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中国の抱えるアメリカ国債は大きな武器

2012-09-29 | ラジオ
ロシアの金融アナリストたちは、中国が握るアメリカの国債は中国にとって、大きな武器になると考えている。
その根拠となったのは、アメリカ国防総省の出した調査書だった。アメリカは中国の保有するアメリカの国債が、自国の国家安全保障を脅かすことになるか、と大きな危惧を抱えている。

この報告はアメリカの議会の指示で作成されたものだ。中国は1兆2000億ドルものアメリカの国債を購入した。この額は日本、イギリス、韓国をはるかに凌ぐものだ。
しかもここ7ヶ月中国は、ドルの値が市場で大きく上下しているにも関わらず国債の購入額を拡大している。
このことが政治ないし軍事危機に備え、ある種の優位性を得るために、中国はこの国債を一気に売却するという、暴力的手段に訴えるのではないかというアメリカの疑惑を呼んだ。
国防総省は議会をなだめた。アメリカの専門家たちは、中国が金融の武器を使うという実質的な脅威はないとの見方を示している。この武器を用いれば中国は軍事、外交、経済分野でアメリカを抑制することにならないというのが、その根拠だ。

ロシアの企業メトローポリの主任アナリスト、ベルパロフ氏は、この帰結は当然だとの見方を示し、この状況は中国に有利に働いているものの、現在のところは必要なツールとしては使われていないとして、次のように語っている。
「中国はアメリカとの協力のお陰で技術をもらい、自国の雇用問題を解決している。余剰の金でアメリカの国債を買っている訳だ。
これが輸出国としての中国の金融武器だ。金融界はまさに、こうした資金分配のスキームが、先ず商品とサービスを輸出する国にとって、利益となるように出来ている」
主任アナリストは、このように発言している。

アメリカが中国の債務国になるのではないかという危機感を持つことは、中国が連邦準備制度に続いて、2番目に多くアメリカの国債を抱えていることから十分理解できる。

しかしながら金融アナリストのニコラエフ氏は、その中国もすでにアメリカへの依存度を、かなり強めてしまっているとして次のように語っている。
「中国としてはアメリカの国債を売ってしまいたいところだろうが、そうした場合、そのお金をどこに預けるかという問題が生じる。
預金できる分野は多く存在するかのように思う。資源の株式を買うこともできるはずだ。実際中国は世界中で、そうした株式を買いあさっている。
ところが中国はこの買い物に投資できる十分な資金を国内に抱えている。これは世界経済の一つのモデルで、お金が自分の行く先を探しているにも関わらず、適当な先が見つからないというケースに当たる。
この場合、お金が預け先を持っているのであれば、つまりこのケースではアメリカの国家債務になるが、預け先にあるほうが害が少ないのだ。
そのほか中国にとっては、戦略的にはアメリカとの間に経済困難を作らないほうがいいのだ。
アメリカは中国の商品にとっては巨大な市場だ。アメリカのこうした大きな需要を抜きにしては中国は倒れてしまう。であればなぜ、自らこうした需要を縮め、経済困難を深める必要があるだろうか」
金融アナリストは、このように述べている。

ニコラエフ氏はこう語る一方で、アメリカが債務を強制手段として使えば、これはアメリカよりも中国に大きな害をもたらすとするアメリカ国防総省の帰結には同意していない。
経済の視点から見ると、負けの分配は双方に同等にある。ところが外交官の手にかかると、この金融武器はずっと危険なものに見える。というのも米中の軍事的、政治的矛盾が高まることを背景に、妥協的解決を図ることが出来るかは非常に必要となっているからだ。この妥協を両国が見出すことができるかどうかは、時が示してくれる。

日本人が知らない日本経済の大問題
クリエーター情報なし
三笠書房

9月14日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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