まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

行動基準と現場の実際

2007-06-11 00:37:04 | 企業一般

     最近、大企業では、企業の行動指針や役職員の行動基準を定めています。どれも当たり前の事で、もっともだと思いますが、それによって果たしてどれだけ現実の行動・対応がよりよく変化しているか疑問ですね。この種の行動規範は、制定しても、表題ぐらいは見ても、当たり前のことが書いているので、中身をきちんと読まない社員も多くいるような気がします。まあ、行動基準だけでなく、社内規則一般の話ですが、大企業では膨大な社内規則が制定されていますが、それをきちんと読んで居る人(経営陣も含めて)は殆どいませんし、仮に読んでもいちいち覚えていませんね。まあ、何かあったら担当部局と相談すれば、それで良いのですけど。

○ 企業の行動指針及び役職員の行動基準としては、どこの大企業も内容は、大同小異で、大体以下の様な内容が制定されています。

① 企業の価値を高め、事業を通じて社会に貢献する。

② 人権を尊重する。

③ 環境に配慮、保全する。

④ 法令・社内規則を遵守する。

⑤ 情報開示を計る。

⑥ 自らのまた他社の知的財産を尊重する。

⑦ お客様を尊重する。

⑧ 品質の確かなものを提供する(メーカの場合)。

⑨ 適正な営業活動・調達活動を推進する。

⑩ 財務・会計に関する記録や報告は、適時・正確に行う。

⑪ 不適切な支出を禁止、寄付・政治献金等も常識内で行う。

⑫ 地域社会との調和を計り、役職員に社会貢献活動を推奨する。

     どこの会社も大体守っています。従来の日常活動を、健全な常識をもって行えば、問題ありません。従い、99%守られていますが、後の1%がなかなか守られないと言いますか改善がされません。1%ぐらいですが、行動基準に反する行為が行われているような例も多いのではないでしょうか。少し、具体例を挙げましょう。これは、行動基準を制定しても、従来の自分の行動を変えたりする人が少ないこと、あるいは行動基準をサポートする気配りのある制度等を同時に導入しない事も原因だろうと思いますね。

     具体例としては、以下のような事ですね。

     発注した後、仕様変更・追加して、下請けが当初の条件のまま受けさせられる。―現場は予算を決められます。それをオーバーするのをいやがります。本来なら、追加予算で増額改定しないといけないのに、そんなことしません。

     下請代金支払遅延等防止法が十分守られていません。納期の関係で、発注書もないまま作らされるとか、60日を越えた代金支払い条件を受けざるを得ない事など日常茶飯事です。余程の事が内限り、下請けは文句を言えません。

     基本契約書に一方的で不利な条項が昔のままそのまま残っています。下請けなどは基本契約書はだまって判子を押さざるを得ません。その中には、例えば、下請けが開発したもの(ソフトウェア等)を、納入品の中にいれたら、その権利は発注者に帰属する等と書いているものがあります。何が「知的財産を尊重しましょう」等と行動基準で言っているのですか?弱い者いじめですね。

     行動基準を制定しても、その内容趣旨を理解して、日常の業務を見直すことが必ずしも行われていません。今迄のまま業務を推進しています。経営者は、行動基準を制定しても、それが隅々まで現場まで徹底するような配慮をしていない場合があります。事務当局が時代の流れ・雰囲気を感じて制定したもので、企業としては経営姿勢を対外的にアピールできますが、アピールするものではなく、社内できちんと発想・行動まで見直して遵守すべきものですね。現場は直ぐには変わらないけど、現場を変えないといけない。そこを変えていくのも経営力の一つだと思いますね。

最近は、内部統制・情報セキュリティの件等もあり、ますます規則がどんどん制定されています。

りっぱな規則を作っても、大抵の人は中身を知りません。規則がますます制定されている割には、相変わらず企業不祥事が多いですね。やはり経営者の高度の倫理観と企業文化醸成の方がはるかに重要だと思います。


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