良くも悪しくも吉永小百合の映画である。年齢のない女優だ。20年間に近い物語を63歳の彼女が何の違和感もなく演じるのだから。
邪馬台国の場所を解明するミステリーとして作ることも出来ただろうが、労作を完成させるまでの夫婦二人の情愛に焦点を当てている。
島原鉄道社主として観光重視、観光バスの発足などを企画するワンマン社長が竹中直人。すでに視力を失っているにもかかわらず、その精力的な行動力はすごい。
半ば強制的な退任後、歴史に生涯をかける夫婦二人三脚の旅が始まる。調査地や発掘の現場は山道やだだっ広い野原のようなところが多く、せっかく九州が舞台なのに風光明媚な観光映画的要素は薄い。
竹中はオーバーアクションが持ち味なので、そこからユーモアも生まれていることは確かだが、役所広司や渡辺謙がこの役をやったら、またまったく別の印象をもった作品になったであろう。
脇役の窪塚洋介は現在「ICHI」も公開中だが良い役どころだ。
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