ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「何してんだよ、日本!」

2013年05月12日 | 日本とわたし
わたしは、放射線の食品測定所の臨時職員です。

今日も、ある、ばあちゃんが来た。
ひと伝えに……。

とても、丁寧な、昔の方だよ。

白菜を大きく切って持ってきたんだ。

本当だったら、小さく切らなければいけないけど。

私らが、それを切っちゃダメなんで、
それを、容器に押しつぶして、
測ったよ。

ばあちゃんは、
三時間後、
頭を深々と頭を下げて、
測定所に入ってきたよ。

お世話になりますって言ってね、

幸いにも、その白菜は、
NDだった。

そう言った。

でも、
その意味がわからないんだ。

何度かここで、そのことは話したよ。

ベクレルもシーベルトも、
わからないんだ。

いつもの通りの言葉が、
口から、こぼれた……。

「食べても大丈夫ですか?」ってね。

γ線しか測れてないからさ、

ストロンチウムのこと、話そうと思ったけど、
話せんかったよ。

「おばあちゃん、低いよこの野菜!
セシウム、低い!」

ばあちゃんは、にっこり笑った。

「孫に食べさせても大丈夫ですか?」

答えられない……。

わからない……。

だから、放射線の話をした。

30分。

おそらく、意味、わかんないと思う。

でもさ、
そのばあちゃん、
泣いてたんだ。

一人暮らしで、
誰も何も教えてくれないって……。

テレビでは、大丈夫だって言ってるけど、
信用できなかったって。

でも、でも、わたしの話を聞いて、
ばあちゃん泣いてた。

こんなに、親切に教えてもらったこと無いって……。

手、合して……、
拝んでたよ。

私を……。

「長生きしなきゃ、おばあちゃん」

言葉がないよ。

泣いたよ、
ばあちゃんといっしょにさ。

何してんだよ、
<日本>



↑この言葉は、今朝、フェイスブックで見つけたものです。

ほんま、なにしてんねん日本!と、心の底の方から怒りがこみあげてきた。

『日本』という言葉の中にあるものがなんなんか、考えなあかんと思た。

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2 コメント

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Unknown (桃)
2013-05-13 21:41:00
ほんと・・
何してんだろう 日本。
311のあと、
高齢のおばあちゃんが、泣いてたシーンがあった。
「ごめんなさいねごめんなさいね・・」と言っている。

何をごめんなさいなんだろう?と思ったら
「私のようなのが生き残って、若い人が逝ってしまって・・
私、生きててごめんなさいね・・」と泣いてた(._.)

何か違うんじゃないの?この国。
東北であったことももう忘れようとしているよ、みんな。
何もなかったかのように、目をそむけようとしている。

本当は分かっているんだね。
あの311が残していった悲惨さを。

桃さんへ (まうみ)
2013-05-14 01:21:55
桃さん、その「私のような者が生き残って」と泣いておられたおばあさんを、わたしも知っています。胸の中がえぐられたような気持ちになりました。

あの災害と事故の直後、日本はグッと変わると思い込んでいました。
政府が、報道が、学者が、技術者が、そして国民が、この悲惨極まりない過酷な試練を経て、目を覚ますと思っていました。
ところが、毎日朝晩、時差の遅れをもどかしく感じながら、報道とツィッターで得た情報とを読み比べているうちに、これはどうも大変な方向に流れ始めているのではないかという懸念が生じました。

これはもう、国というより、国土の上に暮らすすべての方々の人生の岐路に立っていると言っても過言ではありません。
日本の消滅より先に、日本人の人生が心身ともに汚されようとしていることを、
日本人である大勢の人達が、ただただ眺めていることが、もどかしくてなりません。

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