まりっぺのお気楽読書

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『無実はさいなむ』“ 作られた家庭 ” の悲劇

2009-11-22 00:13:16 | アガサ・クリスティ
ORDEAL BY INNOCENCE 
1958年 アガサ・クリスティ

キャルガリは2年ぶりに帰国した地質学者で
出発前のある日、ひとりの男性を車に乗せたことを思い出して家族に告げに行きます。
なぜならその男性は殺人犯になっていて、キャルガリは彼のアリバイを証明できる
唯一の人物だったからです。

彼にしてみれば良かれと思ってやったことで
感謝されこそすれ疎まれるとは思っていなかったのに… という物語です。

殺人犯になったジャッコは獄中で死亡していました。
殺されたのはジャッコの母レイチェルで、殺人現場は彼女の自室でした。
外部の犯人の可能性は皆無で、夫リオ・アージル、兄弟姉妹たち
家政婦のカースティンが、疑いの目を向けられていました。

家族は皆、もともと悪人だったジャッコが犯人で一段落、という思いだったのです。

アージル家にはジャッコを含め5人の兄弟姉妹がいるのですが、実は皆養子です。
夫に一途なメアリ、自分を捨てた母を慕うマイケル、夢と恋に破れたへスター
とらえどころのないティナ… みな一癖あります。

レイチェルは慈善精神に富んだ女性で可哀想な子供たちを次々引き取っていたのですが
子供たちはやはり生まれ育った家が恋しく、強引な養母を恨んでいた子供もいます。
パワフルな妻に押されていたリオは、近々秘書のグゥエンダと結婚する予定です。
恋に破れたへスターだってドナルドという医者と婚約できました。

再び残った家族たちに疑いがかかるのは迷惑この上ないことですね。
案の定誰もが怪しいんだしねぇ…

この物語、シリーズの名探偵たちは登場しません。
3人の人物が事件の真相を解こうとします。

まずはキャルガリ、彼は自分のせいでジャッコを有罪にしてしまったという
後悔の念から事件の真相を探ろうとします。

それからフィル・デュラント、彼は養女メアリーの夫ですが、体が不自由で
悶々とした思いを真犯人を探ることで発散させようとかぎ回ります。

そしてヒュイッシ、彼は事件にあたった優秀な捜査官です。
面目をかけて真犯人を探し出そうと再捜査にあたります。

かように三方向から捜査をしているものだから、読んでいてちょっとややこしいのよね
果たして誰の捜査が的をえているんでしょうか?

そんなことをしているうちにフィルが殺されちゃうので
たぶんフィルが一番真実に近づいていたのでしょう。
そして、あることに気がついたティナまで刺されてしまうし…

結末は… ビックリしますよ!
それはちょっとどうですか? という無理矢理な展開…でも、無いとは言えないかなぁ?
ある意味ハッピーなエンディングかもしれないのですけれどもね。
これ以上は言えませんな

無名の探偵たちが事件を解決!
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



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