フィリピンを訪問中の日本の小野寺防衛相は、フィリピンのガズミン国防相と会談し離島の防衛に関する協力について合意した。小野寺防衛相が27日(6月)、マニラで開かれた記者会見で伝えた。
これは中国が領有権を主張しているスプラトリー諸島・南沙諸島と、尖閣諸島・ジャオユイダオを指しているのは明らかだ。小野寺国防相は、フィリピンと中国が領有権を争うスプラトリー諸島・南沙諸島の領海、および海洋資源の保護においてフィリンピンを支持する意向を表した。
小野寺国防相は、日本も東シナ海で同じような状況に直面しているため、南シナ海の南沙諸島を巡る問題に無関心ではいられないとの立場を示した。
日本は、中国が南沙諸島を巡る対立で成果をあげた場合、尖閣諸島の領有権争いでも、中国がさらに積極的になる恐れがあるとして深刻な懸念を抱いているようだ。
モスクワ国際関係大学のストレリツォフ教授は、VORからのインタビューに対し、小野寺防衛相は、中国との対立回避を目指す意向を表したものの、防衛相のフィリピンでの行動や、日本の自衛隊、また政治家たちの最近数ヶ月の行動を見る限り、日本は領有権問題によって中国との対立を先鋭化させる心構えがあるように思われるとの見解を示し、次のように語っている。
「小野寺防衛相のフィリピン訪問は、日本が同盟国だと考えている東南アジア諸国と日本の連帯を証明している。
この方針は、ずいぶん前からとられている。これは安倍首相の就任ではなく、東アジアの地政学的現実と関連している。中国は台頭し、地域のリーダー役を主張し、アメリカへ脅威を与えるための長期的戦略を持っている。
隣国は中国のこの政策に大きな懸念を抱いている。日本について述べるならば、日本は2010年、 非常に大きな牽制を受けた。中国の漁船が日本の海上保安庁の巡視船に衝突したのだ。この事件は日本人の意識に変化を起こした。日本人は中国と現実的に軍事対立を行い、中国が敵になる可能性があることを理解した。これは以前にも公式文書の中で理論的に認められていたが、国民は、このような状況が実際に起こるとは考えていなかった。
しかし2010年、国民意識は本質的に変化した。そして例え日本が中国との全面戦争に向けて準備を開始しなくても、日本人は地域紛争が起こる危険性を非常に強く感じている」
教授の発言だ。
なおストレリツォフ氏は、日本は2010年の漁船衝突事件を受け、その対抗措置としてアメリカとの防衛協力を強化し、防衛政策に関する新たな原則を準備したと(???)している。その一部はすでに、多くの専門家たちが、中国が念頭に置かれていると指摘する機動的防衛政策となった。
将来的に幅広い対中同盟が形成される可能性もある。それは軍事同盟ではないかもしれないが、ある種のパートナー関係を基盤に形成されるだろう。日本と韓国の間には歴史問題や竹島・トクトの領有権を巡る深刻な対立が存在している。しかしアメリカ、日本、韓国の3カ国は、これら3カ国による防衛同盟の創設を試みながら、そのようなパートナー関係を構築しようとしているように思われる。
安倍首相や、その閣僚は東南アジア諸国を訪問し、法の支配と航行の自由などが盛り込まれた、対ASEAN外交5原則が発表された。
これは中国への牽制となった。しかしストレリツォフ氏によると、東南アジア諸国を対中同盟へ引き込もうとする安倍首相の粘り強い試みは、冷ややかに迎えられたということだ。
ストレリツォフ氏は、問題は各国が中国を扇動することを望まないだけではなく、アジアには20世紀前半の日本の侵略に関する記憶が生きていることにあると指摘し、次のように語っている。
「安倍首相は中国との対立を望まない東アジアおよび、東南アジアの多くの国々の懸念を呼ぶ恐れがある。そのため日本は、再軍備を目指しているのではなく、国際機関や国際法を基盤にした、外交政策の構築を目標にしていると証明する必要がある。日本は地域で新たな対立を呼びかける国としてみられることを懸念している」
教授の話だ。
ストレリツォフ氏は、恐らく安倍首相は、中国との地域紛争が実際に勃発する可能性があることを理解していると指摘し、安倍首相は、対立を緩和するための対策を講じる必要があるとの考えを示している。
※(???)は若い女性アナウンサーの声が出ていないため聴き取れず
6月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
これは中国が領有権を主張しているスプラトリー諸島・南沙諸島と、尖閣諸島・ジャオユイダオを指しているのは明らかだ。小野寺国防相は、フィリピンと中国が領有権を争うスプラトリー諸島・南沙諸島の領海、および海洋資源の保護においてフィリンピンを支持する意向を表した。
小野寺国防相は、日本も東シナ海で同じような状況に直面しているため、南シナ海の南沙諸島を巡る問題に無関心ではいられないとの立場を示した。
日本は、中国が南沙諸島を巡る対立で成果をあげた場合、尖閣諸島の領有権争いでも、中国がさらに積極的になる恐れがあるとして深刻な懸念を抱いているようだ。
モスクワ国際関係大学のストレリツォフ教授は、VORからのインタビューに対し、小野寺防衛相は、中国との対立回避を目指す意向を表したものの、防衛相のフィリピンでの行動や、日本の自衛隊、また政治家たちの最近数ヶ月の行動を見る限り、日本は領有権問題によって中国との対立を先鋭化させる心構えがあるように思われるとの見解を示し、次のように語っている。
「小野寺防衛相のフィリピン訪問は、日本が同盟国だと考えている東南アジア諸国と日本の連帯を証明している。
この方針は、ずいぶん前からとられている。これは安倍首相の就任ではなく、東アジアの地政学的現実と関連している。中国は台頭し、地域のリーダー役を主張し、アメリカへ脅威を与えるための長期的戦略を持っている。
隣国は中国のこの政策に大きな懸念を抱いている。日本について述べるならば、日本は2010年、 非常に大きな牽制を受けた。中国の漁船が日本の海上保安庁の巡視船に衝突したのだ。この事件は日本人の意識に変化を起こした。日本人は中国と現実的に軍事対立を行い、中国が敵になる可能性があることを理解した。これは以前にも公式文書の中で理論的に認められていたが、国民は、このような状況が実際に起こるとは考えていなかった。
しかし2010年、国民意識は本質的に変化した。そして例え日本が中国との全面戦争に向けて準備を開始しなくても、日本人は地域紛争が起こる危険性を非常に強く感じている」
教授の発言だ。
なおストレリツォフ氏は、日本は2010年の漁船衝突事件を受け、その対抗措置としてアメリカとの防衛協力を強化し、防衛政策に関する新たな原則を準備したと(???)している。その一部はすでに、多くの専門家たちが、中国が念頭に置かれていると指摘する機動的防衛政策となった。
将来的に幅広い対中同盟が形成される可能性もある。それは軍事同盟ではないかもしれないが、ある種のパートナー関係を基盤に形成されるだろう。日本と韓国の間には歴史問題や竹島・トクトの領有権を巡る深刻な対立が存在している。しかしアメリカ、日本、韓国の3カ国は、これら3カ国による防衛同盟の創設を試みながら、そのようなパートナー関係を構築しようとしているように思われる。
安倍首相や、その閣僚は東南アジア諸国を訪問し、法の支配と航行の自由などが盛り込まれた、対ASEAN外交5原則が発表された。
これは中国への牽制となった。しかしストレリツォフ氏によると、東南アジア諸国を対中同盟へ引き込もうとする安倍首相の粘り強い試みは、冷ややかに迎えられたということだ。
ストレリツォフ氏は、問題は各国が中国を扇動することを望まないだけではなく、アジアには20世紀前半の日本の侵略に関する記憶が生きていることにあると指摘し、次のように語っている。
「安倍首相は中国との対立を望まない東アジアおよび、東南アジアの多くの国々の懸念を呼ぶ恐れがある。そのため日本は、再軍備を目指しているのではなく、国際機関や国際法を基盤にした、外交政策の構築を目標にしていると証明する必要がある。日本は地域で新たな対立を呼びかける国としてみられることを懸念している」
教授の話だ。
ストレリツォフ氏は、恐らく安倍首相は、中国との地域紛争が実際に勃発する可能性があることを理解していると指摘し、安倍首相は、対立を緩和するための対策を講じる必要があるとの考えを示している。
※(???)は若い女性アナウンサーの声が出ていないため聴き取れず
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6月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル