でんわ

電気屋で買物をしていたら、ボクのお尻が震えた。
携帯が鳴ったのね。
ズボンの後ろポケットに入れていた携帯をポケットからちょっと引き出
して、お尻を覗き込むような格好で携帯の画面を見た。
Ｎ氏からの電話だ。
通話ボタンを押して、お尻付近にあった携帯を口元まで持ってこようと
したら…
クイックイッ！
ん？
何か引っ掛かってる！
慌てて何度も何度も引っ張るが…
クイックイッ！！
どうやっても取れない！！
どうも、携帯のストラップがズボンポケットの何かに引っ掛かってしま
っているようだ。
やばい！やばいぞ！
早く電話に出らねば！！
既に通話ボタンを押してしまっているから、Ｎ氏は待っているハズだ。
こうなったら仕方ない…
ストラップが引っ掛かっているだけなので、携帯本体はボクの腰あたり
まではもってこれる。
その腰の部分までボクの頭を強引に持っていくと、携帯から３０ｃｍく
らいの地点までボクの口を持ってこれた。
そこですかさず「ちょっとまた後でかけ直す～～！！！」と絶叫。
相手の返事も聞こえなかったけど、そうして電話を切りましたよ。
ちなみにその間も周りにはお客がいっぱい。
もちろんボクの様子もしっかりと目撃されてましたわ。
大人は遠巻きに、何食わぬ顔で見てるだけだからいいんだけど、この様
子を終始、斜め前にいた子供（推定７才）が不思議そうな顔をしてジッ
と見ていたのが、気になったなぁ。
子供は遠慮ないね。
あ、その後Ｎ氏にかけ直したら、Ｎ氏はボクの返事がないからすぐに電
話を切っていたとの事。
だからボクが必死で絶叫したのも聞いてなかったようだ。
無駄な事しちゃった。