まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

スコットランド王ウィリアム1世妃 アーマンガード

2009-01-10 21:08:42 | スコットランド王妃・王女
              マリー・ド・クーシーが生まれた城

これといってエピソードが無い・・
ウィリアム1世妃 アーマンガード・オブ・ボーモント


1170~1233/在位 1186~1214

夫のウィリアム1世は獅子王として有名なんですが、王妃のエピソードは
これと言ってないのです・・・

    

イングランド王ヘンリー1世の庶子コンスタンスが母親で
ヘンリー2世の義理の従妹というぐらいでしょうか・・・



母親に翻弄された
アレグザンダー2世妃 ジョアン・オブ・イングランド


1210~1238/在位 1221~1238

ジョアンは、母であるイザベル・オブ・アングレーム
イングランド王ジョンの再婚相手に選ばれたために婚約を破棄した代償として
母の婚約者だったヒュー・ル・ブルンと結婚することが決まっていました。
(ひどい話しだね
     
そのため小さな頃からヒューの館で育てられていたのですが、ジョン王が亡くなると
母のイザベルは、やっぱり自分がヒューと再婚することにします あーんぐり

そんなわけでイングランドに送り返されたジョアンには
アレグザンダー2世との結婚話がすぐに持ち上がり、11歳で23歳の若き王と結婚します。

アレグザンダ-2世は16歳で即位していましたが、賢王といわれ
ジョアンとの結婚も、ノーサンバランドの失地回復などの目論みがあったようです。

28歳の時に、病気で療養中のロンドンで死去しました。

当時の感覚から言えば、政略的な結婚はしかたがないと思いますが
母のイザベル、ひどくはないのかしら・・・
イングランドの時はロマンティックな再婚だと書いてしまいましたが
なんだか納得いかなくなったぞ!



前妻の兄を敵にまわす
アレグザンダー2世妃 マリー・ド・クーシー


1218~1285/在位 1239~1249

アレグザンダ-2世の二度目の妻マリーの父は強力な反イングランド派で
彼女との再婚は、最初の妻ジョアンの兄イングランド王ヘンリー3世を警戒させ
表立った争いはなかったものの、スコットランドとイングランドを敵対させます。

王の死後2年ほどして故郷に帰り、39歳の時に
フランスの執政官ジャン・ド・ブリエンヌと再婚しました。

(参考文献 森譲氏『スコットランド王室史話』 Wikipedia英語版)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ヘッベル短篇集』なぜか父の言葉が・・・

2009-01-10 01:15:34 | ドイツの作家

フリードリヒ・ヘッベル

ヘッベルという作家は知らなかったのですが
劇作家としては有名な方だそうですね?
たぶん、壮大な劇作の合間に身近な日常を書いたのではないかしら?
主人公は皆、これといって特徴のない普通の人びとです。
しかしそこは劇作家、ちょっと非日常的なひねりが加えられています。

気になった3篇を書き出してみます。

『山小屋の一夜/1837年』
道に迷った2人の学生が、泊めてもらった山小屋で味わう恐怖の一夜です。
人里離れたその小屋には、不気味な老婆と狡猾そうな猟師が暮らしていました。
彼らの不可解な言動に、学生たちは眠らずにいようとしましたが・・・

人は見かけで判断してはダメ! と言われますが
初対面の人ってやはり見た目が頼りですものねぇ?
しかし、実は猟師は、茶目っ気があるナイスガイだったりします。
この物語の教訓は「 口は災いのもと 」ということでしょうか。

『理髪師チッターライン/1839年』
異常なまでに溺愛するあまり、娘に一切の自由を与えずに暮らすチッターライン。
ある日、チッターライン父娘の家に若い職人が住み込むことになり
父のあらゆる防御策をよそに、愛し合うようになります。

若い二人は結婚するんですけど、めでたしめでたし、ではないんですよ。
こんなお父さん、今だったら絶対娘に相手にされないでしょうね。

『仕立て屋シュレーゲル/1837年』
世の中の全てを憎まずにはいられないシュレーゲルは
人の不幸を嘲笑い自分の身を哀れむために、毎日街をさまよいます。
シュレーゲルは常々、妻の美しい髪を売って2人で愉快な思いをしたいと考えますが
従順な妻もそれだけは承知しません。

読んでてイライラする話しなんですが、そういえばこういう人いるなぁ・・・と
思ったりもします。
もちろん、そういう方には近づかないようにしています。

若い頃、ハードロックが大好きで外国人と結婚したいと言う私に( バカだね
父が「 ドイツ人以外はダメ 」と言いました。
その理由は「 ドイツ人は日本人と同じぐらい真面目で几帳面だから 」でした。
でも私はブリティッシュ派だったんですけどね・・・

その説が正しいかどうかは不明ですが、この短篇集には浮わついたところがあまりなくて
なんとなく父の言葉を思い出してしまいました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『アシェンデン』スパイって地味なのね

2009-01-10 00:55:00 | イギリス・アイルランドの作家
ASHENDEN 
1928年 サマセット・モーム

モームが第一次世界大戦中、英国のスパイだったことは有名な話しですが
この物語が自分の経験を題材にして書いているのだとしたら
上層部にいたようでも、派手な活躍をしたようでもなさそうですね。
なんていうか・・・連絡係?

『アシェンデン』はスパイになった小説家の回想録みたいなもので
読み切りタイプの16のエピソードが収められています。
『007』的なアクションはもちろんありません。

好きだったエピソードを3つあげてみます。

『ミス・キング(Miss King)』
スパイの巣窟であるジュネーブ湖畔のホテルで見かけた
亡命エジプト貴族の令嬢に仕える、おぞましい装いの老英国婦人ミス・キング。
彼女は終始アシェンデンを無視しますが、ある夜死にそうになって彼を呼び出します。

ミス・キングを思うたびに、この先ひとりで生きていかなければならなくなったら
どうしましょう? と不安で恐ろしくなります。
手に職をつけておかなければっ!

『売国奴(The Traitor)』
ルツェルンのホテルで出会った英国人の男性ケイパーとドイツ人の妻。
アシェンデンは、明らかにドイツ側のスパイである彼らに近づきたいと考えますが
なぜか彼らの方からアシェンデンに接近してきます。

この奥さんも、平和な時であれば夫思いの良い奥様だと思うのです。
夫が去った後の彼女の姿が涙を誘います。

『シベリア鉄道(A Chance Acquaintance)』
ペトログラードへの任務に向かう11日間の列車の旅の道連れは
やりきれないほどおしゃべりで愛妻家のアメリカ人セールスマン、ハリントン氏でした。
目的地に到着した時、アシェンデンは二度と彼には会いたくないと思いますが
そうはいきませんでした。

この物語は14章にあたるのですが、15、16章でハリントン氏は大活躍します。
本当に好人物で人情派なんです。 
そして悲しい結末が・・・

最後の3章は、ドラマティックになりすぎたきらいがありますが
アシェンデンは全篇通して、一流の傍観者の本領を発揮しています。

死ぬも生きるも国次第、上層部のしぐさひとつで運命が決まるスパイたち、
作戦の内容など知らされずコマ同然に扱われるスパイたち。

ヒーローでもヒロインでもない、名もなき勇者たちを
間近で見ていたモームだからこそ、描けた物語かもしれませんね。

アシェンデン 岩波書店


このアイテムの詳細を見る

こちらは岩波文庫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする