前回に続き、同じ物を、複数個作る話を、述べます。
2) 同じ物を作る。
① ご自分のオリジナルな作品を、数個作る場合
) 同じ焼き上がりにする。
同じ物とは、形は勿論、色や艶が同じでなければ成りません。これらは、焼成する事により
発色しますので、安定して焼き上がる、必要があります。
イ) 炎の出る窯(薪、ガス、灯油など)では、窯の雰囲気の違いで、作品の出来上がり具合が、
大きく変化してしまいます。それ故、同じ窯で、同時に焼いても、作品の出来上がりに、
差が出易いです。 特に、銅を使った釉は、大きく影響されます。
それが陶芸の面白さでもあるのですが。(即ち、窯変です。)
ロ) 焼成が安定的であるとは、一つには、釉の熔ける温度範囲が広い事です。
窯の中では、場所場所によって、若干の温度変化があります。特に容積の大きい窯は、
この温度差も大きく成ります。熔ける温度範囲が広い釉を使えば、色むら等が少なくなります。
ハ) 釉の中には、酸化用と還元用、更には酸化還元どちらでも、使用できる物とがあります。
但し、酸化還元の影響が無く、どちらでも同じように発色する釉と、酸化と還元では、若干の差が
ある釉もあります。炎の出る窯ですと、窯全体が完全に酸化、完全に還元になる事は、
少ないですので、どちらでも同じ様に発色する、釉を使う必要があります。
尚、窯の雰囲気は、強還元炎、還元炎、弱還元炎、中性炎、弱酸化炎、酸化炎、強酸化炎と、
分類できます。
ニ) 同じ棚板上で、隣同士であっても、作品の色が、全く同じ様に、成る事は、ある意味
稀な事かも知れません。(但し工業製品としての、焼き物は別です。)
しかし、同じ作品にするには、この難題を解決しなければ成りません。
ホ) 絵付けの場合: 下絵付けした場合、釉は透明釉を掛けるのが普通です。
しかし、石灰系透明釉は、酸化と還元焼成では、出来上がりが異なります。
即ち、酸化焼成では、絵がはっきり出て、透明に成りますが、還元ではグレー掛かった
色になり、絵もやや不鮮明に成ります。
・ 藁白釉や志野釉等は、酸化還元に余り関係せずに、同じように発色します。
そこで、これらの釉を、薄く掛けると、透明に近い色に成る事を利用して、透明釉の代わりに
する事も可能です。但し、余りにも薄くしてしまうと、焦げ茶色になってしまいますので、
注意が必要です。(どんな釉でも、水の様に薄くすると、焦げ茶色に成ります。)
ヘ) 一つの作品に、二つ以上の釉を使う事は、更に問題が大きくなります。
又、二重掛けにした場合は、どちらを先に塗るかによっても、色の出方が変わります。
「ぶっつけ本番」で使用する事は無く、事前にテスト済みのはずです、なるべく安定した
色に成る釉を使い、安定した発色に成るように、施釉して下さい。
最後に、全く同じ様な作品(大きさ、形、重さ、色)を、複数個作る事は、かなり年季のいる作業です。
前にも述べた様に、全くの「ソックリさん」は、量産品(型物)です。轆轤や手捻りで作る手作りの
作品は、全く「ソックリ」とは行きません。その違いが、型物と手作りを見分けるポイントと成ります。
② 模倣品(コピー)を作る
以下次回に続きます。
2) 同じ物を作る。
① ご自分のオリジナルな作品を、数個作る場合
) 同じ焼き上がりにする。
同じ物とは、形は勿論、色や艶が同じでなければ成りません。これらは、焼成する事により
発色しますので、安定して焼き上がる、必要があります。
イ) 炎の出る窯(薪、ガス、灯油など)では、窯の雰囲気の違いで、作品の出来上がり具合が、
大きく変化してしまいます。それ故、同じ窯で、同時に焼いても、作品の出来上がりに、
差が出易いです。 特に、銅を使った釉は、大きく影響されます。
それが陶芸の面白さでもあるのですが。(即ち、窯変です。)
ロ) 焼成が安定的であるとは、一つには、釉の熔ける温度範囲が広い事です。
窯の中では、場所場所によって、若干の温度変化があります。特に容積の大きい窯は、
この温度差も大きく成ります。熔ける温度範囲が広い釉を使えば、色むら等が少なくなります。
ハ) 釉の中には、酸化用と還元用、更には酸化還元どちらでも、使用できる物とがあります。
但し、酸化還元の影響が無く、どちらでも同じように発色する釉と、酸化と還元では、若干の差が
ある釉もあります。炎の出る窯ですと、窯全体が完全に酸化、完全に還元になる事は、
少ないですので、どちらでも同じ様に発色する、釉を使う必要があります。
尚、窯の雰囲気は、強還元炎、還元炎、弱還元炎、中性炎、弱酸化炎、酸化炎、強酸化炎と、
分類できます。
ニ) 同じ棚板上で、隣同士であっても、作品の色が、全く同じ様に、成る事は、ある意味
稀な事かも知れません。(但し工業製品としての、焼き物は別です。)
しかし、同じ作品にするには、この難題を解決しなければ成りません。
ホ) 絵付けの場合: 下絵付けした場合、釉は透明釉を掛けるのが普通です。
しかし、石灰系透明釉は、酸化と還元焼成では、出来上がりが異なります。
即ち、酸化焼成では、絵がはっきり出て、透明に成りますが、還元ではグレー掛かった
色になり、絵もやや不鮮明に成ります。
・ 藁白釉や志野釉等は、酸化還元に余り関係せずに、同じように発色します。
そこで、これらの釉を、薄く掛けると、透明に近い色に成る事を利用して、透明釉の代わりに
する事も可能です。但し、余りにも薄くしてしまうと、焦げ茶色になってしまいますので、
注意が必要です。(どんな釉でも、水の様に薄くすると、焦げ茶色に成ります。)
ヘ) 一つの作品に、二つ以上の釉を使う事は、更に問題が大きくなります。
又、二重掛けにした場合は、どちらを先に塗るかによっても、色の出方が変わります。
「ぶっつけ本番」で使用する事は無く、事前にテスト済みのはずです、なるべく安定した
色に成る釉を使い、安定した発色に成るように、施釉して下さい。
最後に、全く同じ様な作品(大きさ、形、重さ、色)を、複数個作る事は、かなり年季のいる作業です。
前にも述べた様に、全くの「ソックリさん」は、量産品(型物)です。轆轤や手捻りで作る手作りの
作品は、全く「ソックリ」とは行きません。その違いが、型物と手作りを見分けるポイントと成ります。
② 模倣品(コピー)を作る
以下次回に続きます。