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イングランド王ヘンリー6世妃 マーガレット

2008-10-22 08:01:47 | イングランド王妃・王女
“女王”であった王妃
ヘンリー6世妃 マーガレット・オブ・アンジュー


1429~1482/在位 1444~1461、1470~1471

生後9ヶ月で王になったヘンリー6世は、不幸にも母方の祖父である
フランス王シャルル6世の血を受け継いでしまい、精神異常の傾向がありました。
軍事的、政治的に全く無能だったことから、主導権争いがおこり、薔薇戦争へと
イングランド内乱の時代を招きます。

そんな王を助けたというよりは、主導権を奪い取ったという女傑、王妃マーガレットは
フランス王シャルル7世妃マリー・ダンジューの姪にあたります。

      

フランスとの戦争に次々と敗れ、領土の大半を失いつつあったイングランドは
休戦に持ち込むためヘンリー6世とフランス王女の結婚を申し入れます。
しかしシャルル7世はこれを断り、マーガレットとの結婚を休戦の条件にします。

なぜかしら?
すでにヘンリー6世の狂気や無能ぶりが伝わっていたんですかね?
それともマーガレットに手を焼いていたんでしょうか?

マーガレットは15歳で輿入れすると、信頼する和平派サフォーク公の意を受けて夫を説き
主戦派グロースター公を逮捕、処刑し、ヨーク公(後のエドワード4世の父)を
追放処分にします。
この後マーガレットとヨーク公の衝突は続きますが
1455年、議席を剥奪されるに及んでヨーク公が蹶起します。

本来ヨーク公の権利が戻って落ち着くはずだった戦いは
マーガレットの、ヨーク公を叩きのめしたいという欲望から泥沼化します。

結局、1971年まで続いたランカスター VS ヨークの戦いの中でヘンリー6世は廃位され
一度は奪回したものの最後はヨーク家に敗れます。
その間、王であるヘンリー6世はどうしていたかというと、捕えられ、逃げ出し、発狂し、
とまるきり役立たずで 、マーガレットが兵を集めたりヘンリーの救出を指揮したりと
東奔西走していました。

マーガレットはヘンリー6世を愛していたのではないと思います。
たぶん、息子エドワードを王にしたいために戦っていたのでしょう。
しかし皇太子エドワードは殺され、ヘンリー6世は獄中で死亡し
ランカスター家の王位は3代で終わりを告げます。

マーガレットは、5年の牢獄生活の後フランスに帰されますが
フランス王ルイ11世は彼女を手厚く庇護しようとはしなかったらしく
7年後貧困の中で亡くなります。

本来は平和の使者であったマーガレットが、国内に戦乱をひき起こしたことになりますが
政治的に浅はかではあっても、責任感がと意志は強い
背負った使命を全うする人だったんじゃないでしょうか?
男だったら良かったかも

イングランドでの彼女の評価は散々ですが、王に変わって政争に巻き込まれ、
矢面にたたされてしまった不幸な王妃だと、私は思います。

(参考文献 森譲氏『英国王室史話』『英国王妃物語』
      石井美樹子氏 『イギリス・ルネサンスの女たち』)

これさえあれば、あなたも英国王室通
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