わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 214 轆轤作業は腰を痛めるのか2?。

2016-01-09 22:17:25 | 素朴な疑問
3) 轆轤作業では、腰以外にも、手や腕、脚、肩、背中などの筋肉痛を訴える人もいます。

 又、人によっては、轆轤作業で疲れを感じる人もいます。いずれも、慣れない作業で緊張し過ぎの

 為と、余分な力が手足に入っている事、及び姿勢が悪い事も原因の一つです。

 ① 電動轆轤には色々なタイプがありますが、一般的な機械では、右足で速度調整のペダルを踏み、

  両手を使って作品を作る方法が多いです。勿論、ペダルでは無く、レバーを手で操作して回転

  速度を調整する事も可能です。更に、左右の膝(ひざ)の高さを揃える為、左脚用に高さ10cm

  程度の台を置く事も多い様です。又、椅子ではなく轆轤の前に座って轆轤挽きする人もいます。

  ) 轆轤を挽く際、体はやや左側に倒れる格好になります。

   轆轤作業で見る処(目を付ける場所)は、主に両手の指先です。但し、口径の小さな器の内側は

   見えない事が多いですので、主に器の外側に成ります。轆轤の回転が時計方向(右)回転ですと

   器の外側は左手になり、器の左側に当てる事になります。時計の針の方向で言うと、8~9時の

   位置となります。その位置を斜め上から見ようとすると、体は自然に左側に傾きます。

   この傾いた姿勢を長く保持すると、一部の体の筋肉に負担が掛ます。

  ) 両脇を締めるのは、あらゆる行為の基本的動作ですが、陶芸においては、必ずしも当て

   嵌りません。勿論両脇を締める必要がある行為もありますが、片方の脇を締めるだけで十分な

   場合もあります。逆に両脇を締めると、巧く行かない事もあります。

  (尚、轆轤の挽き方は色々な方法がありますので、ここで述べる事が必ずしも、全てに当て嵌まる

   訳ではない事は当然です。)

  a) 土殺しの際には、両脇を締め、手が「ブレない」様にする必要があります。

   即ち、手の肘(ひじ)が体の一部に触れている(押し付けている)事が大切です。さもないと、

   肘が土の回転と共に回転運動を起こします。手の位置がしっかり固定できませんので、土を

   綺麗な回転体にする事(センター出し)は難しいです。

  b) 制作時に基準になる手は左手です。それ故、この手が「ブレ」て位置が固定出来ないと、

   作品の形が綺麗に整いません。(但し右回転の時)。それ故、左手の肘は常に体の一部に押し

   付け指先の位置を確実に確保する事が大切です。一方右手の場合は、土を筒状に挽き上げる際

   や形作りの際には、右脇を体に付けると、懐が狭くなり窮屈な姿勢になりますので、動き難く

   力も入らずに、土が巧く伸びてくれません。この場合は、右肘は体から離し自由にする方が

   巧くいきます。 但し、左右の指は出来るだけ連結しておく事です。

  c) 轆轤は左右の指先などの強さに比例して、背が高くなったり、径が広がったり、狭まったり

    します。それ故常に指先などの感覚で、回転速度、空気(泡)の有無、土の固さ、水切れ

    状態や、肉厚、形の凸凹度、ふら付き、更には、異物の混入をいち早く感じ取る必要があり

    ます。慣れた方ならば、これらの事を瞬時に読み取る事が可能ですが、慣れない方には、

    かなり神経を使う事になります。その為、疲れを感じる人もいます。

  d) 轆轤作業では、手順を踏んで行動する必要があります。

    例えば、土を轆轤上に据える。土の裾野に水が入らない様にしっかり轆轤上に押し付ける。

    轆轤を回転させ、手に水を着けて土に触り、手が滑る様に泥を出す行為。土を上げ下げする

    土殺し。土殺しが巧く行った事の確認作業。筒上げ。形作り等の作業を順次行う事です。

    途中で振れが発生したり、水切れ等が起きた際には、適正な処理をする必要もあります。

    これらの手順を踏む行為は、意外と難しく、多くの場合作業の一つを抜いてしまう事も

    多いです。その結果、思わぬトラブルが発生し易いです。

以下次回に続きます。
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