4) 三要素の原料
② アルカリ土類(金属)の種類と効果
アルカリ土類は、一般的には、アルカリ元素と組み合わせて使います。
単体では、アルカリ元素より、効果が薄いですが、アルカリ元素と共同で有効に使う事が出来ます。
) カルシウムは、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、石灰石、大理石より釉に取り入れます。
炭酸Caは、石灰石として、大量に算出する為、安価です。更に800~900℃程度で、熱分解して、
酸化Caと炭酸ガスに分解されます。
a) カルシウム単体では、融点は高い(酸化Caでは2572℃)ですが、二酸化珪素(SiO2)との間で、
共融現象を起こし、1160℃で熔る様に成ります。
b) CaOが多くなると、微細な結晶を生成し、マット釉に成ります。この方法が一般的にマット釉を
作る方法です。
c) アルカリ元素に比べ、熱膨張率が低い為、貫入の発生を抑えます。
d) 磨耗などに対し、機械敵強度が増します。又、化学的な耐久性も増します。
e) 温度の上昇と共に、急激に粘性が少なくなります。(流れ易い釉に成る)
f) 素地と釉の中間層の形成を促し、釉の密着度が強固になります。
g) 釉の色に変化を与える事はありません。(他の原料には無い特徴です。)
) マグネシウム(Mg)
酸化Mg、炭酸Mg(マグネサイト)、ドロマイト(炭酸Caと炭酸Mgとの複合剤)、
タルク(滑石、3MgO・4SiO2・H2O)などが、原料になります。
a) 高火度釉として使います。少量入れると熔ける温度を下げ、光沢のある釉を作ります。
b) 1100℃以下では、少量でもマット釉を作ります。量が増えると熔ける温度が上昇し、1200℃以上で
微細な結晶が生成され、マット状になります。
c) 失透剤としては、酸化錫やジルコンが代表的な原料ですが、効果はやや弱いながら、Mgも
十分効果を発揮します。
d) 他のアルカリ類に対して熱膨張率が低い為、貫入の発生を抑えます。
e) Mgは釉の粘性(粘度)に影響を与えません。
f) 表面張力が大きく成り、「ちじれ」(かいらぎ)を起こし易いです。
g) 機械的強度を増し、酸や磨耗に対して強くなりますので、タイルなどの建築用陶器の釉として
多用されています。
h) 釉の色調を変化させます。酸化コバルト(呉須など)は青(藍色)ではなく紫色に、
酸化クロムは、緑色ではなくオリーブグリーン色になります。
) ストロンチウム
以下次回に続きます。
② アルカリ土類(金属)の種類と効果
アルカリ土類は、一般的には、アルカリ元素と組み合わせて使います。
単体では、アルカリ元素より、効果が薄いですが、アルカリ元素と共同で有効に使う事が出来ます。
) カルシウムは、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、石灰石、大理石より釉に取り入れます。
炭酸Caは、石灰石として、大量に算出する為、安価です。更に800~900℃程度で、熱分解して、
酸化Caと炭酸ガスに分解されます。
a) カルシウム単体では、融点は高い(酸化Caでは2572℃)ですが、二酸化珪素(SiO2)との間で、
共融現象を起こし、1160℃で熔る様に成ります。
b) CaOが多くなると、微細な結晶を生成し、マット釉に成ります。この方法が一般的にマット釉を
作る方法です。
c) アルカリ元素に比べ、熱膨張率が低い為、貫入の発生を抑えます。
d) 磨耗などに対し、機械敵強度が増します。又、化学的な耐久性も増します。
e) 温度の上昇と共に、急激に粘性が少なくなります。(流れ易い釉に成る)
f) 素地と釉の中間層の形成を促し、釉の密着度が強固になります。
g) 釉の色に変化を与える事はありません。(他の原料には無い特徴です。)
) マグネシウム(Mg)
酸化Mg、炭酸Mg(マグネサイト)、ドロマイト(炭酸Caと炭酸Mgとの複合剤)、
タルク(滑石、3MgO・4SiO2・H2O)などが、原料になります。
a) 高火度釉として使います。少量入れると熔ける温度を下げ、光沢のある釉を作ります。
b) 1100℃以下では、少量でもマット釉を作ります。量が増えると熔ける温度が上昇し、1200℃以上で
微細な結晶が生成され、マット状になります。
c) 失透剤としては、酸化錫やジルコンが代表的な原料ですが、効果はやや弱いながら、Mgも
十分効果を発揮します。
d) 他のアルカリ類に対して熱膨張率が低い為、貫入の発生を抑えます。
e) Mgは釉の粘性(粘度)に影響を与えません。
f) 表面張力が大きく成り、「ちじれ」(かいらぎ)を起こし易いです。
g) 機械的強度を増し、酸や磨耗に対して強くなりますので、タイルなどの建築用陶器の釉として
多用されています。
h) 釉の色調を変化させます。酸化コバルト(呉須など)は青(藍色)ではなく紫色に、
酸化クロムは、緑色ではなくオリーブグリーン色になります。
) ストロンチウム
以下次回に続きます。