1) 窯の調整機能とは?(どんな事が調整できるのか?)前回の続きです。
③ 酸化、還元用の調整。
) 電気窯は、基本的には酸化焼成です。但し、還元装置を付けたり、木炭を利用して還元
焼成する事も出来ます。但し、電熱線を痛め寿命を短くする可能性が強いです。
a) 還元装置とは、窯の外部から、プロパンガス等の燃料を吹き込む事です。
当然、吹き込む穴が無ければなりません。 還元焼成の場合、還元が掛かる温度範囲があり
ますので、その範囲内で行う事に成ります。窯に直接燃料のガスを入れますので、当然窯の
中の作品全体に、還元が掛かる事になります
b) 木炭を利用する場合、一般には匣鉢(さや)を用います。
還元装置が還元の掛かる範囲内のみでよいのに対し、匣鉢を使う場合には、窯詰めの段階
から、作品と木炭を一緒に詰めておきます。当然、匣鉢内の作品のみ還元が強く掛かる
事になります。
) 燃料を使う窯では、還元焼成は比較的容易に起こす事が出来ます。
即ち、燃料と燃焼に必要な空気量を調整する事で還元焼成は起こります。
空気量を調整するには、窯に幾つかの調整部分がありますが、一番効果があるのは、煙突の
引きの強さの調整です。引きが強い場合には酸化になり、弱い時には、還元が掛かり易い
です。
a) 煙突の引きの強さは、煙突の高さや直径、煙突を通る排気の量で決まります。
当然、煙突が高い程、引きが強く、煙突の直径が太い程、引きが強くなります。
後で述べる様に、引きを弱くする事は出来ますが、逆に一杯まで引きを強くしても、十分
でない場合、それ以上強くする事が出来ませんので、最大限の引きの強さの設定を誤らない
事です。引きの弱い窯は、窯焚きに於いて、手こずらせる最大の問題(温度が上昇しない)
に成ります。
b) 排気量を調節する装置に、煙突の真下に設ける馬鹿穴と、煙突の途中に設けるダンパーが
あります。馬鹿穴は、外部より空気を取り込み、窯の排気量を相対的に減らします。
馬鹿穴を100%閉じると、排気は窯内部のものだけとなりますので、窯は陰圧になり、
窯の外から外気を取り込む為、酸化焼成に成ります。レンガの積み身具合で、穴の面積を
調整しますが、穴を広げるに従い、窯の中の気圧は高まり、還元方向に傾きます。
c) ダンパーは、煙道を狭くする板状のもの事で、強制的に排熱量を減らす働きがあります。
勿論100%開けた状態ならば、ダンパーは無い事になりますが、閉じる量を大きい方に
変化させれば、排気量は少なくなり、還元に転化します。但し、窯焚きの最中に、ダン
パーを100%閉じる事は、ほとんどありません。
) 焼成中の酸化還元状態は、何で判断するか?
窯の壁には幾つかの(小さい)穴が開いています。(窯の容量によって数は異なります。)
主に炎の色を見たり、素焼きでは水蒸気を外に出す働きがあります。
この穴は普段は焼成中は閉めておく事が多いのですが、時々開けて中の様子や窯の雰囲気を
見る事があります。
a) 穴から炎が噴出している場合は、内部の圧が高いですので、還元状態と見る事ができます
b) 穴から空気が吸い込まれる状態では、煙突の引きにより内部の圧が低くなっているので
酸化状態になっていると思われっます。
c) 複数個の穴がある場合、穴の場所によって酸化と還元が同時に起こっている可能性があり
ます。
d) 理想の状態とは、吸い込みと噴出しを交互に行っている状態と考える人もいます。
即ち、人により受け取り方が違いますので、上記の説が真実かは不明です。
④ 酸化、還元焼成と温度上昇の関係。
以下次回に続きます。
③ 酸化、還元用の調整。
) 電気窯は、基本的には酸化焼成です。但し、還元装置を付けたり、木炭を利用して還元
焼成する事も出来ます。但し、電熱線を痛め寿命を短くする可能性が強いです。
a) 還元装置とは、窯の外部から、プロパンガス等の燃料を吹き込む事です。
当然、吹き込む穴が無ければなりません。 還元焼成の場合、還元が掛かる温度範囲があり
ますので、その範囲内で行う事に成ります。窯に直接燃料のガスを入れますので、当然窯の
中の作品全体に、還元が掛かる事になります
b) 木炭を利用する場合、一般には匣鉢(さや)を用います。
還元装置が還元の掛かる範囲内のみでよいのに対し、匣鉢を使う場合には、窯詰めの段階
から、作品と木炭を一緒に詰めておきます。当然、匣鉢内の作品のみ還元が強く掛かる
事になります。
) 燃料を使う窯では、還元焼成は比較的容易に起こす事が出来ます。
即ち、燃料と燃焼に必要な空気量を調整する事で還元焼成は起こります。
空気量を調整するには、窯に幾つかの調整部分がありますが、一番効果があるのは、煙突の
引きの強さの調整です。引きが強い場合には酸化になり、弱い時には、還元が掛かり易い
です。
a) 煙突の引きの強さは、煙突の高さや直径、煙突を通る排気の量で決まります。
当然、煙突が高い程、引きが強く、煙突の直径が太い程、引きが強くなります。
後で述べる様に、引きを弱くする事は出来ますが、逆に一杯まで引きを強くしても、十分
でない場合、それ以上強くする事が出来ませんので、最大限の引きの強さの設定を誤らない
事です。引きの弱い窯は、窯焚きに於いて、手こずらせる最大の問題(温度が上昇しない)
に成ります。
b) 排気量を調節する装置に、煙突の真下に設ける馬鹿穴と、煙突の途中に設けるダンパーが
あります。馬鹿穴は、外部より空気を取り込み、窯の排気量を相対的に減らします。
馬鹿穴を100%閉じると、排気は窯内部のものだけとなりますので、窯は陰圧になり、
窯の外から外気を取り込む為、酸化焼成に成ります。レンガの積み身具合で、穴の面積を
調整しますが、穴を広げるに従い、窯の中の気圧は高まり、還元方向に傾きます。
c) ダンパーは、煙道を狭くする板状のもの事で、強制的に排熱量を減らす働きがあります。
勿論100%開けた状態ならば、ダンパーは無い事になりますが、閉じる量を大きい方に
変化させれば、排気量は少なくなり、還元に転化します。但し、窯焚きの最中に、ダン
パーを100%閉じる事は、ほとんどありません。
) 焼成中の酸化還元状態は、何で判断するか?
窯の壁には幾つかの(小さい)穴が開いています。(窯の容量によって数は異なります。)
主に炎の色を見たり、素焼きでは水蒸気を外に出す働きがあります。
この穴は普段は焼成中は閉めておく事が多いのですが、時々開けて中の様子や窯の雰囲気を
見る事があります。
a) 穴から炎が噴出している場合は、内部の圧が高いですので、還元状態と見る事ができます
b) 穴から空気が吸い込まれる状態では、煙突の引きにより内部の圧が低くなっているので
酸化状態になっていると思われっます。
c) 複数個の穴がある場合、穴の場所によって酸化と還元が同時に起こっている可能性があり
ます。
d) 理想の状態とは、吸い込みと噴出しを交互に行っている状態と考える人もいます。
即ち、人により受け取り方が違いますので、上記の説が真実かは不明です。
④ 酸化、還元焼成と温度上昇の関係。
以下次回に続きます。
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