真っ白な粘土(磁器土)がある一方多くの粘土には色が付いています。
但し、生の状態の土の色が、高温で焼く事で同じ色に焼き上がる事は珍しく、別の色に成る事
が多いです。
1) 粘土は火成岩から作られる。
2) 火山岩は風化が進み易く、砂質土状や粘土化し変質します。
3) 粘土類に含まれる不純物によって色に違いが出る。
① 天然の粘土に含まれる物質
② 鉄化合物
③ 腐食した植物が含まれる粘土。
黒い粘土であっても、焼成すると白色になる土もあります。泥炭や腐食した腐葉土の様に
植物が含まれる場合です。有機物は焼成してしまいますので、黒色になる成分は消失して
しまい、素地その物の色が出るからです。但しこれら異物は十分細かし、篩を掛けていま
すで制作上で問題が起こる事は少ないです。(以上までが前回の話です。)
④ 別の色の付いた土を混入させて作ります。
尚、市販されている土も単味の場合は少なく、ほとんどの土は、轆轤挽し易い様に、又
作り易い様に他の土を混入し調整されています。多くの場合、同じ様な色の土を混ぜて
います。又、異なる色の土を混ぜ合わせ、好みの色の土を作る事に可能です。
例えば、白い土に天然の赤土を入れ、混ぜる量によって、黄色~茶色~灰色~黒色へと焼
き上がりの色を調整する事も出来ます。
4) 人為的に着色した粘土。
自然界ではめったに見られない青や赤、ピンク色も、酸化金属などの顔料を入れる事で
色の付いた土を作る事も可能です。陶芸材料店に行けば、練り込み用と表示された着色剤
が多種類市販されています。又金属粉を混入させれば、好みの濃度の色土を作る事も可能
です。市販されている顔料の色は、焼成してもほぼ同じ色に焼き上がります。
手持ちの鬼板や弁柄、酸化コバルトなどの下絵付けとして用いられる顔料も、混入させて
色土を作る事ができます。注意点は、上記顔料は十分水で溶き、斑(むら)や粒々が出来
ないにして、練り込まないと、斑(まだら)色に成ってしまいます。
更に、上記顔料類は、轆轤挽にとっては良い結果になりません。即ち、多量に混入すると
土の伸びが悪くなり、更には乾燥時に「ひび割れ」を起こし易くなりますので、混ぜる量
は試行錯誤をして決めて下さい。顔料によってもてその割合に差があります。
その他の注意点として、混入した顔料の色と必ずしも同じ色に焼き上がらない場合も多く
酸化還元などの焼成条件によって、焼き上がりの色も若干変化します。
5) 土の色は釉の発色にも影響を与えます。
透明釉では、当然釉の色は土の色になりますが、その他の釉であっても、土の色は釉の
発色に大きく関係しいます。
鮮やかな発色を期待するのであれば、白っぽい土を使うべきです。やや「クスミ」があり
落ち着いて地味な色に仕上げるには、濃い目の色の土を使うと良いでしょう。
但し、素地に混入させる量(割合)は色の種類によって差があります。即ち、少しの量で
強く発色するコバルト類は少量で済みますが、黒色に近い色にするには、弁柄等の酸化鉄
等を多量に入れる必要があります。勿論混入する顔料は一種類である必要はありません
混入する顔料の種類が多くなるに従い、土の色は汚くなる(無彩色)傾向にありますので
多種類の顔料の混入はなるべく控えた方が良いでしょう。
以下次回に続きます。
但し、生の状態の土の色が、高温で焼く事で同じ色に焼き上がる事は珍しく、別の色に成る事
が多いです。
1) 粘土は火成岩から作られる。
2) 火山岩は風化が進み易く、砂質土状や粘土化し変質します。
3) 粘土類に含まれる不純物によって色に違いが出る。
① 天然の粘土に含まれる物質
② 鉄化合物
③ 腐食した植物が含まれる粘土。
黒い粘土であっても、焼成すると白色になる土もあります。泥炭や腐食した腐葉土の様に
植物が含まれる場合です。有機物は焼成してしまいますので、黒色になる成分は消失して
しまい、素地その物の色が出るからです。但しこれら異物は十分細かし、篩を掛けていま
すで制作上で問題が起こる事は少ないです。(以上までが前回の話です。)
④ 別の色の付いた土を混入させて作ります。
尚、市販されている土も単味の場合は少なく、ほとんどの土は、轆轤挽し易い様に、又
作り易い様に他の土を混入し調整されています。多くの場合、同じ様な色の土を混ぜて
います。又、異なる色の土を混ぜ合わせ、好みの色の土を作る事に可能です。
例えば、白い土に天然の赤土を入れ、混ぜる量によって、黄色~茶色~灰色~黒色へと焼
き上がりの色を調整する事も出来ます。
4) 人為的に着色した粘土。
自然界ではめったに見られない青や赤、ピンク色も、酸化金属などの顔料を入れる事で
色の付いた土を作る事も可能です。陶芸材料店に行けば、練り込み用と表示された着色剤
が多種類市販されています。又金属粉を混入させれば、好みの濃度の色土を作る事も可能
です。市販されている顔料の色は、焼成してもほぼ同じ色に焼き上がります。
手持ちの鬼板や弁柄、酸化コバルトなどの下絵付けとして用いられる顔料も、混入させて
色土を作る事ができます。注意点は、上記顔料は十分水で溶き、斑(むら)や粒々が出来
ないにして、練り込まないと、斑(まだら)色に成ってしまいます。
更に、上記顔料類は、轆轤挽にとっては良い結果になりません。即ち、多量に混入すると
土の伸びが悪くなり、更には乾燥時に「ひび割れ」を起こし易くなりますので、混ぜる量
は試行錯誤をして決めて下さい。顔料によってもてその割合に差があります。
その他の注意点として、混入した顔料の色と必ずしも同じ色に焼き上がらない場合も多く
酸化還元などの焼成条件によって、焼き上がりの色も若干変化します。
5) 土の色は釉の発色にも影響を与えます。
透明釉では、当然釉の色は土の色になりますが、その他の釉であっても、土の色は釉の
発色に大きく関係しいます。
鮮やかな発色を期待するのであれば、白っぽい土を使うべきです。やや「クスミ」があり
落ち着いて地味な色に仕上げるには、濃い目の色の土を使うと良いでしょう。
但し、素地に混入させる量(割合)は色の種類によって差があります。即ち、少しの量で
強く発色するコバルト類は少量で済みますが、黒色に近い色にするには、弁柄等の酸化鉄
等を多量に入れる必要があります。勿論混入する顔料は一種類である必要はありません
混入する顔料の種類が多くなるに従い、土の色は汚くなる(無彩色)傾向にありますので
多種類の顔料の混入はなるべく控えた方が良いでしょう。
以下次回に続きます。