場違い

今日はテニスの日。
いつものように、いつもの時間にコートに行ったんだけど、いつも違うことが一つ。

コートが違うんだよね。

今月はいつも使っているコートが取れなかったので、違うとこでやることになったんだよ。

受付を済ませてコートにむかう。
おお。
綺麗だ。
こんな高級なとこでやっていいのか？
身分不相応じゃないのか？

それほど高いわけじゃないけどいつものとこが激安でボロボロなので、普通のとこが立派に見えてしまうのだ。

だってコートにヒビが入ってないんだよ？
トイレが完備しているんだよ？
カナブンやカメムシも飛び回ってないんだよ？
名前の知らないような虫が這い回っていないんだよ？
その上、受付の人も親切で感じがいいし、自販機だって何種類もあるのだ。

素晴らしいじゃないですか。
ちょっと引け目を感じてしまうほどだよ。

私らみたいなのがこんなとこでやらせてもらってすいません。

と、卑屈な気持ちでコートへ向かう。

コートだけでなく、周りの人たちも本格的な人ばかり。
フォームも格好もテクニックも、全てが本気なのだ。

一方我々は、いつものように適当なフォームでヘラヘラしながら打っていく。
明らかに場違いな我々。

メジャーリーガーの中に草野球チームが入っちゃったような感じだ。
のび太くんが男塾に入学したような感じだ。
ハリウッドで、今のスタイルのままゴーゴーシリーズを撮るような感じだ。

完全に浮いてしまっているぞ。
もし問題で「このテニス場で仲間はずれはどれだ？」ってのがあれば、息子（４歳）でもボクらのコートに丸をつけるだろうよ。

いいんだいいんだ。
ボクらなんてヘナチョコに打って、ニヤニヤしてりゃいいんだ。

と、一層卑屈になりながらも、最後まで楽しく打ちましたよ。

そういうば隣のコート。
みんなカラフルなTシャツ着てるなぁって何気なく見ていたら…。

黄色に緑、ピンクに白に黒に青に灰色。

全員バラバラなんだよね！

すげぇ。
ゴレンジャーみたいだぞ。
これで赤が揃ったら完璧だな。

なんてヒソヒソと話をしていたら、次にやってきた人は本当に真っ赤っかのTシャツだった！

おおっ！
偶然にしては出来すぎている。
わざとやってんのか？
同じ種類のTシャツじゃないけど、それぞれの色を決めてんのかもしれないな。
揃いのユニフォームとかを作るんじゃなくて個別に色を指定して各自に買わせるってのはいいアイデアだ。
面白い。

ボクらもやりたいけど、毎回メンバーが揃わないから、とても無理だなぁ。
シャインクラブも練習なんてものがないから無理だし…。

たまに練習を見学に行ってる劇団にでも提案してみようかしら。

でも実際にやるとなったら、どこの団体でも色で揉めるんだろうね。
紫とかあんまし人気ないような気がする。
緑もいまいちかも。
真っ黄色もチャリティー番組みたいだし。

それが原因で仲が悪くなったりするかもしれないから、やっぱりやめておいたほうが良さそうだ。