ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

白髪染めやめます!とりあえず…

2018年11月10日 | ひとりごと
白髪のことを考えてきた。

毛染めとはつい3年ほど前まで縁がなかった。
60が目の前に近づいてきたときに、ある私立高校の音楽教師にならないかという話が上がり、チラチラと見え始めていた白髪を染めて、わたし、そんなに歳とってませんからと誤魔化そうとした。

それで初めて、白髪染めなるものを美容院でやってもらった。
それまでも、表に出ていた白髪は本当に少なくて、見つけたら抜く程度で済んでいたんだけど、やっぱりきっちり染めると印象が違った。
けれども、それまではツルツルツヤツヤしていた髪の毛が、一気に元気が無くなったように見えた。
髪を洗うたびに、頭皮や髪から漂ってくる毛染めの匂いを嗅ぎ、痛めつけられた髪の毛の悲鳴を聞いた。

確かに、白髪が一本もない真っ黒な髪は、若かった頃(といっても50代後半まで真っ黒だったんだけど)の自分を思い出させてくれる。
ある日突然気がついてびっくりするシミやシワが、しっかり顔に刻まれていても、その周りの真っ黒な髪が気持ちを持ち直させてくれる。
でもそれも、ほんの1ヶ月半ぐらいのことで、抜いた白髪がまた生えてきたり髪の毛全体が伸びてきたら、あ〜あ、また行かないとなあ…という現実に引き戻される。

だけど、そう何回もあのきつい化学薬品を頭につけるのは嫌だから、できるだけ日を延ばして、もう幾ら何でもと思うところまで待ってから行く。
だから4ヶ月に1回。
カットだけのときは半年に1回だったので、年に1回だけ増えた。

でも、そんな毎日の中で、何度も何度も考えている。
白髪染めをやめるべきなんじゃないか?と。

でも、日本に帰省するときなんかは、懐かしい友だちに会ったり、初めての人と会ったりするから、なんかごま塩頭は気が引ける。
それで毛を染めて、若作りして、こちらに帰ってきてからバカらしくなって、なんでこれがわたしですってきっぱりできないんだろう…と思ったりする。
けど、みんなきれいに染めてるんだもんなあ…。
その『みんな』っていうのをまず止めよう。
あなたはどうしたいの本当は?って、自分にしっかり聞いてみよう。

こちらでは、白髪ではなく銀髪って言う。
もちろんこちらでも、銀髪を染めている人はいっぱいいる。
けれども、毛髪の色が文字通り色々だし、銀髪が年相応の美しさだと思っている人もかなりいる。

今までずっと、え?まうみって60歳超えてるの?と、びっくりさせるのが楽しかったし、びっくりしてもらえて嬉しかったんだけど、
もうそういうのは終わりにしよっかなあ…。

アナウンサーの近藤サトさんが、避難用袋の中に白髪染めを入れている自分に気がついて嫌になり、それからきっぱりと止めたって言ってた。
彼女はまだ50歳になったばかりだと思うけど、
「若く見せようとするより、視聴者から「あの人も年を取ったわね。私も年を取るはずだわ」と見られればいいんですよ」
って言ってた。

若く見せようとする。

ここだね、わたしの捨てきれないところは。
でももうやっぱり止めよう。
還暦過ぎて、来年からは年金をもらうんだから。

ほんの3年間の毛染めだったんだけど、いっぱい考えさせられた。
きっとわたしの頭皮も髪も、この決定を喜んでくれると思う。
何度抜かれても歯を食いしばって生えてきてくれる、今はまだ短い白髪くん、染めたとこから先は真っ黒だけど、根本から数センチは真っ白な白髪くん、

虐待はもう終わり。
これからは大事にするからね。

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