お散歩、そして路地の思い出

出先でのお散歩となった今日は、いつものお散歩コースではありませんでした。

２時を過ぎた頃、主人が、「歩こうか？」と言いだしました。
昨日も一昨日も、お散歩ができませんでしたので、私は大賛成でした。
服装がお散歩用ではありませんでしたが、それはそれ…。
さあ、出発です。

とはいえ、町中を歩くことになりましたので、できるだけ人込みを避け、
車の通行量が少ない道を選びながらのお散歩になりました。
町中の排気ガスは、山の空気を吸って暮らす私達には応えます。
とりわけ、喉がデリケートな主人には過酷なようでした。

大通りを一筋入るだけで、車の通る量はだいぶん減り、
空気の汚れと騒音も少し軽減されますので、そんな道を選びました。
私達は、路地を見つけると、その細い道を歩きました。
そんな細い道には生活の匂いがして、ちょっと懐かしさも感じました。

子供の頃、当時から怖がりだった私は、暗い場所や狭い路地は苦手でしたが、
好奇心は旺盛な方だったかもしれません。
父のお薬をもらうため、我が家から少し離れたお医者さんに行くことがありました。
母に教わった道を行くのですが、途中の路地が気になっていました。
その路地の先には、私がくるりと回って行くと通る場所が、見えていたからです。
そうです。
母は、薄暗い路地ではなく、安全な回り道を教えてくれたのです。

『ここを通ると、早く、あの場所に行けるんだわ。』

ある日、私は思い切って、その路地を通りました。
思いっきり走りました。
息ができないほど、ドキドキしました。
母との約束を守っていないことと、途中で何かが起こりませんようにとの思いが、
私をドキドキにさせてしまったのです。

いけないことをしてしまった…。
我が家に帰りついても、私は路地を通ったことを話すことができませんでした。

そして、その後も、私はそのことを話さないまま…でした。
今、路地の先に見えていた『あの場所』を思い出しています。


　可愛い花を見つけました。


　こんな花です。