リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

夢のない報道

2011-06-13 06:45:35 | オヤジの日記
古い話になるが、5月のサミットで、菅首相が「1000万戸に太陽光発電を設置する」と宣言して、物議をかもした。

まあ、お気楽で安易な数字をぶち上げたとは思うが、アドバルーンとしては、上等とは言えないまでも、軽い先制パンチくらいにはなったのではないかと、私は理解した。

宣言はしたが、承認を受けていないのだから、まあ一種の「ホラ」みたいなものだ。
一国の総理が、サミットでホラ話をしてもいいのか、と生真面目に突っ込む人は大勢いるだろうが、どこの首脳だって、独断で発言や提案をすることはあるだろう。

サミットは国際的課題や政治的課題を検討する会議とはいえ、法的な縛りのないセレモニー的なものだ。

各国首脳が、自国の未来を語ったとしても、それもセレモニーの一つである。

だから、菅首相のスピーチに対して、「聞いてません」と憮然とした顔を生真面目にさらすのは、むしろ「誰かに言わされてる感」しかしないのである。


この提案に対して、原子力の稼働率は約7割で、太陽光は12パーセントだから、実用的ではない、とか一般的な家屋に太陽光パネルを強制的に設置するのは、法律違反だ、などという幼稚な議論を定期している人がいる。

誰も一千万戸の太陽光発電を今すぐ設置しろ、とは言っていない。

明日にでも取り掛かる、とせっかちに言っているわけではないのだ。

いままで「首相が、あんなことを言っている。さあ、すぐに作り出そうぜ」などという施策が、過去の日本にあっただろうか。


今は、今や忌み嫌われている原子力の稼働率が「約7割」で優位かもしれないが、将来は違うかもしれない。
太陽光の効率は、それほど挙げられないまでも、コストは飛躍的に下げられるかもしれない。
太陽光パネルを家屋の屋根につけるのではなく、効率のいい場所にまとめて設置する方法をとって、法律と整合性を取ることは可能だろう。

政策の提議、提案というのは、政治家として「夢を語る」のと同じことだと、私は思っている。
各国の首脳が、核に関して提議し、原子力エネルギーについて、新しい意見を提案する。
あるいは、人類の未来に関して、もしくは人権に関して協力を訴えかける。

サミットというのは、そういうものではないだろうか。

「聞いてなかった」「根回しがなかった」からプライドが傷つけられた、という次元のネガティブな談話をクローズアップするだけでなく、世界が太陽光に限らず、自然エネルギーをどのようにこれから発展させていくか、という端緒となる提案、提議をマスメディアは、なぜ発信することができないのか。


少しでも前向きに考えなければいけない時期に、相変わらずのネガティブな報道は、あまりにも夢がなさすぎる。



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