まりっぺのお気楽読書

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『ヘッベル短篇集』なぜか父の言葉が・・・

2009-01-10 01:15:34 | ドイツの作家

フリードリヒ・ヘッベル

ヘッベルという作家は知らなかったのですが
劇作家としては有名な方だそうですね?
たぶん、壮大な劇作の合間に身近な日常を書いたのではないかしら?
主人公は皆、これといって特徴のない普通の人びとです。
しかしそこは劇作家、ちょっと非日常的なひねりが加えられています。

気になった3篇を書き出してみます。

『山小屋の一夜/1837年』
道に迷った2人の学生が、泊めてもらった山小屋で味わう恐怖の一夜です。
人里離れたその小屋には、不気味な老婆と狡猾そうな猟師が暮らしていました。
彼らの不可解な言動に、学生たちは眠らずにいようとしましたが・・・

人は見かけで判断してはダメ! と言われますが
初対面の人ってやはり見た目が頼りですものねぇ?
しかし、実は猟師は、茶目っ気があるナイスガイだったりします。
この物語の教訓は「 口は災いのもと 」ということでしょうか。

『理髪師チッターライン/1839年』
異常なまでに溺愛するあまり、娘に一切の自由を与えずに暮らすチッターライン。
ある日、チッターライン父娘の家に若い職人が住み込むことになり
父のあらゆる防御策をよそに、愛し合うようになります。

若い二人は結婚するんですけど、めでたしめでたし、ではないんですよ。
こんなお父さん、今だったら絶対娘に相手にされないでしょうね。

『仕立て屋シュレーゲル/1837年』
世の中の全てを憎まずにはいられないシュレーゲルは
人の不幸を嘲笑い自分の身を哀れむために、毎日街をさまよいます。
シュレーゲルは常々、妻の美しい髪を売って2人で愉快な思いをしたいと考えますが
従順な妻もそれだけは承知しません。

読んでてイライラする話しなんですが、そういえばこういう人いるなぁ・・・と
思ったりもします。
もちろん、そういう方には近づかないようにしています。

若い頃、ハードロックが大好きで外国人と結婚したいと言う私に( バカだね
父が「 ドイツ人以外はダメ 」と言いました。
その理由は「 ドイツ人は日本人と同じぐらい真面目で几帳面だから 」でした。
でも私はブリティッシュ派だったんですけどね・・・

その説が正しいかどうかは不明ですが、この短篇集には浮わついたところがあまりなくて
なんとなく父の言葉を思い出してしまいました。

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