まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

海外投資の資本等のチェックポイント

2013-01-13 11:41:06 | 企業投資

 

 海外で事業を行うとき、製造拠点なのか、販売拠点なのか、相互補完・相乗効果のあるパートナーがいるかどうか、経営主体は誰か等、山ほどの検討事項があります。

ステップとしては、調査を重ね「着想⇒予備計画⇒実行計画⇒現地政府許認可取得⇒会社設立・建設・操業準備⇒操業」という順序になりますね。

これらの検討の中で、お金=「投融資と配当・利子・税務という切り口」での検討も必要ですね。ということで、今回は、これらのチェックポイントについて思いつくところを列挙しました。足りないところ、漏れているところがあればご指摘お願いします。<o:p></o:p>

 

 会社を設立する場合:

(1)  投資形態:

a. 日本の本社から投資するか、海外の新設又は既設子会社から投資するか?

―租税回避国経由というのもありますが、これには既にタックスヘイブン税制もありますね。しかし、必ずしも税務のみでは無く、Singapore等にRegional Headquarterを作り分権経営を進めるというのもあります。あるいは中国に外商合資企業を作る場合、香港やケイマンに会社を作ってこれを合弁にして、中国子会社はその合弁会社の100%子会社とする形態もあります。一種の中間持株会社を作ってそこ経由100%子会社とするわけですね。こうすると既存株主間の持株変動や新規株主は中間持株会社の調整ができて簡単です。中国は許認可主義ですから、中国内の会社の持分譲渡等は、最短で23ヶ月かかりますからね。

b. 現地での優遇税制等が受けられる形態になっているか?<o:p></o:p>

 

(2) 現地税制:

a. 出資と融資の比率(過少資本問題)やその得失を検討したか?

b. 創業当初の損失想定額と期間及び繰越欠損金の期限を検討したか?

c. 適用可能な現地優遇税制は何か(中国等の様に、省・市レベルも検討必要)?

d. 親子間の取引があるときの移転価格の問題が生じる可能性の検討をしたか?<o:p></o:p>

 

 配当を受け取る場合:

a. 現地法人の日本親会社への配当をどのように考えるのか?

- 合弁の場合にはDividend PolicyLegal Reserve後のDividend Payout Ratio等取りきめ)についても合弁契約に記載する例も多い。将来の設備投資の為に留保するというのも一つの考え。

b. 平成21 年度税制改正にて、外国子会社の利益の日本国内への資金還流を促進する観点より、従来の間接外国税額控除による二重課税排除の方式に代えて、外国子会社配当益金不算入制度が導入されました。日本親会社が外国子会社から受ける配当は、その配当(源泉税控除前)の95%が益金不算入とされますが、この益金不算入制度の適用対象となる配当に係る現地の源泉税については、日本の直接外国税額控除の対象外となり、損金にも算入されないので、親子の合算で税額・税率を減らすことを検討する。<o:p></o:p>

 

 企業買収を行う場合:

a. 日本の親会社が株式・持分を取得するか、中間持株会社を第三国に作って(又は既存の第三国子会社経由)買収するか?

b.  現地に会社を設立して、その会社に資産買収を行わせるか、あるいは株式・持分を取得させるか(逆三角合併とか将来の三角合併とか)?

c.  税務上償却できない資産があるか?ある場合は、どんな圧縮方法があるか?

d. 被買収会社に繰越欠損金があるか、ある場合は、それを節税に利用出来るか?<o:p></o:p>

 

 融資・保証を行う場合:

a. 融資・資本の得失を十分検討したか?

b. 現地で過少資本の問題は生じないか?

c.  現地銀行からの借り入れに際し、親会社が保証を行い差入保証料を徴収する場合、この保証料は現地法人側で損金算入できるか?

d. 金利率・保証料(率)は、税法上の問題を起こさないレベルか?<o:p></o:p>

 

 事業から撤退(清算・売却)の場合:

a. 清算・売却に伴い、相手国で課税されないか?

b. 残余財産分配を株主にできるか?(中国では、残余財産分配金を株主へ海外送金する送金許可を下ろしませんね)

これぐらいでしょうか?<o:p></o:p>

 


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