砂が入れられています。
粘土の産出する付近で、見付ける事が出来たはずです。
現在のシャモット(焼粉)の働きと同じです。砂を入れる事で、乾燥時や焼成時の収縮率を
少なくする事が出来、乾燥や焼成時の「ひびや割れ」を防ぎます。
② 素地に植物繊維を混ぜ込む。素地にはその土特有の縮み率が存在します。しかし、大きな
作品程、縮む量は多くなり、大きく縮みます。特に制作直後が一番縮み(乾燥縮み)、次第に
少なくなりますが、焼成完了で縮みは終わりにます(焼成縮み)。植物の茎や葉などの繊維質を
適度の大きさに切断し、粘土に混入させています。今ではほとんど見る事も無くなりましたが、
以前荒壁の土に藁(わら)を切断した物が混ぜられていました。これも「ひびや割れ」を防ぐ
方法です。焼き物では、焼成してしまいますので、有機物は燃焼し無くなってしまいますから、
害を与える事は少ないです。但し、土器程度の温度では、燃え尽きた部分が空洞になり、逆に
強度が落ちるこの恐れがあります。
③ 現在陶芸で異物を入れる行為には、「はぜ石」と呼ばれる長石粒を入れる事があります。
これは、古信楽土と同じ効果をもたらす為に行います。即ち、荒々しく力強く、見た目やゴツゴツ
した肌触りを演出する方法です。「はぜ石」は陶芸材料店で、容易に入手できます。
2) 素地に入れる異物の種類。
① 顔料を入れる。(色土を作る)
) 粘土自体を着色する場合、顔料を入れる事が多いです。顔料の素材は主に酸化金属で、
鉄、銅、マンガン、チタン、コバルト、クロム等ですが、その種類によって添加量が異なります
数%~10%程度の場合が多いです。濃い色にしたい場合には、多目に入れます。
尚、多く入れ過ぎると、「ボソボソ」して可塑性が悪くなります。又、素焼き程度の温度では
発色せず、1200℃以上でないと、綺麗な色が出ない金属もあります。当然ですが、色白の
素地の方が綺麗な色が出ます。
) 市販の練り込み用の顔料を使う。
ご自分で酸化金属を調合するのではなく、市販品の顔料を使うのが一般的です。色数も豊富に
存在します。二色の色を混ぜ合わせ、ある程度、好みの色に調節できる利点があります。
100g程度の小袋から、購入できます。尚、この顔料は、化粧土の中にも入れる事ができます。
② 海砂を入れる。
以下次回に続きます。
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