宝石箱

テニスに行った。
最近ボクらのテニスサークルに入部したＫ氏が月の会費を払ってくれた。
ボクらのサークルは月１０００円だ。
Ｋ氏から千円札を受け取る。
テニス用の財布に入れながら何気なくお札を見てみると
千円札は半分に切れていて、セロテープで補強してあるじゃないか！！
ほほぉ～！
入部最初の会費をこんなお札で払うとは…。
なかなか挑戦的だ！
ボクに対する嫌がらせだろうか。
やるなぁ。
こりゃ有望な新人が入ってきたもんだ。
これから時間をかけてジックリとお返しをしていこうかね。
テニスが終わり、数名がボクの家に集まった。
いつの間にか話題はアイスの事に。
「昔あった『宝石箱』ってアイスが凄かった！あれをもう一度食べたい
なぁ」とＴ氏。
なんじゃそりゃ？全然知らないぞ？
『宝石箱』がいかに凄いアイスだったか。いかに旨かったかを熱く語っ
ていくＴ氏。しかしいくら聞いてもボクは知らない。
どうしてもまた食べてみたいというＴ氏の為にネットで調べてみた。
どうやらもう生産はしていない様子。
画像も出てきたが、やっぱりボクは食べた事も見た事もない。
「写真があったよ」とＴ氏に伝えると、
「あ～懐かしい～！これこれ！！これが旨いんだよ～！」と目を宝石の
ようにキラキラされて画面を食い入るように見ている。
そしてさらに『宝石箱』にたいする自分の思いを切々と語り出した。
でもいくら言われてもボクは食べた事ないから全然その気持ちが分から
ないんだよね。
食べたいとも思わないし、懐かしいとも思わない。こんなのよりも『ブ
ラックモンブラン』のほうが食べたい。
ま、Ｔ氏が満足してたようだからいいけど…。