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近視眼者の遠距離攻撃力

2012-10-25 | ラジオ
韓国はもはや2001年にアメリカと結んだ合意の一部を守る意向がない、との宣言がなされた。
合意では韓国は射程距離300km、弾頭重量500kgを越えるミサイルを建造しないこととされていた。現在、射程距離800km、弾頭重量1000kgの弾道ミサイルの建造を開始することが公式に発表されている。

形式的には何らの規約違反でもない。制限はもともと韓国側が自発的に設けたものであったし、今回の建造開始についても、前もって宣言がなされていた。つまり韓国は国際法の観点からは妥当に振舞ったと言える。
しかしながら全ての合法的な行為が同時に合理的でもあるとは到底言えない。2001年の米韓合意を一部破棄することは、韓国にとってまったく思わしくない結果を招来しかねない。

新型遠距離ミサイルにより韓国の作戦半径は増大し、国境を接する中国、日本、ロシアの相当部分が、その射程範囲に含まれる。韓国側はミサイルはあくまで、他の近隣諸国ではなく、北朝鮮に向けられたものであると力説している。
しかしこうした説得に納得しないことが軍事の世界の常識だ。軍事関係者は政治的な声明のたぐいはあまり信用しない。あくまで現実的に、ある特定の軍事システムが持つポテンシャルを見るのだ。
他ならぬ、この観点から既に数年来、韓国は不断の監視対象であり、かつ、あまり信用ならない隣国だ。

韓国の公式筋は、弾道ミサイル開発の決定は北朝鮮の挑発行為に対する、必要不可欠な対抗措置であるとしている。しかし疑念は尽きない。抑止のためには既に数十発配備されている、従来型のミサイルで十分ではないのか。南北朝鮮間の衝突は、例え発生したとしてもローカルな性格のものに留まる。
2010年9月のヨンピョン島砲撃事件のような、最も極端な場合には、両国の軍隊の砲弾の応酬も在り得る。しかし北朝鮮からの数十発の砲撃に対し弾道ミサイルをもって報復することは、一口によって(?)理に叶っていない。

必要の際、有事の際、果たして本当に弾道ミサイルの攻撃によって、北朝鮮の核開発プログラムの中心的な研究施設を攻撃できるのか、ということも大いに疑問だ。もちろん技術的には、研究施設製造工場を狙った攻撃は可能だろう。しかしそうした攻撃の効果のほどは全く疑わしいものがある。
専門家たちによると北朝鮮の核開発プログラムは、そもそもの初めから、そうした攻撃によるダメージが最小限で済むように設計されている、
核燃料の全てが地下格納庫に秘蔵されており、こちらも核弾頭を用いるのでもない限り、打撃を加えることは困難だ。というわけで、北朝鮮の核施設への攻撃は、目算どおりに命中したとしてさへ、象徴的な意味しか持たないことになる。
結局、2001年の韓米、米韓合意からの逸脱は、北の隣人に対する韓国の抑止力には資さない、ということが言える。

新人男性アナウンサーの言う「一口によって理に叶っていない」という表現は今まで聴いたこともない

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10月11日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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