まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『風車小屋だより』“すべドー運動”実施中

2008-08-25 00:24:57 | フランスの作家
LETTERS DE MON MOULIN 
1869年 アルフォンス・ドーデー

ドーデーがよく訪れていたプロヴァンス州アルル近郊の
風車小屋を舞台に書かれた物語を中心に、田舎色豊かな小品が収められた短篇集です。

序文の後の『居を構える』という章が可愛くって素敵です。
長年の空き家にいきなり人間が表れた!!
驚くウサギやフクロウの様子がキュートです。

わたくし “すべての教科書にドーデーを!” 運動実施中です。
別に街頭演説とかビラ配りはしませんが

『母親(『月曜物語』)』とならんでお薦めしたいのが
この本の中にもあります。

『老人』
パリの友人からの手紙を携えて、その年老いた両親を訪ねます。
息子の便りを持って来てくれた人を前にはしゃぎ、根掘り葉掘り息子のことを訪ねる二人の
おかしくも哀しいお話です。

里帰りしてないなぁ・・・と反省させられます。
“親の心子知らず”なんだなぁ、私も。

ちょっと現実離れした感じの物語が多いと思います。
それも風車小屋ののどかさがなせるわざなのかしら?
あくせくした日常をつかの間忘れられますよ。

風車小屋だより 岩波書店


このアイテムの詳細を見る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『月曜物語』小さな悲劇が語ること

2008-08-25 00:24:43 | フランスの作家
CONTES DU LUNDI 
1871-1873年 アルフォンス・ドーデー

『最後の授業』は学校で習って知っている人も多いと思いますが
その一篇が収められている短篇集です。

軽妙に書かれているけど、フランスの愛国心と自戒、
そして反ドイツ感情がおおいに反映されています。
小品を集めたものですが、戦争で疲弊した市井の人びとの悲しみや苦労がしのばれます。

この本の中で、機会があったら読んでほしい
もうこれだけでいいという作品があります。

『母親』
入隊している息子に会おうと八方手を尽くし
息子と食べようと貧しい中できるだけの食料を持って夜明け前に田舎を出て来たというのに…
数語の言葉しか交わせないなんて。

この話しこそ教科書に入れるべきではないかと思います。
時代や豊かさの違いはあっても、お母さんの思いって
こういうものだと知ってほしくないですか?
って子供のいない私が言うのも変ですが。

『最後の授業』や『母親』以外にも、
歩兵が前線で死んでいるのに玉突きをやめない上官の話しとか
田舎をドイツにおわれてパリのせまいアパートを借りなくてはいけなくなった
子だくさんの農家の受難とか、戦争のせいで痛い目に遭う庶民の生活が語られています。

ユーモラスなものもありますが“人の哀れ”ってこういうものなのかな? と
うっすら考えさせられる作品がちりばめられた一冊です。

すごく短い作品ばかりなので、気軽に読んでみて下さい。

月曜物語 岩波書店


このアイテムの詳細を見る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする