まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『テレーズ・ラカン』罪の代償とは?

2008-08-28 02:29:45 | フランスの作家
THERESE RAQUIN 
1867年 エミール・ゾラ

ゾラ作品の中では、かなりマイルドめな作品と言えましょう。

叔母の言いなりになって従兄と結婚してしまったテレーズ・ラカン。
不倫相手ローランが、テレーズの夫カミーユを殺してしまったことから
二人が味わう地獄を書いた物語です。

人を殺してしまうと、こんなにも死者に苦しめられるものでしょうか?
二人はカミーユの姿に悩まされ、眠ることさえままなりません。
ある意味良心的な人たちだったのかも?

前半はストーリーが動いて、ある意味ドラマティックなんだけど
後半はほとんどテレーズとローランの心理戦という感じです。

殺人を犯したピクニックに出かける以外、ほぼ全編が狭い家の中で繰り広げられます。
それがさらに、二人の息詰まる感じを煽っているようです。

その家は、テレーズが一生を縛り付けられた舞台でもあったわけです。
たしかに哀れです。

ただ、テレーズはね、一応自分のお店を持ってるわけ。
小さな婦人用品店だけど、今でいう雑貨屋とかセレクトショップとか、そんな感じです。

店を綺麗にするとか、売れるようにディスプレイするとか
情熱を注げば良かったと思うんだけども、彼女はとにかくボーッと座ってるだけなのよね。
だから沈んじゃったんではないかしら?

まあ、人を殺したら幽霊に苦しめられるってことを肝に銘じて
間違いを犯さないよう気をつけたいものですね

初期名作集 ゾラ・セレクション (1) 藤原書店


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ゾラ・セレクション、すごく欲しい・・・

ちょっと一言
この物語、上下巻に別れてるんですけど、二冊とも
薄っぺら~いのよね。 一巻にできなかったのでしょうか?
コメント
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