最初の一冊~松村比呂美

自著の宣伝のために始めたブログですが、今では、風景や食べ物の写真が主になっています。

九州さが大衆文学賞

2005-03-23 | 小説
光沢のある青いスーツと黒いサングラス。オーラを放ちながら会場に
入って来られたのは、選考委員長の笹沢左保氏。
そのダンディさは、まるで映画スターのようでした。

「九州さが大衆文学賞」の授賞式は、佐賀市内のホテルで行われました。
大賞受賞者が、正賞の有田焼の壷を受け取る中、佳作の私は、銅版の
盾をいただきました。人間国宝作の壷はもちろんすばらしかったけど、
盾も、ずしりと重くて、素敵なデザイン。
立食パーティのあと、ホテルのバーで、「笹沢佐保スペシャル」と
名づけられた特別のカクテルをご馳走になりました。なあんて書くと
笹沢先生とふたりでバーに行ったみたいですが、もちろん、受賞者
全員参加です。
私は、残念ながらアルコールが体質に合わないのですが、さすがに
「笹沢佐保スペシャル」は、全部いただきましたよ。
口当たりのいいカクテルの味は忘れられません。でも、笹沢先生が
お亡くなりになったので、もう2度といただくことはないのですね……。

酔った勢いで、笹沢先生にいくつか質問しました。
当時(というか、ほんの少し前まで)は、せっせと書いては応募する、
というのを繰り返していましたので、少しでもヒントをいただけたら、
と思って……。
応募をしている人以外は、興味のない話だと思いますので、
読み飛ばしてください。

私は、応募するとき、下限ぎりぎりの枚数で出すことが多かったので、
かなりそのことを気にしていました。(50枚~100枚のときは50枚で応募など)
それで、「やはり、下限ぎりぎりの枚数での応募は不利でしょうか。規定
いっぱいに書いたほうがいいでしょうか」と質問したのです。
笹沢先生は、
「君は、おかしなことを心配するんだなあ。枚数で、有利不利はないよ。
考えなければならないのは、この枚数で書くべき内容かどうか、だ。
枚数を増やすためだけに水割りみたいになった作品は読みたくないからね」
とクールに答えられました。私は、その間もオーラを浴び続け……。
ということで、それ以後、枚数に関しては、この作品はこの枚数で
本当にいいのかどうか、だけを考えるようになりました。

余談ですが、宿泊したホテルの部屋に、翌朝、佐賀新聞が差し
込まれていましたが、一面の半分に、授賞式のカラー写真が
掲載されていてびっくり。
旅費も宿泊費も主催者持ちで、家族も招待され、楽しい思いを
させてもらった授賞式でした。選考委員の先生方も、笹沢先生、
森村誠一氏、夏樹静子氏、と超豪華。
でも、これは、あくまでも、私が受賞したウン年前の話です。
笹沢先生がお亡くなりになってから、変更もあるようですので、
応募される方は、ご自分で確認してくださいね。

写真は正賞の盾です。しまってあったのを引っ張り出して撮影しました。
ついでに、ちょっとだけ室内の雰囲気も……。



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