ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

いろんな思いでいっぱいだった週末

2015年04月19日 | 家族とわたし
空ちゃんと海ちゃんが、去勢手術を受けました。
金曜日の朝早くに、手術をしてくれる病院に行き、受付をして、また夕方の5時に迎えに行くという予定になっていました。
手術と並行して、海ちゃんの体内にマイクロチップを入れること(空ちゃんにはもう入っています)、ジステンバーと猫エイズの予防接種をすることになっていて、
そこまで同時にやってしまっていいのか、そもそもマイクロチップなどというものを体内に入れていいのかと、かなり心配になったのですが、
けれどもそれらは、彼らを捕獲したマンハッタンの動物レスキュー協会から養子にもらう時の約束で、だからそれを破るわけにはいかず、
もやもやとした気持ちのままズルズルとその日を延ばしてしまっていて、気がつくと空ちゃんは10ヶ月、海ちゃんは8ヶ月と、どんどんと大きくなり…、
さらに、生まれて初めての春が近づいてくるにつれて、喧嘩やスプレー行為が激しくなってきたので、とうとう決心して予約を入れました。

わたしはというと、術後の猫トイレは猫砂ではなく、新聞紙を細かくしたものか紙製のつぶつぶのものにしてくれと病院から言われ、ペットショップでうろうろと悩んでいました。
なんせ、空ちゃんの、そういう類の大き目のチップ嫌いは半端ではなく、どういうふうに工夫をしてもダメ、何が何でもオーソドックスな猫砂でないと出るものも出ん!というのを、
いったいどうしたら変えられるか、そのことも気にしつつ、けれども試す勇気が出ずにズルズルと日が過ごしてしまっていました。
だから結局こんな手術の前日の夕方から、いきなり何の前触れもなく、「もうこれにしなさい!」と押し付けるという、最悪の展開に…。

そんなこんなの不穏な空気が漂う部屋で、なにか嫌~な予感がしまくっている空ちゃんと海ちゃんです。


前の晩の夜中から餌を、そして当日の朝6時には水も取り上げられてしまいました。
病院までのキャリーが玄関のドア付近に置かれ、いよいよ嫌~な予感満々な二匹。
病院に着くと少なくとも20人(匹)はすでに来ていて、カウンターでの受付を待つ間に絶え間なく聞こえてくるワンニャンの鳴き声に、さらに恐怖が増してきた様子…。
レスキュー団体から指定された所でないと、手術代などの費用を自腹を切って払わなくてはならなくて、だから渋々連れて来た所だったので、
ショーティの時のことがありありと思い出されてきて、これでよかったんだろうかと、列に並びながら悶々と考えていました。

ショーティをあるお家からもらって半年ばかり経った頃、避妊手術を受けさせなければならなかったのですが、
費用のことを一番に考えてしまい、一番安い料金でやってくれる、しかも近所の獣医を見つけ出し、そこで手術をしてもらったところ、
術後の状態がとても酷くて三日間ずっと危ない状態が続き、わたしは成す術もなく、ごめんごめんと謝りながら、彼女をお腹の上に乗せて眠らせていたということがありました。
幸いにして彼女は助かったのですが、先天性の視神経の障害があったこと、それを獣医ならすぐに分かるはずだったことなどを後から知り、
費用のことばかりを考えて、とても辛い思いをさせてしまったことを、ずっと悔いていました。
彼女のお腹には、手術後の癒着が原因で、大きなコブができていて、それに手が触れるたびに、ごめんなと謝っていました。
その二の舞になりはしないか…。
そんな縁起でもないことをつい考えてしまっては取り消し、また気づいたら心配してしまっていて…とても複雑な思いでした。


仕事のために行けないわたしの代わりに、夫が迎えに行ってくれました。
家に着いたのが6時前。
でも、8時までキャリーに入れたままにしておくこと、と言われてきたそうで、おしっこまみれの敷きタオルをぐちゃぐちゃ踏みながら混乱している彼らを、キャリーの網越しに見ていました。


麻酔がまだ効いているのか、痛んでいるふうでもなく、けれども海ちゃんがやたらと手術痕を舐めようとし始めたので、
8時までにはまだ30分も残っていたのですが、ひとまずキャリーから出して、エリザベスカラーを付けることにしました。
病院からもらってきたそれを見ると、こんなんにどうして頭が入るのだ?…なサイズ。
でも海ちゃんは頭がちっちゃいので、とりあえず大丈夫だろうと、ムギュ~ッと突っ込んでみると、あ、入った!
包帯を裂いて作った紐をカラーの輪っかに通し無事装着。
ホッと一安心、と思いきや、まだ麻酔でヨタヨタしているはずの海ちゃんが、普段の倍ぐらいの速さで部屋中を駆け回り、
もうなんというか、混乱の極みというのはこういうことだと言わんばかりの、まるでピンボールゲームの白い玉のようにあちこちにぶつかり、
挙げ句の果てには階段を踏み外しながらも駆け上がり、ガチャンバタンと音を立てて暴れ回る音を聞きながら、夫とわたしも慌てて二階に上がりました。
なんとか捕まえたものの、もう完全にパニック状態。
付けてしまったカラーを外すわけにもいかず、とにかく抱っこして落ち着かせることにしました。
その様子を見ていた空ちゃん。
彼は頭がデカいので、やっぱり海ちゃんのように押し込むことができず大わらわ。
そしてやはり彼も暴れ始め、それを見た、少しは落ち着いていたはずの海ちゃんがまた暴れてと、これは今夜は眠れそうにないな…という予感がぐんぐん上昇していきました。
実は前の晩も、手術のことやらをついつい考えてしまい、ほんの3時間ぐらいしか眠ることができなかったので、寝不足連チャンは必至です。

彼らのトイレと食べ物と水を、わたしの小さな寝室に全部入れ、万が一落ち着いた時のためにと、お気に入りの猫ベッドも置き、ひとまず一人と二匹で夜を過ごすことに。
海ちゃんは、パニック状態が収まらず、ベッドの下に潜り込んだまま、暗闇からこちらをじぃーっと見据えています。
痛み止めの薬を飲ませたくても、一向に出てきません。
時間が経つにつれ、痛みと恐さ、そしてストレスで、全身の震えが止まらなくなってきた海ちゃんを、懐中電灯で照らして見る辛さ。
そうかと思うと突如姿を現して、カーテンをよじ登ろうとしたり、また勢いよくぶつかったり。
きっと、エリザベスカラーをなんとかして取っ払おうとして、ぶつけているのでしょう。
とうとう、端っこの一部が割れてしまいました。
空ちゃんも、海ちゃんの暴れっぷりに反応して、一瞬暴れるのだけれどもすぐに収まります。
飲まず食わず寝ずの一夜が明け、わたしは朝から二人の生徒を教えました。

昼から予定していたマンハッタンでのミーティングをキャンセルして、ひたすら空ちゃん海ちゃんとべったり過ごしました。
いつもは厳禁のベッドの上も、今日ばかりは絶賛大開放中。


やっと少し食べる気になった海ちゃん。


ぐったりとしている空ちゃんの向こうでは、


ポンちゃんがいつの間にか満開に!


ああもったいない!一年に一度の再会なのに!
慌てて外に出て行きました。






モモちゃんも、小さい体につぼみをいっぱいつけてくれました。


自力で冬を越してくれた水仙。


こちらは夫がくれた不思議な花。


紫陽花の芽も出てきました。


夕方になって、先日の誕生日のお祝いにと来てくれた長男くん、そして次男くんとまなっちゃん、夫との5人で、特別な日だけ行くネルソンさんのレストランへ行きました。


前のレストランとは180度雰囲気の違う、かなりサイケデリックな外装。


東海岸で獲れた魚のお寿司とお刺身の盛り合わせを、超~久しぶりにいただきました。彼の巻き寿司はアイディアが豊富で斬新で、しかも美味すぎ!


近所の日本でいうところの百均のお店。


レストランから戻り、夫が作ってくれた美味いコーヒーと一緒に。久々に家族が揃う…こういう時間が何よりの幸せです!


この日は、大阪の弟からのお楽しみ箱も届き、体に悪いもんやらええもんやらてんこ盛りの、日本語のビデオもありぃのの、ごっつ嬉しい日になりました。


翌日の今日は、昨日長男くんが教えてくれた、グルーミングが全くできなくてストレスが溜まっている猫たちの体を、温かなタオルで拭いてあげるのを再度実行。
空ちゃんを怖がって威嚇していた海ちゃんも、ようやくわたしの寝室から出てきて、家の中をゆっくり歩き回り始めました。
そして何より嬉しかったのは、二匹ともに、術後の初ウンチが出たこと。これでまず、最初の難関突破です。

せっかく男手があるので、しかも夫と違い、頼んだら大抵は「いいよ」と言って手伝ってくれる男手なので、アードリィからもらったサクランボの苗木を植えることにしました。

植える位置については、人百倍こだわっている夫が出てきて、家族4人で、ここでもないあそこでもないと大議論。


結局は、多分横広がりに伸びるとは思いますが、夫の意見を尊重して、隣の空き地との境界線から30センチほど中に入った所に植えることにしました。
穴を深~く掘り(掘ってもらい)、そこにお水をいっぱい注ぎ、腐った葉っぱを底に敷き、いよいよ植樹です!


ぺたんぺたん。


玄関前の松の木の下で、息子たちが騒いているのでどれどれと覗きに行くと、
キツツキが突っついた穴から、松ヤニがトロ~リトロリ。油断して触ってしまいました。


クラリネットのキーのコルクをくっつけるのに、よく使った松ヤニ。香りが懐かしい~。


常日頃、ロッククライミングで鍛えているのでと、うちの外壁を素手で登ろうとする長男くん。


そりゃ無理ですってやっぱり…っつか、登って欲しないわ~そんな危ないとこ!



夫がバーベキューコンロで焼いてくれたチキンと、冷蔵庫の掃除アルモンデ〝クラムチャウダーもどき〟スープ。どちらも大好評でした。



ずいぶんと落ち着いてきた二にゃんたち。




外から見守るポンちゃん。


エリザベスカラーは10日間装着するように、と言われています。
長いなあ~…。

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6 コメント

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Unknown (雪柳)
2015-04-20 19:01:04
可愛いネコちゃん達と素敵なファミリーの写真が、gooですね~(^_^)v幸せ感満載の平和な日々は何よりですね~(^^)/
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雪柳さんへ (まうみ)
2015-04-21 01:25:57
ありがとうございます。
こうして、家族が揃うことが、何よりの幸せだと思い、皆が無事でいられることの幸運に感謝しています。
ただ、今に至るまでの間に、大変なことがあり過ぎたからか、こうやって幸せを感じるたびに、また無くなりはしないか、こんなふうに幸せでいていいのだろうかなどと、愚かな心配がふとわいてしまう癖があり、そういう自分から卒業したい!と、心から願っている今日この頃です。
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久しぶりで~す (ろば)
2015-04-24 11:40:51
まうみさん~元気?
そうだね~
私も元気だよ~孫はもう7か月になりました
大阪なのになかなか会いに行けないの・・・
近くなんだけど、、、、遠いんだ、、、、

旦那さんの買ってきてくれた不思議な花は
クリスマスローズって言うんだよ
クリスマスの時期には咲かないけどこの名前~

ぼんちゃん見られてよかったです~

素敵な家族に乾杯~~
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Unknown (かまどがま)
2015-04-27 10:02:12
見に来るのが遅くなりました。エリザベスカラーまだつけていますか?
うちのは1月に去勢手術をしましたが、抗生剤だけでカラーは当日から無。トイレもネコ砂OKでした。
一週間後に経過を見せに行っただけ。
手術の傷の大きさが違うのでしょうかねぇ
アメリカの方がペット関連の環境は少なくても日本の離島より整っているようなイメージがありますが・・・
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ろばちゃんへ (まうみ)
2015-04-29 12:49:27
ごめんね~!返事がすっかり遅くなってしまって!

そっか~、お孫さん、もう7ヶ月?!いやはや、時間の経つのが早いったらもう…。
そんなもんだよ、親子なんてさ。
うちだって、同居してる次男はともかく、車で1時間弱のとこに居る長男と会うのは、誕生日とかクリスマスとか、一年に数回、片手の指の数より少ないもん…。

ポンちゃん、今年はなんかちゃんと話せなかったような気がしてちょっと残念!
でもまた会えるしね。
そうそう、クリスマスローズ!なんか前にもろばちゃんに教えてもらったような気が…ううう…。

うちからも、すてきなろばちゃん一家に乾杯~~
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かまどがまさんへ (まうみ)
2015-04-29 12:56:25
エリザベスカラーは結局、5日目で外してもらいました。
そうなんです、手術前にいろいろ検索していたら、カラーを付けないという事例もたくさん見つかって、う~ん…と思っていたところでした。

でもまあ、うちの場合、やんちゃな二匹の男の仔だし、普段からよく取っ組み合いしてるし、とりあえずは付けといた方がいいかもな~とも思っていました。

ペット環境が日本のそれよりどうなのか、わたしにはよく分からないのだけども、今回お世話になった『PEOPLE FOR ANIMALS』は、その名前の通り、動物を心から愛する人たちが献身的に、休日も無く働いてくれていて、そして料金も本当に安くて、とてもありがたいと思っています。

とりあえず今のところは、激しい追いかけごっこや取っ組み合いをしても、傷が開いてしまったり血が出たりということにはなっていないようです。
まったく…お腹がゆるいくせに、どうしてあんなに暴れられるのか…不思議です。
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