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KGBの亡霊におびえるソチ・オリンピックゲスト

2013-10-23 | ラジオ
ソチ・オリンピックを訪れる世界各国のスポーツ代表団、またサポーターたちを守るため、現地では高度警戒態勢が取られる。
西側のメディア報道によると、ロシアの特務機関は選手団をはじめとする客人たちに、包括的な追跡を仕掛けるということだ。五輪開幕の日がいよいよ迫るなか、政治的なコンテクストをもつ情報工作戦争が始まっている観がある、と識者たちは語っている。

一部のメディアはソチ・オリンピックを訪れる予定の人々に対し、自らのプライバシーを守るためにノートパソコンやタブレット型端末、スマートフォンなどは持ち込まないように、との勧告さえ出している。それも地方の三文紙ではなく、The GuardianやThe Telegraphのような大メディアさえ危惧を表明しているのが現状だ。
彼ら次のようなピクチャーを描いている。
ロシア内務省や連邦保安庁・FSBは無人探偵機を飛ばして、上空からソチ・オリンピック会場を徹底的に追跡する。ロシア国内の通信会社各社はFSBおよび警察にマスターキーを与え、盗聴、閲読などの追跡行為に便宜を与える。
むろん、五輪開催中ソチ全域を覆うことになる無料WiFiを通じても、情報が特務機関に流れ込む。こうした形で、その間ソチで交わされるあらゆる私的通信、会話、やりとりが、ロシアの諜報機関および警察による包括的な監視のもとに置かれる。
ですが識者たちは、メディアの扇動的な行為に騙されてはならない、と警告を発している。第一にサイバー安全保障という観点から状況を評価するならば、当局の措置は十分妥当均衡的であるといえる。

そのように語るのはIT専門家のチムール・ニグマトゥリン氏だ。特務機関にはたしかに、通信を傍受しソーシャルメディア上のやりとり、またEメールを分析する技術的な基盤を有している。
ですが、とニグマトゥリン氏は語るのだ。こうした情報収集は、テロ行為を未然に摘発するには最良の方法なのだから仕方がないのだ。

ニグマトゥリン氏は、このように語った上で次のように続ける。
「そうは言っても技術的には可能であっても、相当な数の専門家が必要であるということは押さえておかねばならない。
ことごとくの電子通信、私的会話を追跡する。そのようなことがなされるとは、私には思われない。何らかの疑わしき兆候を有する、一部の人々にのみ対象を限定して監視が行われるのに違いない」
専門家は、このように語っている。

西側メディアがソチにおける、包括的通信傍受について赤色警報を発していることは、とりもなおさず、アメリカによる地球規模のスパイ行為を暴露した、元NSA職員エドワード・スノーデン氏の一件の雪辱の試みに他ならない。
そのように語る専門家もいる。情報安全保障局指導部連盟の一員アレクサンドル・トカレンコ氏によると、ソチ・オリンピックに向けて、ロシアの諜報機関が何か特別な準備をしているなどという事実はないと語っている。
トカレンコ氏は安全保障の分野において、ロシアのFSBよりも、はるかに侵害的な体制をアメリカは自国内に敷いている、と指摘している。
アメリカのスポーツマンやスポーツファンが、もしもメディアの勧告に従って、電子機器をロシアに持ち込むことを控えたとしても、結局自分のふるさとで、NSAによる通信傍受に遭うことには変わりがないとトカレンコ氏は語っている。

すべては傍受されている―米国国家安全保障局の正体
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10月9日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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