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ロシアとの対立路線を続けるアメリカ

2007-12-24 | ラジオ
アメリカでは未だ、ロシアとの対立問題が議論の対象として残っている。
ロシアのユーリー・バルエフスキー参謀総長は、12月17日にモスクワで外務省
次官との共同記者会見に臨みこのように語った。
これに関連してロシアの声の政治評論委員は、次のようにコメントしている。
バルエフスキー参謀総長のこの発言は、戦略安定問題をめぐる露米両国の外
務省、国防省の代表により最近実施された協議に基づいてなされたものだ。
この協議はラブロフ外相とバルエフスキー参謀総長が出席してワシントンで実施
されていた。
外務次官は高官レベルの作業部会に出席しており、最近ではブタペストでそうし
た作業部会が実施された。

これら露米両国の話し合いの中ではミサイル防衛や、欧州通常戦力、CSE条約、
戦略攻撃兵器の削減問題に関する、ロシアの懸念と論拠に対し、アメリカ側が真
剣に対応していないことが浮き彫りになった。
アメリカのゲイツ国防長官は新聞・ワシントン・ポストに掲載されたインタビューの
中で、アメリカはロシアを自らの国家安全保障の脅威とは見なしてはおらず、ロシ
アとは世界的に対立することは目指してはいないと述べている。
しかしアメリカの真意は、他のところにあるようだ。
バルエフスキー参謀総長の述べる論拠は、ゲイツ長官の発言よりも、ずっと重み
を持っている。
先ずはポーランドとチェコでの、ミサイル防衛配備に関するアメリカの計画から検
討してみよう。
この問題に関して、最近アメリカが打ち出した文書の形の提案では、10月にモスク
ワで実施された国防担当閣議による会合で、ロシアに対して約束された、3つの重
要な要素が考慮されていない。
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しかもバルエフスキー参謀総長の元には、アメリカの新たなミサイル防衛基地が、
ロシアの南部国境や極東国境にも配置される可能性があるとのデータがある。
CSE条約に付いて言えば、アメリカとNATOはロシアに政治的圧力をかけるために、
この条約を利用しており、ロシアと国境を接するバルト3国や、その他のNATO加盟
国での軍事力を増強している。
アメリカはブルガリアとルーマニアでも、新たな基地を設置する計画を建てている。
ロシアと異なりNATO加盟国の一つとして、CSE条約を批准していない。

政治や軍事問題に疎い人でさへ、アメリカのこうした計画や行動が、少なくともこれ
ほど重要な分野における、パートナーシップの精神に応えるものではないことが解
るだろう。
アメリカはまた1972年に結ばれた弾道弾迎撃ミサイル制限条約からも、一方的に脱
退した。
さらにアメリカは戦略攻撃兵器削減プロセスを、継続することにも特に関心を示して
いない。しかし2009年に第一次戦略削減条約の期限が切れる以上、このプロセスを
継続することは必要不可欠だ。
まさにこの条約の中に戦略兵器削減を管理し、チェックする措置が規定されている。
こうした状況からアメリカでは、尚も冷戦時代のブロック対立の思想が残っており、ロ
シアに対し一方的な軍事的優位性を確保しようとする考えが残っていると、根拠を持
って指摘することが出来るだろう。

米中冷戦の始まりを知らない日本人

日高 義樹
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12月18日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル





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