まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

スコットランド王ジェイムズ1世妃 ジョアン

2009-01-21 02:29:35 | スコットランド王妃・王女
からだをはって王を守ろうとした
ジェイムズ1世妃 ジョアン・ボーフォート


1404~1445/在位 1424~1437

ジェイムズ1世は、1406年に12歳で即位したものの
18年後の1424年までイングランドで囚われの身になったままでした。

とはいえ、なんだか不思議な関係のスコットランドとイングランドなわけで
ジェイムズ1世もかなり厚遇され、宮殿の催しや舞踏会などに参加して
囚われ生活をエンジョイしていたようです。

ジェイムズ1世は宮廷でジョアンを見初めて恋いこがれるようになりました。
なんとジョアンへの想いを『 王の献辞 』という詩にしたためています。
今で言うラブソングですかね こっぱずかしい~

ジョアンの祖父はエドワード3世の息子ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントで
イングランド王ヘンリー5世とは従妹にあたります。

      

相変わらずフランスと一進一退の戦いを続けていたイングランドは
スコットランドがフランス側につかぬよう
ジェイムズ1世をジョアンと結婚させて国に帰すことにしました。
かくして1424年、二人は結婚しスコットランドヘ向かいました。

ジェイムズ1世は、自分がいない間に好き放題やっていた貴族の一掃に乗り出します。
まず槍玉にあげられたのはオールバニー公ロバートから摂政を引き継いでいた息子で
ジェイムズ1世の従兄弟にあたるマードックでした。
マードックはジェイムズ1世の帰国交渉をイングランドと行っていた人物ですが
そんなこと知ったこっちゃない!とばかりに処刑します。

ジェイムズ1世は不正を許さず
公正で庶民の生活向上に努めた国民にとってはいい王様だった一方で
あまりにも強引な統治と貴族への厳しい処断などが不満を招き
1437年、とうとう叔父にあたるアサル伯らを中心とする不満貴族たちに
暗殺されてしまいます。

ジョアンはその時王と一緒にいて、刺客と王の間に立ちはだかり
王を守ろうとしたといいますが、王は目の前で殺され自らも怪我をおいます。
弱々しく思われる淑女たちですが、いざとなると勇ましいものですね

間もなくアサル伯らが捕えられると凄まじい拷問を与えたと言われていますが
どうなんでしょうね? こういう噂はけっこう中世時代には多いですけど。

             
            美人の誉れ高いジョアン・ボーフォートなんですが…

王の死から2年後、ジョアンはサー・ジェイムズ・ステュワートと再婚します。
名前こそ王と同じですが、彼は一介の騎士で、結婚はかなり身分違いでした。
“ ローンの黒騎士 ” と呼ばれてますから、英雄だったのかもしれません。

再婚から6年後の1437年に、幼い息子3人を残し亡くなりました。

(参考文献 森譲氏『スコットランド王室史話』 Wikipedia英語版)
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スコットランド王ロバート3世妃 アナベラ

2009-01-21 02:03:33 | スコットランド王妃・王女
放蕩息子に悩まされた
ロバート3世妃 アナベラ・ドゥラモンド


1650~1401/在位 1390~1401

ロバート2世の後を継いで王になったロバート3世は、父王の晩年には摂政をしていました。
しかし、母エリザベス・ミュアの結婚が正当でないとされる時期に生まれていたことと
摂政時代に重傷を負い身体が不自由になったことから、即位が危ぶまれたこともありました。

本名はジョンといいましたが、即位する際にロバートに改名しています。
そのため、度々摂政となって兄王を助けた弟のオールバニー公ロバートと
同名になってしまいました。

      

アナベラとは摂政時代の1367年に結婚しました。
彼女はデイヴィッド2世妃マーガレットの弟ジョンの娘にあたります。
ロバート(ジョン)は30歳、アナベラは16歳でした。
             
             ちょっとだけリアルなアナベラです

二男のデイヴィッドがどうしようもない不道徳者で(長男は早世)
いくら皇太子でも見過ごせなくなってきたことから
ロバート3世は弟のロバートに息子を預けることにします。
デイヴィッドはフォークランド城に軟禁されたのですが
アナベラはそのことがひびいたのか同年の10月に亡くなってしまいました。

翌年3月にデイヴィッドがフォークランドで変死します。
餓死という噂や毒殺説が流れましたが、結局は自然死で落ち着きました。

ロバート3世はというと、弟ロバートを疑いながらも強い態度に出れず
悶々とした日々を送りますが、三男ジェイムズを守らねば!と思い立ち
1406年にフランスへ留学させることにします。

ところがジェイムズも航海中病気になり、イングランドに上陸して
逮捕・監禁されてしましました。
ここでも弟ロバートがイングランドに密告したと疑われました。
ロバート3世はショックを受けたのか寝込んでしまい、3ヶ月後に亡くなります。

弟ロバートは不在の王に代わって、摂政として国を治めていくことになります。

(参考文献 森譲氏『スコットランド王室史話』 Wikipedia英語版)
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『太平洋 モーム短編集2』さらに、南の島で・・・

2009-01-21 01:12:50 | イギリス・アイルランドの作家
THE PACIFIC 
1921年 サマセット・モーム

『雨・赤毛』に続きモームです。
こちらも島が舞台です。

当時は南の島に行くというだけで一大事という時代ですから
こういうエキゾティックな土地を舞台にした物語は話題になったでしょう。
それでモームを大衆作家だという人もいますし
評価していない批評家もいらっしゃるみたいなんですが
そんなことは気にせず、私はモームを愛す!

プロローグ的な『太平洋』の他に3篇おさめられています。

『マッキントッシ』
植民地の若い役人マッキントッシは、野蛮で暴君のような行政官のやり方についていけず
行政官に恨みを抱いた現地人の犯罪を見て見ぬふりをします。
しかし、彼の死に祭し嘆き悲しむ島の人たちを目にして・・・

私もこの行政官が善人なのか悪人なのか、ちょっと判断に苦しむところです。
ただ上司だったらいやだろうな・・・とは思いますけど。
このマッキントッシは少しデリケートすぎるかもしれませんね。

『エドワード・バーナードの転落』
友人で、愛する女性の婚約者エドワード・バーナードをタヒチに訪れたベイトマンは
エドワードの変わり果てた姿に愕然とします。
あんなに都会的なエリートだったエドワードが、シャツ1枚で商店で働き
タヒチの女性を妻に持つ、アメリカでは札付きの男性とつるんでいたのです。
エドワードはベイトマンに「自由だ」と言います。

この後サンフランシスコに戻ったベイトマンは、婚約者だった女性と
「エドワードも落ちぶれちゃって・・・」と嘆く訳ですが
私もできることならエドワードみたいに生きたいと思いますけどね。
でもなかなかねぇ・・・

『淵』
美しい土地の娘と結婚したばっかりにはまり込んでしまった生活に苦悩する白人男性。
貧しい白人に対する妻やその親類の仕打ちに耐えられなくなった彼は
酒浸りになっていきます。
彼はとうとう英国に帰る決心をするのですが、結局帰ることはできませんでした。

愛に縛られる人生というのは、ある意味自虐的でドラマティックな気もしますが
相手の親や親類たちに縛られるのはカンベンですよね。
けれども、逆から見れば妻の落胆も大きかったのではないでしょうか?

舞台は風変わりでも、人の心はいずこも同じ。
愛もあり、落胆も焦燥も嫉妬も、なにも変わるところはありません。
ただ、南の島の、楽園とはほど遠いリアルライフに取り残された当時の英国人は
そこから逃れる術を徐々に失い、孤独のうちに悲壮な状態に陥ってしまったみたい。
モームはそういったところをこれらの物語の中で描きたかったのでしょうか?
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『雨・赤毛 モーム短編集1』遠い南の島で・・・

2009-01-21 01:12:12 | イギリス・アイルランドの作家
RAIN・RED 
1921年 サマセット・モーム

私がモームにはまるきっかけとなった1冊です。
『月と6ペンス』『女ごころ』『人間の絆』などなど
モームは長編でも後世に名を残す作品を書いているわけですけれども
私自身は、長めの短編、あるいは中編あたりに一番心惹かれています。

考え尽くされ、削ぎ落とされた文章の中に、素の人間の姿がギュッと凝縮されているようで
短いながらも読み応えがあるんですよね。

ドロドロしたテーマを扱っていながら、騒然や狂乱を感じさせず
じわじわと臓腑に浸透していくような悲哀とペーソスっていうんですかね?
上手く言えませんが、モームの短編にはそんな作品が多いような気がします。

『雨・赤毛』には特にそんな香りが漂っている気がします。
南洋の島を舞台にした3篇がおさめられています。

『雨(Rain)』
伝染病のおかげで、中継地の島に足止めされた医師夫妻と厳格な宣教師夫妻。
彼らと同じ宿屋に、あきらかに商売女と思われる女性が同宿します。
宣教師は静かに、しかし壮絶に彼女を追いつめ、ついに改心すると言わせます。
しかし、降り続く雨は宿屋に押し込められた人々の心をすこしづつ蝕んでいきます。

異国の人たちの慣習を変えさせ、伝統的な風習をやめさせ
罰を与えてまで神に祈らせることを誇る宣教師夫妻が、次第にハナについてきたところで
衝撃の結末が訪れるのですが・・・いくら善意からでたものでもあまりに熱意が過ぎると
人には苦痛を与えていくものかもしれませんね。

『赤毛(Red)』
小さな島に降り立った赤ら顔で肥満気味の船長は、島に住む白人から
何十年も前の、世にも美しい赤毛の脱走兵と美しいカナカ人少女の
悲しい愛の話しを聞かされます。
その白人は兵士に去られた少女を愛し妻にしていましたが
目の前の船長から「昔 “ レッド ”と呼ばれていた」と聞かされ愕然とします。

このあと、まったく体型も崩れてしまった妻が現れるんですけどね・・・
絵のように美しい恋人たちは、美しいうちに別れてしまった方が幸せなのかしら?
お互いが醜くなる様を見なくてはならなくても、ともに年を重ねる方が幸せかしら?

『ホノルル(Honolulu)』
アメリカ人青年がハワイで出会った陽気な船長から奇妙なエピソードを聞かされます。
船長の恋人の美しい少女に恋をしたコックが、船長に呪いをかけたというのです。
少女は船長を助けるために呪いを解くことができる月夜を待ちます。

当時のハワイのエキゾティックぶりが不思議でもあり
ハワイで背広を着ている白人や日本人の姿も想像すると笑えます。
おまじない的なものはまだ根強く残っていたようです。

新潮社では、同じ年に書かれている南洋ものを『モーム短編集2』にまとめています。
引き続きそちらをご紹介します。

雨・赤毛 新潮社


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表紙も変わらず嬉しいロングセラー、新潮文庫版
コメント (4)
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