まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『二人の女の物語』苦労のわりには(`ε´)

2008-08-31 23:53:36 | イギリス・アイルランドの作家
THE OLD WIVE'S TALE 
1908年 アーノルド・ベネット

モームだったと思うんだけど、“ファイブタウンズ” のことが書いてあって
ものすごく読みたくなってしまったわけです。

それですごく探したの。神保町にも行ったし、ブックオフ行脚もしたけど見つからず
ネットで見つけて結構高値で購入しました。
後日談 渋谷東急プラザの紀伊国屋に行ったら
   三巻揃ってたっていうじゃんか!! ちっくしょぅぅ)

田舎街の二人姉妹の生き様が描かれているという、私の大好物な物語でして
面白くない訳じゃないんだが、苦労して買った割には・・・って感じ。

ファイブタウンズの中心地バーズリーで
羽振りの良い一家に生まれたコンスタンスとソファイアの姉妹。

姉コンスタンスは店の使用人と結婚をして、変わりゆく街の中で家と店を守ります。
一方、ソファイアは駆け落ちをし、パリに出て男に失望して別れ
戦争が起こっても一人で力強く生きていきます。
“いつみても波瀾万丈” が作れるぐらいです。

何十年も経って、パリでホテルを成功させていたソファイアは
夫も亡くし息子も家を出て一人になったコンスタンスからの手紙に応えて
バーズリーへ帰ることを思い立ちパリを後にします。
その後はいたわり合ったり衝突したりしながら、姉妹で余生を送ります。

前半は二人とも若いので、恋あり冒険ありのストーリーですが
後半は老いてますんでね、病気とか、あそこが痛いここが痛いって話しが多くなります。
人って歳をとるものよねぇ・・・

二人の人生とともに、発展したり合併したりと変わりゆく町の様子も
物語の主要なテーマとなっています。
時の移り変わりって、嬉しい反面わびしいものです

しかしさ、ゾラの『ボヌール・デ・ダム百貨店』 はこの物語より20年前の話しですよ。
田舎とはいえ、あの劇的な変化に比べたら、なんてゆったりした時の流れなんでしょう?

嫌いじゃない。好きな話しです。
でも定価で買いたかったなぁ・・・っていう内容でした。
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『永遠の夫』そのココロは?

2008-08-31 23:16:40 | ロシアの作家
ВЕЧНЫЙ МУЖ 
1869年 フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー

地位と財産が無かったら、女性から相手にされないだろうなぁ、と思われる男性は
世界中に少なからず存在しますね

この物語の主人公の一人、トルソーツキーはそんな人です。
妻は社交界の花形で、機智に富んだ会話をし尊敬も集め、男性関係もちらほらあります。
トルソーツキーは、その女性の夫ということだけが人々の印象に残っている男性でした。

かたや、もう一方の主人公ヴェリチャーニノフは経験も豊富な
上流階級で人気と実績を積んできた男性。
彼はトルソーツキーの妻ナターリアと一時関係が有り
他の男性の登場で彼女のもとを去った過去があります。

物語は、ペテルブルグでトルソーツキーがヴェリチャーニノフを
つけまわすところから始まります。
ナターリアは既に亡くなっていました。

その後、ヴェリチャニーニフの娘と思われるリーザが登場したと思ったら
亡くなったり、トルソーツキーが名家の15歳の少女に求婚したりといろいろあるわけですが…

もう、トルソーツキーって人、すごくイライラしちゃう
持って回った言い方や、卑屈になったり開き直ったり、帰れって言うのに居座ったり
求婚した少女たちに思いっきりバカにされたりでいいところひとつもなし!!

ヴァエリチャ-ニノフは、嫌悪しながらも憎めないってぇことを言ってますが
私はごめんこうむるね

訳者(千種堅さん)がロシア語で “永遠” 以外に “万年” という意味がある、と
解説に書いておられましたが、ニュアンスとしてはそっちが近いみたい。
夫以外に役割が無い男性。 美しく人気者の妻の側にいるだけで満足なの。

でも、情けないけど旦那さんとしてはいいんじゃない?
お金はあるし、好きにさせてくれるし、浮気も黙認。
お互いが妥協づくの結婚なら、相手がこういう人の方が楽かもね
UNOんちみたいな感じでしょうか?

“ドストエフスキーでも読んでみようかしら?”と思って
最初に手にしたのが『永遠の夫』でした。理由は短かったから。
そしたら面白かったもんで、次に『白痴』を・・・ 失敗したわ。
そんなわけで他の作品に手が出せずにおります。

永遠の夫 新潮社


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『眺めのいい部屋』ゆく末が心配です(‐”‐ )

2008-08-31 00:55:47 | イギリス・アイルランドの作家
A ROOM WITH A VIEW 
1907年 エドワード・モーガン・フォスター

自分に正直に生きる男性は魅力的ですか?
確かに素敵かもしれません。
でも、一緒に暮らすのって大変かもね~

フィレンツェに出かけたルーシーは、眺めのいい部屋を巡って
同宿のエマースン親子と知り合います。
親子はそろって自分に正直に生きる男性でした。
そのため、世間からは厄介者と見なされ、阻害されがちです。

息子のジョージ・エマースンに好意を抱かれ困惑したルーシーは
ローマで落ち合ったセシル・ヴァイズと婚約しますが
英国に帰国後、近所にエマースン親子が越して来ます。

エマースン親子、今で言うK・Yです。
突然大声は出すわ、衝動的に行動するわ、一緒にいたら疲れちゃう。
もっとも、自分も奔放で無邪気だったらいいけど、その場合けんかが耐えないかもね

セシルって人は、いやな人っぽく書かれてるけど
一般的に考えれば、一緒にいて安心な人かもしれません。
もちろん、平凡な人よりも刺激的な人が好き、っていうならそれでいいんですけどね。

結果的にハッピーエンドで、ルーシーとジョージは結ばれるわけですが
のっけから家族に見放されてしまいます。
たぶん、もたないと思うなぁ。
情熱が冷めた時、幻滅がドバッとやってくるんじゃないかと推測しましたが
さてさてどうなることやら・・・

眺めのいい部屋 筑摩書房


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『愛の妖精』作者の伝記は無いのかな?

2008-08-31 00:15:45 | フランスの作家
LE PETITE FEDETTE 
1848年 ジョルジュ・サンド(オーロール・デュパン)

“田園小説三部作” の一作。
私はジョルジュ・サンドってこれしか読んでないので、これだけで判断しますが
物語よりは作者自身の生き方の方が面白そう

物語は、豪農バルボー家に生まれた双子の男の子の成長記です。

まったく同じように育てられたランドリーとシルヴィアンですが
弟のシルヴィアンは独立心旺盛な子に育ち
兄のランドリーは何事も弟と一緒でなければ気が済まない虚弱な子に育ちます。

自立したシルヴィアンが恋したのは、怪しい叔母に育てられている
貧しくて汚いファンジョンでした。
ランドリーは自分を置いていく弟に癇癪をおこします。

ファンジョンはシルヴィアンにふさわしい女になろうと街へ奉公に出て
美しくなって帰って来ます。

ファンジョン、変わり過ぎだってば
性格とか身なりはおいといて、顔まで綺麗になっちゃうなんて
今なら “夏休みを利用したお直し” って言われちゃうよ。
“韓国旅行に行ったら、ふたえになってる” みたいなね。

しかも、田舎育ちの純粋な少女かと思ってたら(途中で垣間見える場面もありますが)
最後の最後に計算高さをみせちゃったりして。

少しおとぎ話のような部分も取り入れ、“田園小説”っぽく仕上がっていますが
なんか “できすぎ” って感じ

彼女がミュッセやショパン、リストの愛人だったことは有名な話。
それ以外にも沢山の恋人を持っていたってことで、
そういうのを赤裸々にまとめてくれていたら結構な読み物になったかもね
コメント (2)
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