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ロシアとフランスが軍事部門でも協力拡大

2011-01-30 | ラジオ
フランスのヘリコプター母艦ミストラルが近い将来、ロシア海軍に導入される見込みだ。
フランスのサンナゼールにある造船所でのミストラル建造に付いて、フランスとロシアとの政府間合意が今週、フランスのサルコジ大統領の臨席の下、調印された。
ヘリコプター母艦ミストラルは排水量2万1000トン、全長210メートルで16機のヘリコプターを搭載することができる。
ロシアとフランスが海軍部門における協力を計画していることに付いては、昨年2010年末に明らかとなった。当時ロシア国防省が発表した入札を、露仏のコンソーシアムが落札した。

建造される最初の2隻に付いてはロシアの参加のもと、フランスで建造されるが残りの2隻に付いては、レニングラード州にあるロシアの造船所で建造される予定だ。
4月中には契約となる見込みとなっている。
専門家らによると今回の合意はフランスとロシア、双方の国益にかなうものだということだ。

ナショナル・ディフェンス誌の編集長を務める、イーゴリ・コロトチェンコ氏に話を伺った。
「フランスは造船所に新たな注文を確保することができる。それはもちろんサルコジ大統領の支持率を高めることだろう。
というのも、現在ヨーロッパでは防衛産業が危機を迎えているが、今回の合意によってフランスの防衛産業には、利益性の高い注文が舞い込むことになるからだ。
ロシアにとっては空挺作戦を行うための、幅広い機能を持った艦船を手に入れることとなる。最初の2隻のミストラル級母艦は、太平洋艦隊に所属することになるが、それはその地域での作戦展開能力を高めることとなるだろう」
編集長は、このようにコメントしている。

ミストラル級母艦は、攻撃ヘリコプターおよび空挺部隊ヘリコプターを紛争地域に送ることができる。そのことにより抑止力としての機能のほか、暴動地域からの市民の救助、海上ルートの警戒、漁業海域の監視などを行うことが可能となる。
つまりミストラル級母艦は現代の要求に合致したものである訳だ。ミストラル級母艦とともに、ロシアには新しい技術も導入されることとなる。
フランスの駐ロシア大使であるグリニアスティ氏は、今回の合意のほかの側面も指摘している。
「今回の合意は、ロシアとフランスの政治的決断だ。ロシアとフランスが大陸の安全保障のために協力していくことを示すものだ。我々は共同の安全保障、人文協力、貿易協力の空間を作り出していくつもりだ」
フランスの駐ロシア大使は、このように話している。

もちろん露仏の関係の発展を、全ての国が歓迎しているわけではない。
特にバルト諸国やグルジアなどは、今回の合意が自国の国益に否定的な影響を与えるとして懸念を示していた。
ウィキリークスに公開された秘密文書によれば、バルト諸国は今回の問題をNATOにも提議したことがあるようだ。しかしそのような動きもロシアとフランスの合意を妨げることは、出来なかったと言うことができるだろう。

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広瀬 隆
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1月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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