ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国『NATO(実質アメリカ軍)こそがテロリスト。最悪な間違いだった。目覚め始めたアメリカ兵』事情

2013年03月02日 | 米国○○事情


2012年5月20、21日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が、米国シカゴで開催されました。
会場となったマコ―ミック・コンベンションセンターの外には、NATO、戦争に反対する数千人が集まり、抗議デモが行われました。
NATO会場に向けて、従軍メダルを投げつけるセレモニーを主催したのは、
「反戦イラク帰還兵の会」と「平和を願うアフガニスタン人」(Afghan for Peace)のメンバーです。
それぞれの短いメッセージに共通しているのは、軍隊への不信・だまされたという憤り・イラク、アフガニスタンの人々への謝罪の気持です。
アフガニスタンの人々に連帯し、本当の悪者は誰なのかを訴えます。


Democracy Now! 2012.5.21

『NATO(実質アメリカ軍)こそがテロリスト』
最悪な間違いだった……(目覚めはじめたアメリカ兵)

北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が、シカゴで開催されています。
60カ国の代表が集う会場は、厳重警備体制です。
一方で、数千人が、街頭で抗議しています。

公園から会場に向かう初日のデモ行進は、ここ一週間の抗議行動で、最大の規模でした。
先導したのは、米軍の帰還兵と、アフガン人の平和団体です。
『反戦イラク帰還兵の会』は、行進の終了後、従軍メダルをNATO会場に向け、投げつける儀式を行いました。
1971年、ベトナム帰還兵が、連邦議会の外で行ったのと同じです。

元陸軍軍曹、アレハンドロ・ピジャトロ氏は、2003年イラク、2011年アフガニスタンに従軍。

「NATOにNO!戦争にNO!」
「もう戦争には行かない!」
「N-A-T-O!」
「二度と殺さない!」

NATOに反対する退役兵が、一人ずつステージに上がって、従軍メダルを返上する理由を話します。
彼らの思いを聞いてください。
なぜ戦うことをやめて、平和を求めたのか。
これほど多くの声は、ここでしか聞けません。
無実の人々を殺した者も、国内で戦争継続を助けた者も、戦友の死を見守った者もいる。
ここにいない仲間もいる。
自殺したからです。
政府が約束したケアは反故にされ、破綻しは政策が、多数の死者を招くのを見た。
考えてください。
そんな価値があったのか?
ノー!
メダルが慰めになるのか?
ノー!
それとも、政府のウソと腐敗を隠し、祖国のために戦った若者への虐待を隠すためか?
メダルのウソを暴きます。

元海兵隊員、アイリス・フェリシアノです。
2002年、アフガニスタンの作戦に従軍。
壁の向こうにいる人たちに言いたい。
ウソと恐怖に満ちた作戦をいくら練っても、もうだまされない!不当な戦争は拒否する。
兵士を撤退させ、戦争を終らせよう!
メダルを返上します。

イラク歩兵部隊にいた、グレッグ・ミラーです。
こんな安っぽいメダルをよこして、僕らに捨てさせた良心の穴を埋めろというのか?
もうだまされない。
こんなメダルはいらない。
こんなものはウソだ。

スコット・キンボル、イラク帰還兵です。
メダルを返上します。
アフガニスタン、イラク、パレスチナ、世界中の占領の犠牲者へ。
戦争に反対する兵士のみなさん、君はひとりじゃない!

良心的兵役拒否者の、クリストファー・メイです。
僕らは教わった。
メダルが表すのは『民主主義と正義』『希望と世界の変革』。
でも、メダルが表すのは、国民の意思を正しく代表できない、NATOのダメ指導者たちの失敗だ。
権利を奪われた人々のために、正しいことができない指導者だ。
それどころか、人々を利用し、ひどい世界にした。
私はもう手を貸さない。
こんなメダルは意味がない。返上する。

アッシュ・ウールソンです。
イラクに行って打ちのめされた。
誰も、同じ目に遭ってほしくない。
こんなもの、返してやる!

マギー・マーティン、イラクに2度行きました。
どれだけメダルをもらおうと、戦争の苦しみを消すことはできない。
こんなのはゴミだ。
必要なのは、治癒する権利です。

ジェイコブ・クロフォード、イラクとアフガンに行きました。
メダルは無意味だ。
もっと早くから、戦争に反対するべきだった。
メダルを返します。
ブラッドリー・マニングを解放しろ!

ジェイソン・ハード、10年間、衛生兵を務めました。
2004年、イラクに行きました。
イラクとアフガニスタンに連帯し、従軍メダルを返上する。
私たちは、世界中を破壊した。
心から謝罪したい。
アフガニスタンの女性たちとここに立つことを、誇りに思う。
こんなメダルはウソだ。
返します。

スティーブン、イラクに2度派遣されました。
両親を失ったイラクの子供たちに、メダルを捧げます。

生物・化学兵器の技術兵でした。
イラクに大量破壊兵器は無かった。
私は陸軍を辞めた。
他にも、4万人が除隊した。
ウソはもうたくさんだ!

ウィスコンシン州の、スティーブ・アッシュソンです。
5年間、前線の偵察兵でした。
2005年、サドルシティです。
イラクとアフガニスタンの子供たち、願わくば、彼らが我々の行いを許し、
私たちの傷が癒され、平和が訪れますように。

マイケル・サーマン、良心的兵役拒否者です。
ブラッドリー・マニングのために、メダルとコインを返上します。
マニングは、全てを犠牲にして、戦争の真実を暴いた。

マット・ハワードです。
海兵隊で、イラクに2度行った。
メダルを三つ、返上します。
脳損傷や、軍隊内の性的暴行、PTSDに苦しむ仲間のために。

イラクに行った、ザック・ラボルト、ウィスコンシン出身です。
違法な戦争に参加して、だまされたと思った。
イラク人の解放のためだと言われたが、油田を開放させる戦争だった。

スコット・オルセンです。
四つの従軍メダルを、すべて返します。
かつてこのメダルを見ては、自分の行いを誇りに思い、正しい事をしたと得意だった。
でも間違っていた。
こんなメダルはもういらない。

元海軍兵の、トッド・デニスです。
PTSD患者です。
メダルをもらった時言われた。
「勤勉で献身的で、模範的な行いをした者に与える」と。
私は、PTSDを隠して、自分を酷使し過ぎた。
メダルを返し、治癒する権利を求めます。

マイケル・アブレゲイト、海軍に8年務めました。
自分の良心に従うために、メダルを返します。

アフガニスタンとイラク侵攻に、海軍兵として参加しました。
軍に志願したのは間違いだった。
イラクとアフガンの人々に、破壊行為を謝罪します。

ブロック・マッキントッシュ、州兵でした。
2年間、アフガニスタンに従軍しました。
2ヵ月前、アフガニスタンの友人と、グラウンド・ゼロを訪ねた。
悲劇の記念碑です。
でも、アフガニスタンの死者3万人には、記念碑なんて無い。
彼らのために、メダルを返します。
『アフガニスタンの平和ボランティア』に捧げます。

元海兵隊、ビンス・エマニュエルです。
まず、アフガニスタンとイラクの人々に捧げます。
次は、私たちの、真の建国の父だ。
学生非暴力調整委員会(SNCC)、ブラックパンサー党、公民権運動や労働組合、社会主義者たち、共産主義者やアナキスト、環境活動家、
彼らこそ、真の建国の父だ。
最後に、最も大切なのは、敵は7千マイル先ではなく、役員室にいる。
企業重役たち、銀行やヘッジファンド経営者だ。
戦地ではなく、この米国で、毎日顔を見る連中だ。
そこにいる警官たちではなく、世界を支配する億万長者たちだ。
もううんざりだ!こんなメダルはいらない!

来ることができなかった6人の代わりに来ました。
国境に近づけば、逮捕されてしまうからです。
イラク・アフガニスタン戦争に、加担することを拒否した罪です。
国外にいる、良心のある兵士に、恩赦を与えるべきだ。
海兵隊員のクリスチャン・カー、陸軍のキム・リベラ、イラクへの再派遣を拒否。
海兵隊ジェレミー・ブロックウェイ、イラクへの再派遣を拒否。
ジェレス・ティンガンダン、アフガニスタンへの再派遣を拒否。
陸軍コーリー・グラス、イラクへの再派遣を拒否。
クリス・バッシー、アフガニスタンへの再派遣を拒否。
彼らの怒りに代わって、メダルを投げます。

アーロン・ヒュース、2006年まで、イリノイ州兵でした。
このメダルを、昨年亡くなった、アンソニー・ワグナーに捧げる。
女性兵士の3割に上る、性的暴行の被害者へ。
アフガニスタンの女性のために立ち上がると言ったが、アメリカの女性を助けることすらできていない。
謝罪をこめて、このメダルを全員に捧げます。
本当に悪かった。

『反戦イラク帰還兵の会』のメンバーでした。
NATO会議の会場に向けて、従軍メダルを投げ返しました。

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2 コメント

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イラク戦争10年 (じゅんこ)
2013-03-03 20:44:47
 まうみさん、こんばんは。

「アッシュ・ウールソンです。 イラクに行って打ちのめされた。 誰も、同じ目に遭ってほしくない。 こんなもの、返してやる!」

この名前に見覚えがあると思い調べたら、日本で反戦キャラバンをしてた青年でした。http://www.k3.dion.ne.jp/~k-9mp/
2011年の記事のようですが、未だに活動していることをうれしく思います。

今年3月20日でニッポンがアメリカのイラク戦争に付き合ってから10年ですね。あの時、自己責任論で大バッシングされた女性が、今もイラクの子どもたちの力になってボランティアを続けていますね。

3月20日には早稲田大学でイベントをやりますよ。http://iraqwar10.net/?page_id=37

何人のニッポン人が覚えているでしょうか?東電原発事故も2年で忘れるくらいだから、イラク戦争や9.11すら覚えてないんでしょうね。


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じゅんこさんへ (まうみ)
2013-03-04 01:56:37
ウールソン氏の情報を教えてくださってありがとうございます!
さっそく見に行って、K9MPの数々の記事に読み入っておりました。
彼のことをもう一度、続きの記事に書かせてもらいますね。

自己責任論、すごかったですね、あれも。
みんな、気が狂ったように群がってましたね。
あの時も、こちらでは、日本人には、ああいう考え方をして、ああいう行動をとる人が、あんなにたくさんいたんだなと、びっくりしていた人が大勢いました。
そしてすぐに忘れる……。
無責任ですよね、自分の言葉と行為に対して。

せっかく先人から譲り受けた平和憲法、原発事故で有耶無耶にして、葬ろうとしてる連中を、徹底的に阻止しなければ!
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