ロシアにおけるテレビのデジタル放送への移行に付いて

12月7日、プーチン首相はアナログ放送の段階的廃止と、デジタ
ル放送への全面的移行を規定した、2009年から2015年期のロ
シア連邦におけるテレビ放送発展プログラムを承認した。

デジタル放送への移行は2015年まで完了しなければならないが、
これに付いてはメドヴェージェフ大統領も、先日年次教書演説の
中で述べている。
デジタル放送はチャンネル数も多く、より自由な情報アクセスを
保障し、また実際、画質、音質もより良いものだ。
しかしながらロシアにおけるデジタル放送への移行は、素晴らし
いプロジェクトではあるものの、そう簡単なものではない。

7日、プーチン首相が承認したプログラムは、時にロシアのテレビ
やラジオ放送が届かない、極東やシベリアの偏狭の地のデジタ
ル化を先ず第一に規定している。
なるほどそれはそれで良いことなのだが、それをするためには特
別なアダプター、つまりデジタルテレビの信号を変えるレコーダー
が必要になる。
現在そうしたレコーダーは80ドルから200ドルと、そう安くは無く。
全てのロシア人にとって直ぐに手が出るものではない。

ロシア議下院会国家会議の(?)議員は、このことに目を向け、世界
で国民に対し、そうしたアダプターへの支払いを求めた国は無いと
指摘している。
ロシアのIT問題の分析専門家は、デジタルテレビの導入までにレ
コーダーの価格は本質的に下がるだろうと予測している。
「デジタルへの移行は段階的に行われるし、デジタルが直ぐにアナ
ログに完全に取って代わることはないと思われる。
ですからそれが可能な人々が先ずレコーダーを購入し、新しいサー
ビスを受けることになるだろう。
そしてそうした装置の生産が拡大するに従って、その主のサービス
は極めて多くの人々にとって、手ごろな値段のものになっていくだ
ろう」
専門家はこのように指摘している。

ロシアにおけるデジタル化には国の予算として、760億ルーブル以
上掛かると見られている。
ロシア通信省はデジタル化の最終的な目的は、個人のレベルでもま
た地域のレベルでも、情報格差を無くし平等にすることだと強調して
いる。

ここで再びIT問題の専門家は、次の様な意見を述べている。
「ロシア政府は以前に比べ国民に対し関心を持ち、配慮するようにな
り、より質的に高いサービスを提供したいと望んでいる。
恐らくデジタルに移行することで人々は国の機関も含め、家にある機
器を通じて様々な機関と積極的に協力し合えるようになるだろう。
家に居ながらにしてインターネットを通じ、何か注文したり出来るし国
民投票や各種世論調査、投票にさへ参加出来るのだ。
デジタル化と言う国の決定は、言うまでも無くロシアのイメージにプラ
スに作用しており、ロシアを世界のレベルに押し上げ国際的なデジタ
ル市場のプレーヤーにしている」
専門家はこの様に強調している。

国際的な合意に従ってロシアばかりでなく、あらゆる先進国が2015年
までに、いわゆるデジタル化を完了しなければならない。
専門家達は2015年までにアナログテレビは、お互い電波障害を起こさ
ないように国境から半径500キロ内では使用禁止になるだろうと見てい
る。

※(?)は聴き取れず

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2009年12月7日放送　ロシアの声・ラジオジャーナル